「青山悟展「The Man-Machine(Reprise)」 ミヅマアートギャラリー

ミヅマアートギャラリー
「青山悟展「The Man-Machine(Reprise)」 
8/29-9/29



ミヅマアートギャラリーで開催中の「青山悟展「The Man-Machine(Reprise)」へ行ってきました。

まさに超絶技巧、ミシンによる細密な刺繍作品で知られる青山悟、最近では家族から社会、政治的な主題をとったインスタレーションでも大いに注目すべきかもしれません。

本展でのテーマもすばり社会、ニュース記事に取り上げられた事件、事故、そしてその背景にある時に政治的なメッセージです。

入口を抜け、会場の床を見やるとそこには雑誌、国際的なニュースを扱うニューズウィークの紙面が並び、さらに目を凝らすとそれらが糸によって繋がっていることが分かります。

そしてその周囲にあるのは表と裏に異なった刺繍の施された作品です。

オバマ大統領に反原発を訴えるメッセージ、そしてジョン・レノンなど、さも関係し合わないイメージが表裏一体となることで、実はそれらが奥底で結びついている可能性があることを示唆しています。

さらに奥にあるのはこれらのニュースを紡ぐミシンそのものと、ミシンが動く様子を捉えた映像です。(映像はオープニングでのライブパフォーマンスを収録。)

また会場に流れるのはお馴染み、平子博一のミニマル的な音楽。ひたすら動き続けるミシンの運動とも重なり、時に掻き立てるようなリズムを刻んでいました。



機械と人間というテーマ、そして平子とのコラボは、目黒区美での「メグロアドレス」の展示と同様かもしれませんが、その時よりも空間自体の完成度は高かったのではないでしょうか。

「表に見えているものが裏にあるものと同様に意味がなかったとしても、裏にあるものが表に見えているものと同様に意味がなかったとしても、何かを信じ、選択していかなければならない」(青山悟)

暗がりの和室で浮かび上がる、とあるメッセージ、ぐっと心に響くものがありました。

9月29日まで開催されています。

「青山悟展「The Man-Machine(Reprise)」 ミヅマアートギャラリー
会期:8月29日(水)~9月29日(土)
休廊:日・月・祝
時間:11:00~19:00
住所:新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2階
交通:東京メトロ有楽町線・南北線市ヶ谷駅出口5より徒歩5分。JR線飯田橋駅西口より徒歩8分。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )