「3331 千代田芸術祭 2013」 アーツ千代田3331

アーツ千代田3331
「3331 千代田芸術祭 2013」 
9/29-10/20



アーツ千代田3331で開催中の「3331 千代田芸術祭 2013」へ行ってきました。

2010年より末広町の3331にて開催中の千代田芸術祭。いわゆるアンデパンダン形式。出品料を払えば誰もが自由に出品可能な美術展です。ジャンルも絵画に写真に立体にインスタレーション他と実に多種多様。今回も200名もの参加者が集まりました。

また3331ではお馴染みの企画とは言え、新たな展開も。通常の展示部門に加え、パフォーマンス他、映像や音部門も加わりました。今年はその辺もポイントかもしれません。

さてこうした展示では自らの感性の趣くまま、気に入った作品なりを見つけるべく歩き回るのが楽しいもの。というわけで早速、展示部門から印象に残った作品をいくつかあげてみます。


上段:杉本幸「喰う花」

まず上から杉本幸さんの「喰う花」。鮮やかな色彩とどこか日本画風のモチーフ。一瞬、盆栽を連想しましたが、ミクストメディアということで、絵具の他、ビーズのような突起物が散りばめられたマチエールも好感触でした。


丸山潤「The fowler of a flower」(部分)

下段は丸山潤さんの「The fowler of a flower」。ヒマワリのような花が増殖に増殖を重ねている。素材は水彩と黒インク。花をテーマにしつつも、どこか不気味な印象も。重ねられた円がまるで目のようでもあります。


三井彩紗「Looking for light」

三井彩紗さんの写真、「Looking for light」は光のセンスに魅せられます。木立や草木。ブレも効果的ではないでしょうか。白い光がふわっと覆い被さっていく。見ていて心地良く感じました。


中村凪「私の知らない私の家族」

中村凪さんの「私の知らない私の家族」も強い印象を与えます。どこでもありそうな家族の団らんの一コマを油彩で表した作品。子供を囲んでとても楽しそうですが、何か見ていて対象との距離感を覚えるのが不思議なところ。筆致も独特なものがあります。


細川華子「shopping syndrome」

スターバックスのロゴの入った紙袋に装飾を加えたのは細川華子さんです。照屋勇賢さんの作品を思い出しました。


井川和希「真友子」

井川和希さんの「真友子」。文字通りに被写体は真友子さんなのでしょうか。ともかく溢れんばかりのエネルギー。ポーズはもはや乱れ、ともかく動きに動きまくる。どことなく猥雑とした感覚もまた魅力的です。


北田英梨「My Insatiable One」

北田英梨さんの「My Insatiable One」、写真では分かりにくいかもしれませんが、左が版木で右がそこから写した版画作品です。このように版木と組み合わせて展示するのも興味深いところでした。


角田康介「いつか生まれる女神のための」

角田康介さんの「いつか生まれる女神のための」は木彫です。モチーフはどこかシュールでさえありますが、木彫自体の精巧さには感心させられます。


奥村直樹「あれ奥村か。」

キャプションに「足下にご注意ください。」とあるのは奥村直樹さんの「あれ奥村か。」。床に寝そべるのはさながら奥村さんの分身でしょうか。その視線は妙に人懐っこく、なかなか立ち去ることを許しません。

ブログでもお世話になっているあおひーさんが新機軸の作品を展示されています。タイトルは「encounter」。まるで影絵の如く写る半身の男性。のぞき込んでいるようでのぞき込まれている。ほぼモノクローム。おそらくはご本人の姿だろうと思いますが、手にはカメラも。遠目では雪の夜の景色のようにも見えますが、ともかくも何かを前にして自身を写していることが分かります。


あおひー「encounter」

そして近寄ってみると写真の表面にちょうど人の指ほどの太さのザワザワとした線があちこちに。初めは何らかの加工をしているのかと思いきや、さらに目を凝らして驚きました。その線、実はとある生き物。ようはある面を半ば見下ろして写している姿であることが分かるのです。それは何なのか。是非とも会場で確認して見て下さい。



さてチラシにも「対話型の展覧会」との文言が載っているように、ゲストによる「公開講評会」も千代田芸術祭の一つの見どころかもしれません。去年だったか、少しお邪魔したことがありましたが、時には作家と講評者との間の議論がわき起こるなど、アンデパンダンならではの熱気も見られました。(今年の公開講評会は既に終了しています。)

入場は無料です。10月20日まで開催されています。

「3331 千代田芸術祭 2013」 アーツ千代田3331@3331ArtsChiyoda) メインギャラリー
会期:9月29日(日)~10月20日(日)
休館:火曜日
時間:12:00~19:00 入場は閉場の30分前まで。
料金:無料
場所:千代田区外神田6-11-14 アーツ千代田3331 1階
交通:東京メトロ銀座線末広町駅4番出口より徒歩1分、東京メトロ千代田線湯島駅6番出口より徒歩3分、都営大江戸線上野御徒町駅A1番出口より徒歩6分、JR御徒町駅南口より徒歩7分。
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