「飯川雄大 fade out, fade up」 児玉画廊東京

児玉画廊東京
「飯川雄大 fade out, fade up」
8/25-9/29



児玉画廊東京で開催中の飯川雄大個展、「fade out, fade up」へ行ってきました。

これまで主に映像作品を発表してきたという飯川雄大、本展では映像ではなくむしろ写真、とりわけ興味深い新作の「fade out, fade up」シリーズなどを出品しています。

写されているのは何気ない夜の街角、いわゆる夜景ですが、それを一般的な「夜景」として捉えてしまうには少々無理があるほど、表現においてとある何かが前面に押し出されていると言えるかもしれません。

ずばりそれは光に対する闇、ようは殆ど被写体や場所が分からないほど、言わば景色を覆い隠した闇そのものです。

光はあくまでも断片的のみ浮き上がり、そこにあるであろうビルや木立は闇に呑まれています。例えば木や枝は何らかの幾何学模様のように浮かびあがりますが、殆どのものはシルエットでさえも分からないほどにかき消されているわけです。

またおそらく電灯であろう光源も、この闇の前では単なる白い粒でしかありません。真っ暗闇、もちろんそこには光のグラデーションも示されていますが、それも限りなく曖昧でかつデリケートではないでしょうか。

夜、それは確かに暗いものではありますが、これほど「闇」の力は強く、また世界を覆っているとは思いもよりません。風景を闇に溶かす夜の景色、終始ピンと張りつめた緊張感と静けさに包まれていました。

9月29日までの開催されています。

「飯川雄大 fade out, fade up」 児玉画廊東京
会期:8月25日(土)~9月29日(土)
休廊:日・月・祝
時間:11:00~19:00
住所:港区白金3-1-15 白金アートコンプレックス1階
交通:東京メトロ南北線・都営三田線白金高輪駅3番出口より徒歩10分。東京メトロ日比谷線広尾駅1番出口より徒歩15分。
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