「森万里子 Infinite Renew」 エスパス ルイ・ヴィトン東京

エスパス ルイ・ヴィトン東京
「森万里子 Infinite Renew」 
2013/9/28-2014/1/5



エスパス ルイ・ヴィトン東京で開催中の森万里子個展、「Infinite Renew」を見てきました。

現在、NYを拠点に活動するアーティスト森万里子。2002年には東京都現代美術館で個展を開催、さらに2005年にはヴェネツィア・ビエンナーレに参加。近年では宇宙の生成や輪廻転生などをテーマとしたインスタレーションを発表。国内外で注目を集めてきました。

その森が表参道のエスパスの空間に挑戦。「無限の再生」をテーマに、光を用いた大小8点の彫刻によるインスタレーションを展開しています。

まずは百聞は一見にしかずです。展示室に入ってみましょう。


「Infinite Energy」2013(無限のエネルギー)ファイバーグラス、ミラー、LED、リアルタイム制御システム

すると目に飛び込んで切るのは天井まで連なるスパイラル状のオブジェ、「Infinite Energy」。素材はファイバーグラスで高さは8m弱です。下からブルー、シアン、パープルのライトが投影。そして色は時におもむろに移り変わります。

この色の変化はインタラクティブ。つまり観客に反応して動きます。明かりを制御するシステムにはセンサーが内蔵。展示空間を歩く人の立ち位置などによって色が変わるわけです。


「Infinite Energy」2013(無限のエネルギー)*部分

それにしても美しきスパイラル。森はここに宇宙を見出している。何でも最新の物理学の仮説の宇宙論を投影しているのだそうです。

下から見上げると確かに無限の宇宙に吸い込まれるような感覚も。最上部にはミラーが仕込まれ、作品が映り込む。つまりこの螺旋は永遠に続いています。


手前:「Renew」2013(再生)ファイバーグラス

また永遠といえば東洋の輪廻転生に基づいた「Renew」なども展示。素材や質感こそ異なりますが、どこかイサム・ノグチの彫刻を思い起こさせます。そして台に置かれたのは「Butterfly」、つまり蝶。フェニーチェ歌劇場で上演された「蝶々夫人」の舞台装置の模型だそうです。(森は衣装と装置を担当しました。)


「Butterfly」2013(蝶)ポリウレタン

こちらも永遠を象徴、リングは循環していました。


「Birds」2012(鳥)ルーサイト

コンセプトはいささか難解ですが、オブジェとして素直に美しいのもポイントかもしれません。また宇宙や輪廻転生云々よりも、ゆるやかに曲線を描くフォルムには、女性の優美な身体を連想させる面もあります。

なお8回目を数えるエスパス ルイ・ヴィトン東京、日本人アーティストの単独の個展は今回が初めてだそうです。少し意外でした。


「Infinite Energy」2013(無限のエネルギー)*部分

夕方の観覧でしたが、日没後であると、より作品の光が映えるかもしれません。幸いなことに同スペース、連日20時までオープンしています。

2014年1月5日までの開催です。

「森万里子 Infinite Renew」 エスパス ルイ・ヴィトン東京
会期:2013年9月28日(土)~2014年1月5日(日)
休廊:不定休
時間:12:00~20:00
住所:渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7階
交通:東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A1出口より徒歩約3分。JR線原宿駅表参道口より徒歩約10分。
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