都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
三菱一号館美術館2014~2015展覧会スケジュール
三菱一号館美術館の2015年までの展覧会スケジュールが発表されました。

[ザ・ビューティフルー英国の唯美主義1860~1900]
会期:2014年1月30日(木)~2014年5月6日(火・祝)
主催:三菱一号館美術館、朝日新聞社、テレビ朝日、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
後援:ブリティッシュ・カウンシル
概要:産業革命以降の19世紀後半、ヴィクトリア朝の英国では唯美主義者と呼ばれる前衛芸術家たちが追い求めた「新たな美」が大衆にまで広がって、壮大なムーブメントへと発展しました。 本展は、ロンドン、パリ、サンフランシスコで好評を博した国際巡回展を再構成した日本初の唯美主義展です。

フレデリック・レイトン「母と子」1864-65年 ブラックバーン美術館
ラファエル前派のみに留まらず、唯美主義展全般に目を向けた日本初の総合的な展覧会です。出品は全150点。ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館品から油画、水彩、また家具や工芸などの調度品がやってきます。
また興味深いのはそもそも三菱一号館の建物自体が、唯美主義最盛期にイギリスで流行した「クィーン・アン」様式であるということです。
特設サイトもオープン済。それにほぼ同会期に森アーツセンターギャラリーで行われる「ラファエル前派展 英国ヴィクトリア朝絵画」展との割引先行前売券「夢の英国美術周遊券」がちょうど本日、10月4日(金)から発売されます。
本日発売!とてもお得な「夢の英国美術周遊券」
19世紀後半の英国美術。丸の内と六本木を行き来して楽しみましょう。

[フェリックス・ヴァロットンー冷たい炎の画家]
会期:2014年6月14日(土)~2014年9月23日(火・祝)
主催:オルセー美術館、RMN-グラン・パレ、ゴッホ美術館、三菱一号館美術館、日本経済新聞社、テレビ朝日
後援:スイス大使館、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
概要:スイスで生まれ、19世紀末のパリで活躍したナビ派の画家、フェリックス・ヴァロットンの日本初個展。本展は、パリのオルセー美術館およびローザンヌのフェリックス・ヴァロットン財団の監修による国際展覧会として世界巡回を経たのち、2014年という日・スイス国交樹立150周年の記念すべき年に当館にて開催します。

フェリックス・ヴァロットン「貞節なシュザンヌ」1922年 ローザンヌ州立美術館
話題のヴァロットン展です。早い段階から開催の告知はされていましたが、先だって記者発表会も行われたこともあり、展示の詳細も出揃ってきました。リリースに沿って簡単に見どころをまとめてみます。
1.日本初の回顧展
いうまでもなく日本初の回顧展。監修はオルセー美術館、およびフェリックス・ヴァロットン財団。国際巡回はパリのグラン・パレ、及びアムステルダムのゴッホ美術館、そして三菱一号館美術館です。ちなみに同館は図録や展示企画などにおいても準備段階から参画しているそうです。その辺もポイントになるかもしれません。
2.解けない謎のように重層的な作品群
チラシ表紙の「ボール」しかり、時に斬新な視点を持つヴァロットン絵画ですが、エロティスズムや不安を喚起させる風景や室内画も彼の真骨頂であります。展示はそれらを他に神話や戦争を主題とした作品、また風刺画や肖像画などのテーマ別に紹介。出品は油彩60点、版画60点の計120点です。
3.三菱一号館のグラフィックコレクションから選りすぐりの60点を公開
三菱一号館は全部でヴァロットンの版画を187点所蔵しているそうです。これらは世界的に見てもかなり貴重だとか。実は現在開催中の名品選2013展にもいくつか出品されていますが、この回顧展にあわせて一挙に60点余の作品が公開されます。

ジャン=フランソワ・ミレー「種をまく人」1850年 ボストン美術館
[ボストン美術館 ミレー展ー傑作の数々と画家の真実]
会期:2014年10月17日(金)~2015年1月12日(月・祝)
主催:三菱一号館美術館、東京新聞、ボストン美術館
後援:米国大使館
概要:本展では、ミレー生誕200周年記念として、『ボストン美術館3大ミレー』といわれる「種をまく人」、「刈入れ人たちの休息(ルツとボアズ)」、「羊飼いの娘」 など選りすぐりのミレーの作品を中心に、バルビゾン村で活動したコロー、ディア ズ、ルソーらの作品、またミレーの影響を受けたクロード・モネをはじめとしたフランスの画家らの作品を取り上げます。

ジャン=フランソワ・ミレー「羊飼いの娘」1870-75年頃 ボストン美術館
最後は今回発表された新出のミレー展です。ボストン美術館からミレーコレクションがやってきます。
興味深いのはミレーとアメリカの関係です。ミレーは1849年にバルビゾン村へ移住しましたが、1850年代にボストン出身の画家が当地に定住すると、彼らはミレー作品を母国へ持ち帰ります。その結果、アメリカではミレー愛好熱が高まり、早くも1880年代の終わりには、フランスを凌ぐほどのミレーコレクションが形成されたそうです。
その多くが現在はボストン美術館に所蔵されていますが、展覧会ではそうしたアメリカにおけるミレー受容過程についても紹介されるそうです。アメリカ発のミレー展ならではの着眼にも注目しましょう。
さて最後に三菱一号館をまるごと楽しめる一冊が登場。その名も「まるごと 三菱一号館美術館 近代への扉をひらく」です。
「まるごと三菱一号館美術館―近代への扉を開く/東京美術」
現在開催中の「名品選2013ー近代への眼差し 印象派と世紀末美術」に準拠しつつも、同館のコレクション全般を豊富な図版とあわせて紹介。また高階先生と高橋館長の対談の他、中野京子さんや山本容子さんによる私の一点など、テキストとしても読み応えもあるガイドブックとなっています。
レイアウトもなかなか洒落ていて、お値段も手軽。書店で是非ご覧になって下さい。
展覧会スケジュール、及びリリース内容は2013年10月現在のものです。今後変更になることもあります。最新の情報は三菱一号館美術館のWEBサイトをご参照下さい。

[ザ・ビューティフルー英国の唯美主義1860~1900]
会期:2014年1月30日(木)~2014年5月6日(火・祝)
主催:三菱一号館美術館、朝日新聞社、テレビ朝日、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
後援:ブリティッシュ・カウンシル
概要:産業革命以降の19世紀後半、ヴィクトリア朝の英国では唯美主義者と呼ばれる前衛芸術家たちが追い求めた「新たな美」が大衆にまで広がって、壮大なムーブメントへと発展しました。 本展は、ロンドン、パリ、サンフランシスコで好評を博した国際巡回展を再構成した日本初の唯美主義展です。

フレデリック・レイトン「母と子」1864-65年 ブラックバーン美術館
ラファエル前派のみに留まらず、唯美主義展全般に目を向けた日本初の総合的な展覧会です。出品は全150点。ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館品から油画、水彩、また家具や工芸などの調度品がやってきます。
また興味深いのはそもそも三菱一号館の建物自体が、唯美主義最盛期にイギリスで流行した「クィーン・アン」様式であるということです。
特設サイトもオープン済。それにほぼ同会期に森アーツセンターギャラリーで行われる「ラファエル前派展 英国ヴィクトリア朝絵画」展との割引先行前売券「夢の英国美術周遊券」がちょうど本日、10月4日(金)から発売されます。
本日発売!とてもお得な「夢の英国美術周遊券」
19世紀後半の英国美術。丸の内と六本木を行き来して楽しみましょう。

[フェリックス・ヴァロットンー冷たい炎の画家]
会期:2014年6月14日(土)~2014年9月23日(火・祝)
主催:オルセー美術館、RMN-グラン・パレ、ゴッホ美術館、三菱一号館美術館、日本経済新聞社、テレビ朝日
後援:スイス大使館、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
概要:スイスで生まれ、19世紀末のパリで活躍したナビ派の画家、フェリックス・ヴァロットンの日本初個展。本展は、パリのオルセー美術館およびローザンヌのフェリックス・ヴァロットン財団の監修による国際展覧会として世界巡回を経たのち、2014年という日・スイス国交樹立150周年の記念すべき年に当館にて開催します。

フェリックス・ヴァロットン「貞節なシュザンヌ」1922年 ローザンヌ州立美術館
話題のヴァロットン展です。早い段階から開催の告知はされていましたが、先だって記者発表会も行われたこともあり、展示の詳細も出揃ってきました。リリースに沿って簡単に見どころをまとめてみます。
1.日本初の回顧展
いうまでもなく日本初の回顧展。監修はオルセー美術館、およびフェリックス・ヴァロットン財団。国際巡回はパリのグラン・パレ、及びアムステルダムのゴッホ美術館、そして三菱一号館美術館です。ちなみに同館は図録や展示企画などにおいても準備段階から参画しているそうです。その辺もポイントになるかもしれません。
2.解けない謎のように重層的な作品群
チラシ表紙の「ボール」しかり、時に斬新な視点を持つヴァロットン絵画ですが、エロティスズムや不安を喚起させる風景や室内画も彼の真骨頂であります。展示はそれらを他に神話や戦争を主題とした作品、また風刺画や肖像画などのテーマ別に紹介。出品は油彩60点、版画60点の計120点です。
3.三菱一号館のグラフィックコレクションから選りすぐりの60点を公開
三菱一号館は全部でヴァロットンの版画を187点所蔵しているそうです。これらは世界的に見てもかなり貴重だとか。実は現在開催中の名品選2013展にもいくつか出品されていますが、この回顧展にあわせて一挙に60点余の作品が公開されます。

ジャン=フランソワ・ミレー「種をまく人」1850年 ボストン美術館
[ボストン美術館 ミレー展ー傑作の数々と画家の真実]
会期:2014年10月17日(金)~2015年1月12日(月・祝)
主催:三菱一号館美術館、東京新聞、ボストン美術館
後援:米国大使館
概要:本展では、ミレー生誕200周年記念として、『ボストン美術館3大ミレー』といわれる「種をまく人」、「刈入れ人たちの休息(ルツとボアズ)」、「羊飼いの娘」 など選りすぐりのミレーの作品を中心に、バルビゾン村で活動したコロー、ディア ズ、ルソーらの作品、またミレーの影響を受けたクロード・モネをはじめとしたフランスの画家らの作品を取り上げます。

ジャン=フランソワ・ミレー「羊飼いの娘」1870-75年頃 ボストン美術館
最後は今回発表された新出のミレー展です。ボストン美術館からミレーコレクションがやってきます。
興味深いのはミレーとアメリカの関係です。ミレーは1849年にバルビゾン村へ移住しましたが、1850年代にボストン出身の画家が当地に定住すると、彼らはミレー作品を母国へ持ち帰ります。その結果、アメリカではミレー愛好熱が高まり、早くも1880年代の終わりには、フランスを凌ぐほどのミレーコレクションが形成されたそうです。
その多くが現在はボストン美術館に所蔵されていますが、展覧会ではそうしたアメリカにおけるミレー受容過程についても紹介されるそうです。アメリカ発のミレー展ならではの着眼にも注目しましょう。
さて最後に三菱一号館をまるごと楽しめる一冊が登場。その名も「まるごと 三菱一号館美術館 近代への扉をひらく」です。

現在開催中の「名品選2013ー近代への眼差し 印象派と世紀末美術」に準拠しつつも、同館のコレクション全般を豊富な図版とあわせて紹介。また高階先生と高橋館長の対談の他、中野京子さんや山本容子さんによる私の一点など、テキストとしても読み応えもあるガイドブックとなっています。
レイアウトもなかなか洒落ていて、お値段も手軽。書店で是非ご覧になって下さい。
展覧会スケジュール、及びリリース内容は2013年10月現在のものです。今後変更になることもあります。最新の情報は三菱一号館美術館のWEBサイトをご参照下さい。
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