都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「美の壺 和モダン・暮らしと憧れ展」 ギャラリーエークワッド
ギャラリーエークワッド
「美の壺 和モダン・暮らしと憧れ展」
5/25~7/29

ギャラリーエークワッドで開催中の「美の壺 和モダン・暮らしと憧れ展」を見てきました。
毎週日曜、夜11時よりEテレで放送中の番組、美の壺。今年で放送10周年を迎えたそうです。
いきなり重厚な応接間が広がっていました。佐々木邸です。竣工は1934年。練馬の江古田に旧同潤会の分譲住宅として建設されました。今も現存しています。

その一部を実寸大スケールで再現。8畳の洋間です。左奥には屏風。中央の円卓をソファーが囲んでいます。床には敷物。ペルシャ絨毯でしょうか。実にモダンです。客間であり、また主人の書斎としても利用されます。このような洋室は大正から昭和にかけて流行したそうです。

裏に回りましょう。今度は畳敷きの純和風、客間です。手前は縁側です。やや広い。そこに読書用、あるいは夕涼みのためのものでしょうか。竹で編まれた椅子が2脚置かれています。

この客間も8畳です。別の角度から中を覗いてみました。中央には木製の机があります。大きい。6人以上は囲めるのではないでしょうか。また奥の右に棚があり、左には床の間があります。壺や掛軸も立派です。調度品で飾られています。かつて床の間は家の格式を示す場所でもありましたが、昭和に入ると土産や趣味のものを置くスペースとして用いられるようになりました。

再現は佐々木邸の洋間と客間、そして広縁の部分です。実際にはさらに6畳の居間と茶の間、そして水回りのほか、玄関に女中室なる部屋もありました。平屋の延べ床で31坪。敷地面積は147坪もあったというから驚きです。庭付きの一戸建て。敷地が広いのは通風や採光の確保のほか、将来的な増改築を行うためのものでした。
同潤会はこの程度の規模の住宅を都内近郊に524戸ほど建設したそうです。今の感覚からすれば大邸宅と呼んでも差し支えないかもしれません。
ちなみにこの佐々木邸は2009年の3月、美の壺の162回放送で取り上げられたそうです。私は見過ごしてしまいましたが、ご覧になった方々もおられるのではないでしょうか。
さて展示のテーマは「和モダン」。同じく番組で扱われた日本の工芸品についても紹介しています。

一例が切子です。鮮やかな緑色をしているのが薩摩切子の「縁切子台鉢」。19世紀後半の作品です。まるで蓮の花が開くように立っています。果物などをのせれば、より映えるのではないでしょうか。

寄木細工もありました。元は古代シリア周辺で生まれたという工芸品です。シルクロードを経て奈良時代の日本に伝わります。のち江戸時代では静岡や箱根で発展しました。複雑な文様のパターンは100種類以上も存在するそうです。

うち箱根土産でもお馴染みの秘密箱は実際には触れることも出来ました。ちょっとしたコツで開けることが可能です。

さらにフランス由来のボンボニエールも目を引きます。日本に伝わったのは明治時代です。以来、様々な慶事の引き出物として定着します。

風呂敷や手ぬぐいなどもずらり。美の壺のために作られた作品も展示されています。

第1回の「古伊万里」から、最新の第376回の「截金」へと至った「美の壺」。年表のパネルもあります。その歴史の一端を見知ることが出来ました。

100円のリーフレットがとても良く出来ていました。鑑賞の参考になりそうです。

ギャラリーエークワッドは東陽町の竹中工務店東京本店の1階にあるギャラリーです。業務ビルゆえに土日はお休みです。お出かけの際はご注意下さい。

入場は無料です。7月29日まで開催されています。
「放送10周年記念 美の壺 和モダン・暮らしと憧れ展」 ギャラリーエークワッド
会期:5月25日(水)~7月29日(金)
休廊:土曜・日曜・祝日。
時間:11:00~18:00。*最終日は17時まで。
料金:無料。
住所:江東区新砂1-1-1 竹中工務店東京本店1階
交通:東京メトロ東西線東陽町駅3番出口徒歩3分。
「美の壺 和モダン・暮らしと憧れ展」
5/25~7/29

ギャラリーエークワッドで開催中の「美の壺 和モダン・暮らしと憧れ展」を見てきました。
毎週日曜、夜11時よりEテレで放送中の番組、美の壺。今年で放送10周年を迎えたそうです。
いきなり重厚な応接間が広がっていました。佐々木邸です。竣工は1934年。練馬の江古田に旧同潤会の分譲住宅として建設されました。今も現存しています。

その一部を実寸大スケールで再現。8畳の洋間です。左奥には屏風。中央の円卓をソファーが囲んでいます。床には敷物。ペルシャ絨毯でしょうか。実にモダンです。客間であり、また主人の書斎としても利用されます。このような洋室は大正から昭和にかけて流行したそうです。

裏に回りましょう。今度は畳敷きの純和風、客間です。手前は縁側です。やや広い。そこに読書用、あるいは夕涼みのためのものでしょうか。竹で編まれた椅子が2脚置かれています。

この客間も8畳です。別の角度から中を覗いてみました。中央には木製の机があります。大きい。6人以上は囲めるのではないでしょうか。また奥の右に棚があり、左には床の間があります。壺や掛軸も立派です。調度品で飾られています。かつて床の間は家の格式を示す場所でもありましたが、昭和に入ると土産や趣味のものを置くスペースとして用いられるようになりました。

再現は佐々木邸の洋間と客間、そして広縁の部分です。実際にはさらに6畳の居間と茶の間、そして水回りのほか、玄関に女中室なる部屋もありました。平屋の延べ床で31坪。敷地面積は147坪もあったというから驚きです。庭付きの一戸建て。敷地が広いのは通風や採光の確保のほか、将来的な増改築を行うためのものでした。
同潤会はこの程度の規模の住宅を都内近郊に524戸ほど建設したそうです。今の感覚からすれば大邸宅と呼んでも差し支えないかもしれません。
ちなみにこの佐々木邸は2009年の3月、美の壺の162回放送で取り上げられたそうです。私は見過ごしてしまいましたが、ご覧になった方々もおられるのではないでしょうか。
さて展示のテーマは「和モダン」。同じく番組で扱われた日本の工芸品についても紹介しています。

一例が切子です。鮮やかな緑色をしているのが薩摩切子の「縁切子台鉢」。19世紀後半の作品です。まるで蓮の花が開くように立っています。果物などをのせれば、より映えるのではないでしょうか。

寄木細工もありました。元は古代シリア周辺で生まれたという工芸品です。シルクロードを経て奈良時代の日本に伝わります。のち江戸時代では静岡や箱根で発展しました。複雑な文様のパターンは100種類以上も存在するそうです。

うち箱根土産でもお馴染みの秘密箱は実際には触れることも出来ました。ちょっとしたコツで開けることが可能です。

さらにフランス由来のボンボニエールも目を引きます。日本に伝わったのは明治時代です。以来、様々な慶事の引き出物として定着します。

風呂敷や手ぬぐいなどもずらり。美の壺のために作られた作品も展示されています。

第1回の「古伊万里」から、最新の第376回の「截金」へと至った「美の壺」。年表のパネルもあります。その歴史の一端を見知ることが出来ました。

100円のリーフレットがとても良く出来ていました。鑑賞の参考になりそうです。

ギャラリーエークワッドは東陽町の竹中工務店東京本店の1階にあるギャラリーです。業務ビルゆえに土日はお休みです。お出かけの際はご注意下さい。

入場は無料です。7月29日まで開催されています。
「放送10周年記念 美の壺 和モダン・暮らしと憧れ展」 ギャラリーエークワッド
会期:5月25日(水)~7月29日(金)
休廊:土曜・日曜・祝日。
時間:11:00~18:00。*最終日は17時まで。
料金:無料。
住所:江東区新砂1-1-1 竹中工務店東京本店1階
交通:東京メトロ東西線東陽町駅3番出口徒歩3分。
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