「重要文化財 明治生命館 一般公開」 明治生命館

明治生命館
「重要文化財 明治生命館 一般公開」
通年公開中 



明治生命館の一般公開を見てきました。

東京は丸の内、馬場先濠を前に構える明治生命館。竣工は昭和9年です。戦後の一時期にGHQに摂取され、対日理事会の会場にも使われました。昭和としては初めて重要文化財に指定された建物でもあります。

その明治生命館が通年で公開中です。受付は2階。隣接する丸の内MYPLAZAにも案内がありますが、表側の日比谷通りからも入ることが出来ます。

建物は地上8階、地下2階。10層構造です。公開されているのは1階と2階部分でした。順路は2階から1階です。資料展示室、控室、会議室、さらに食堂と続きます。資料室では明治生命館の概要や歴史をパネルで学ぶことが可能です。面白いのはデータベースディスプレイでした。ここでは創建時の設計図や古写真、それに歴史資料などを閲覧することが出来ます。



まずは建物東側へと向かいました。一番大きな部屋が会議室です。テーブルを囲んでは整然と椅子が並びます。この部屋こそがGHQの対日理事会の会場となったスペースです。



天井も見どころではないでしょうか。漆喰や石膏のレリーフが施されています。



続くスペースは食堂です。こちらも広い。梁のレリーフには葡萄と蔦があしらわれています。



建物中央は大きな吹き抜けになっています。天井には大きなシャンデリアが吊られていました。柱は大理石です。まるで神殿のような空間ではないでしょうか。外観同様、ローマ・ギリシャ風の古典様式でまとめられています。



回廊を進み、今度は建物西側へと移動しました。南向きに並ぶのは執務室や応接室です。北側の会議室や食堂に比べて小さな部屋で区切られています。



執務室の内装パネルは木装。床は絨毯です。そしてシャンデリアとレリーフ。暖炉にも細かな彫刻がなされています。



明治生命館の家具は戦前の工芸作家、梶田恵が設計したものです。梶田はビル全体の設計をした岡田信一郎と相談。建築意匠を踏まえながら家具をデザインしました。基本的には西洋の様式です。イギリス式、ルネサンス式などを取り入れています。



また家具の一部は設計だけでなく、製作も自らの工房で行ったそうです。応接室のテーブルや花台などがそれに当たります。



吹き抜け下の1階は店頭営業室。こちらはいわば現役です。明治安田生命の「丸の内お客さまご相談センター」として利用されています。



相談センターは業務区画のため立ち入れません。ただし周囲を歩いて見学することは可能です。床もやはり大理石。アンモナイトの化石が埋まっていたりします。



明治生命館の公開は初めにも触れたように通年です。月曜と火曜を除き、水曜から日曜日まで入場することが出来ます。



ただし曜日によって観覧時間が異なります。土日は11時より17時までですが、水曜から金曜は夕方以降、16時半から19時半のみオープンしています。また平日は2階の一部分も観覧出来ません。その意味では土日がベストです。



料金は無料。特別の手続きも一切ありません。館内の撮影も私用であれば可能でした。



実は殆ど偶然に立ち入ったに過ぎませんが、館内はさすがに見どころも多く、随所に歴史の重みを感じることが出来ます。都心へお出かけの際にでものぞいてみてはいかがでしょうか。

明治生命館は通年で一般に公開されています。

「重要文化財 明治生命館 一般公開」 明治生命館
会期:通年公開中。
休館:月曜、火曜日。
 *12月31日~1月3日、およびビル電気設備定期点検日は休館。
料金:無料。
時間:【土・日曜】11:00~17:00、【水・木・金曜】16:30~19:30
 *水~金曜(祝日は除く)は、2階の一部と1階ラウンジのみ観覧可。
住所:千代田区丸の内2-1-1
交通:JR線東京駅丸の内南口徒歩5分。東京メトロ千代田線二重橋前駅3番出口直結。
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「ジョルジョ・モランディ展」 東京ステーションギャラリー

東京ステーションギャラリー
「ジョルジョ・モランディー終わりなき変奏」
2/20~4/10



東京ステーションギャラリーで開催中の「ジョルジョ・モランディー終わりなき変奏」のプレスプレビューに参加してきました。

イタリアの静物画家、ジョルジョ・モランディ(1890-1964)。国内では約17年ぶりの回顧展です。油彩で50点、ほか水彩や素描を交えた計100点にて画家の業績を辿っています。

さてタイトルにある変奏ことヴァリエーション。これこそがモランディの画業を端的に表した言葉と言えるかもしれません。

とするのもモランディはほぼ終生、故郷のボローニャにとどまり続け、静物、ないし風景の限定された主題を繰り返し描きました。実際、出品作も「静物」と名付けられた作品ばかりです。

とりわけ静物が重要です。モランディは同じ瓶や壺を一箇所に並べたり、何度もまとめたりしては組換え、構図や色調の異なる作品を生み出しています。これがヴァリエーションです。


「静物」 1919年 エニ芸術遺産コレクション

そのはじまり。まずは初期作でした。意外にもモランディが師と仰いでいたのはセザンヌです。1919年の「静物」(作品番号2)には確かにセザンヌ風。色濃い影響を伺うことができます。一方で翌年の「静物」(作品番号4)の光の表現はシャルダンとの関連も指摘されています。彼もモランディにシンパシーを与えた画家の一人でした。


右:「静物」 1936年 マニャーニ・ロッカ財団(パルマ)
左:「静物」 1946年 モランディ美術館(ボローニャ)


ヴァリエーションは全部で11セクション。うち一つ「溝の影」はどうでしょうか。モランディのお気に入りだった白い瓶。表面に溝が刻まれています。おおよそ10年の間をおいた2点の「静物」(作品番号8、9)でも同じ瓶が描かれていますが、影の向きはいずれも右方向で変わりません。ただし構成は別です。瓶以外は異なる器を配置しています。


左:「静物」 1959年 アッカデミア・カッラーラ近現代美術館(ベルガモ)

モランディの絵画空間は時に特異です。例えば「静物」(作品番号13)です。瓶の背後のモチーフが妙な位置にあることが分かるでしょうか。壁との配置関係が曖昧です。一体、モチーフは壁の手前にあるのか、それとも壁はより後方にあり、単にテーブルの上からはみ出ているのか判然としません。モランディは絵の中の事物自体の描写よりも、全体の配置、ないしは量感に関心を寄せています。


右:「静物」 1948年 トリノ市立近現代美術館、グイド・エド・エットーレ・デ・フォルナリス財団
左:「静物」 1948年 モランディ美術館(ボローニャ)


円筒形の容器も好んだモチーフの一つでした。また「静物」(作品番号22)。丸い土台のある容器です。変わった形をしていますが、何でも穀物を計量するための計器として使われていたそうです。そして脚が伸び縮みします。つまりは高さを変えられるわけです。左の作品ではほかの器と高さを揃えて配置しています。しかし右の「静物」(作品番号23)はどうでしょうか。高さはまちまち。揃っていません。もちろんモランディが意図したゆえのことです。これもヴァリエーションの表れと言えるのではないでしょうか。

また興味深いのは計器は金属製ですが、ほかの陶製の瓶も同じような筆触で描いていることです。一体どちらか金属なのでしょうか。俄かに分かりません。


左:「静物」 1955年 ルチアーノ・パヴァロッティ・コレクション、モランディ美術館(ボローニャ)寄託

チラシ表紙の「静物」(作品番号33)はオペラ歌手であるパヴァロッティの旧蔵品です。彼が公演の度に持ちだしてはホテルの部屋に飾っていたという一枚、何よりも構図に特徴があります。と言うのもモチーフは全て左より。まるでステージから役者が降りるかのように左へ寄っているのです。反対の右側の空間はぽっかりと空いています。


左:「静物」 1951年 モランディ美術館(ボローニャ)

かたちにおけるヴァリエーション。矩形です。一例が「静物」(作品番号39)。クリーム色のテーブルの上にカップなどが置かれています。背景の壁しかり、タッチは力強く、絵具が相当に塗り込められていることが分かります。そして影。やはり右側にのびていました。これが濃い。まるでそれ自体が器の模様であるかのようです。あえて濃く描いています。そもそもモランディは作品を描くために、器や壺の表面の色を塗りなおしたり、別の器とくっつけたりしていました。あくまでも全てはモランディの頭の中にあるイメージ通りにコントロールしているわけです。


右:「静物」 1951年 モランディ美術館(ボローニャ)
左:「静物」 1951年 モランディ美術館(ボローニャ)


ヴァリエーションの例として分りやすいのが同年に2枚描かれた「静物」(作品番号71、72)でした。同じような配置と構図。一見、全く同じモチーフを表しているように思えるかもしれません。しかしながら瓶の本数が違います。左は6本で右が7本。右の作品には1本、水色の瓶が描き加えられていることが分かります。

モランディはモノの関係性を絵画平面で表そうと試みました。モチーフはいずれも線ではなく面で接触しています。明確な輪郭線はありません。ほかに重要なのは影と背景との関係です。モノ同士のある部分は溶け合い、また別の部分は強くせめぎ合います。まるでそれ自体が震えながら重なりあっているかのようです。


「フォッダッツア通りの中庭」 1958年 モランディ美術館(ボローニャ)

風景画が思いがけないほど魅惑的でした。いずれもアトリエなどから戸外を描いた作品、風景は時にかたちとして還元され、単純化されていることが見てとれます。うち珍しいのが「フォッダッツア通りの中庭」(作品番号88)です。自然を表した作品が多い中、ここには人工的な要素、つまり飛行機雲が描かれています。とは言え、手前の家々の屋根はやはり面での表現です。筆触については静物画とさほど違いはありません。


「花」 1957年 個人蔵、モランディ美術館(ボローニャ)寄託

ラストは花卉画でした。タイプは二種類、余白を残して花瓶の花を切り取ったものと、余白なく花の全体像を捉えたものがあります。基本的に造花を描いていたそうです。そこにもやはり描画する対象を操作するモランディの表れと言えるのではないでしょうか。


「自宅でのモランディ」 1961年 アントニオ・マゾッティ撮影

チラシに「すこし、ちがう。すごく、ちがう。」とのコピーがありましたが、確かにはじめは少しの違いしかないように見えるものの、しばらくすると差異点が浮き彫りになってくることが分かります。さらに作品は何も写実のみを志向したわけではなく、構図などにおいて時に実験的な取り込みもしています。静謐云々では語りつくせません。前衛という言葉もあながち誇張とは言えないのではないでしょうか。

近年、モランディというと、今から5年前、2011年の4月から豊田市美術館(ほか)を巡回する予定の展覧会がありました。ただしその展示は東日本大震災により中止されてしまいました。


「ジョルジョ・モランディ」展会場風景

そのモランディ展と今回の展示は全く別のものだそうです。しかしながら作品は100点。ほぼ全てイタリアからやって来ています。国内でこれほど多くのモランディ作品を見る機会など滅多にありません。さすがに充足感はありました。

ご紹介が遅れました。4月10日まで開催されています。おすすめします。

「ジョルジョ・モランディー終わりなき変奏」 東京ステーションギャラリー
会期:2月20日(土)~4月10日(日)
休館:月曜日。但し3月21日は開館。翌22日は休館。
料金:一般1100円、高校・大学生900円、中学生以下無料。
 *20名以上の団体は300円引。
 *3月15日(火)~3月31日(木)は「学生無料ウィーク」のため学生は無料。
時間:10:00~18:00。
 *毎週金曜日は20時まで開館。
 *入館は閉館の30分前まで
住所:千代田区丸の内1-9-1
交通:JR線東京駅丸の内北口改札前。(東京駅丸の内駅舎内)

注)写真は報道内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。
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「第10回 shiseido art egg GABOMI.展」 資生堂ギャラリー

資生堂ギャラリー
「第10回 shiseido art egg GABOMI.展」 
3/2~3/25



資生堂ギャラリーで開催中の「第10回 shiseido art egg GABOMI.展」を見てきました。

1978年に香川で生まれ、独学で写真を学んだというGABOMI.。自らが考案したという「手レンズ」なる技法で資生堂の地下空間に眩いばかりの光を満たしています。

入口の正面、壁一面に広がるのが「Inland Sea 2015」です。ともかくはオレンジ、ないし薄い赤色がかった色彩が目に飛び込んできました。



中央上には黄色い斑紋。かなり強い光です。そして下へ光が反射するように連なっています。もはや神々しい。すぐさま太陽の光を連想しました。朝陽ないしは夕陽。黄色い光が全身を包み込みます。ここが地下だと忘れるほどに鮮やかでした。

種を明かせば朝焼け。瀬戸内海の船の上から撮影したそうです。そして撮影に際して用いられたのが先にも触れた「手レンズ」。何でも「身体の一部である手をカメラのボディと組み合わせ、手で光を調節」(*)しているそうです。レンズから「解放された」(*ともに解説シートより)世界。いわば光はダイレクトに身体へ差し込んでいます。



光や色に対してのGABOMI.の独特なセンス。その最たる例が「NOLENS」ではないでしょうか。NOとあるのはレンズ。つまりカメラからレンズを外しています。内部を開け放った状態で被写体をマクロで撮影。ゆえに対象は全て色のみに還元されました。



「Wall」と題された一連のシリーズに目がとまりました。ここで写されたのは確かに壁、ないし何か部品などを納めたスペースです。いずれも具象的なものばかり。トタンでしょうか。またたくさんの工具。おそらくは工業用のスチールなどもありました。薄汚れた場所です。工場かもしれません。ふとそこへ淡い色が介在していることに気がつきました。これもGABOMI.が見て捉えた色と光なのでしょうか。

「KOTODEN ことでん仏生山工場」@GABOMI.

作品の一部は出身地である香川の高松琴平電鉄こと「ことでん」の工場を写したものだそうです。撮影は約8ヶ月。2012年には写真集「ことでん仏生山工場」にまとめられました。

「ことでん 仏生山工場/GABOMI./赤々舎」

記録、広告写真から、「手レンズ」を通して、時にインスタレーション的な世界を見せるGABOMI.。デジタル加工を一切行わないのも特徴です。作家の幅広く貪欲な表現を見知ることが出来ました。



【第10回 shiseido art egg 展示スケジュール】
川久保ジョイ展 2月3日(水)~2月26日(金) 
GABOMI.展 3月2日(水)~3月25日(金)
七搦綾乃(ななからげあやの)展 3月30日(水)~4月22日(金)



3月25日まで開催されています。

「第10回 shiseido art egg GABOMI.展」 資生堂ギャラリー
会期:3月2日(水)~3月25日(金)
休廊:毎週月曜日
時間:11:00~19:00(平日)、11:00~18:00(日・祝)
住所:中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A2出口から徒歩4分。東京メトロ銀座線新橋駅3番出口から徒歩4分。
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「雑貨展」 21_21 DESIGN SIGHT

21_21 DESIGN SIGHT
「雑貨展」 
2/26~6/5



21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「雑貨展」を見てきました。

身の回りの日常に溢れているモノこと生活雑貨。あれもこれも雑貨です。雑貨、ないし雑貨と捉えるモノが一堂に会しています。


「松野屋行商」 松野屋+寺山紀彦(studio note)

いきなり目に飛び込んできたのは雑貨の山。ではなく雑貨を積んだ車でした。江戸から明治にかけて雑貨を売り歩いた行商。それを現代に置き換えて再現しています。たくさんの籠にホウキ、そしてちりとり。傘もありました。端的に現代とはいえ、こうした日用品はさほど当時と変わらないかもしれません。

そもそも雑貨とは何でしょうか。その源流を辿ろうと試みたのが「雑貨のルーツ」のコーナーでした。


「雑貨のルーツ」

キーワードは全部で15個。「工業デザイン」や「デザイナー」、それに「パッケージ」や「消費社会」に「古いもの」と幅広い。中には「バウハウス」もあります。引きつけやすいのは「雑貨店」ではないでしょうか。文字通り日用品を扱うお店です。今では工芸や服飾、さらに時に飲食スペースを提供するライフスタイルストアへと変化を遂げています。


「雑貨展の雑貨」 展覧会企画チーム

「雑貨展の雑貨」では雑貨のサンプルが展示されていました。ご覧の通りの膨大な量です。数えるのも難しい。何点あるのか想像もつきません。調理用品に器、スプーンや箸からペットボトル、醤油入れにザルから布巾、ハンガー、時計にホッチキス、あとはスコップにゴミ箱などがずらり。どこかで見たものも少なくありません。


「雑貨展の雑貨」 展覧会企画チーム

そもそもキャプションに「雑貨という言葉が指し示すものは(途中略)明文化することはできません。」ともあります。ある意味で何でもありの様相。ただ一つだけキーワードを挙げるとしたら「身の回りの品」ということかもしれません。ともかく多種多様なモノが並べられています。

人それぞれに定義しうる雑貨。それを体現したのが「12組による雑貨」でした。ここではクリエイターやインテリアデザイナーなど、各方面で活動する人物が、自らの所有する雑貨を展示。いかに雑貨が人によって異なり、また暮らしと繋っているかを知ることが出来ます。


「S/S/A/Wの再構築」 たかはしよしこ(S/S/A/W)

例えばフードデザイナーのたかはしよしこはアトリエの雑貨を並べています。もちろん食に関わるものばかり。たくさんの食器が積まれています。まるで陶器市です。他にも入れ物やたくさんのコルク栓がありました。雑貨コレクションは持ち主の個性を反映しています。


「僕の身近なMADE IN ○○○」 南貴之(alpha.co.ltd)

雑貨の出自に着目したのがクリエイティブディレクターの南貴之です。テーマはずばり「MADE IN ○○○」。文具や置物、それに土産品などでしょうか。USAやKOREAなどの国や地域別に分類しています。


「銀座八丁と雑貨」 森岡督行(森岡書店)

森岡督行は銀座を雑貨でピックアップ。時代は昭和20年代末です。中央で帯状に広がるのはかの時代の銀座の風景。古い写真帳です。その上下に雑貨を並べています。しかもいずれもが今も現存する店舗のもの。つまり脈々と銀座で受け継がれてきた商品です。雑貨が地域の歴史を物語っています。


「 」 青田真也

現代美術からのアプローチもあります。青田真也です。プラスチックボトルの表面をヤスリで削り取っています。ラベルもありません。言わば匿名、商品としての意味を失っています。だからこそタイトルも「」。カッコ内は空白です。もちろん元はおそらく衣料用洗剤であり、また漂白剤のボトルだったのでしょう。削ることでモノとしての新たな姿を提示してもいます。


「キッチュな生活雑貨パッケージ」 町田忍

驚いたのは町田忍によるパッケージコレクションです。マーブルチョコに焼売の醤油差し、そしてMINTIAやFRISK。中には爪楊枝やアイスのスプーンまでありました。これらは消耗品と呼んで差し支えないモノ。人によっては直ぐさま捨ててしまうことでしょう。しかしながら町田はそこに雑貨としての意義を見出しています。


「キッチュな生活雑貨パッケージ」 町田忍

何とこれらの品を昭和30年代から収集しているそうです。もはや「生活を記録する」(キャプションよる)ための資料と化していました。


「Hook Carpet」 WE MAKE CARPETS

吹き抜けではオランダ人アーティストトリオ、「WE MAKE CARPETS」がインスタレーションを展開。タイトルの如く一面に広がるのはカーペットです。素材はプラスチック製のフックでしょうか。実にカラフル。ありふれた日用品で作られています。


「雑貨展」会場風景

ともかく場内には意外な雑貨から時に愛おしく思えるモノまで多数。お気入りの一点を見つけるのにはさほど時間はかかりませんでした。


「雑貨展」ミュージアムショップ「雑貨店」

雑貨の「雑」とは「分類できないもの」、ないし「多様に入り混じったもの」を意味するそうです。(ともにキャプションより)雑貨の多様性と意外な可能性。その一端に触れることの出来る展覧会と言えそうです。

6月5日まで開催されています。

「雑貨展」 21_21 DESIGN SIGHT@2121DESIGNSIGHT
会期:2月26日(金)~6月5日(日)
休館:火曜日。但し3月15日、5月3日は開館。
時間:11:00~19:00(入場は18:30まで)
 *4月28日(木)は関連プログラム開催のため、22時まで開館延長。
料金:一般1100円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。
 *15名以上は各200円引。
住所:港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
交通:都営地下鉄大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅、及び東京メトロ千代田線乃木坂駅より徒歩5分。
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「第19回 岡本太郎現代芸術賞展」 川崎市岡本太郎美術館

川崎市岡本太郎美術館
「第19回 岡本太郎現代芸術賞展」 
2/3-4/10



川崎市岡本太郎美術館で開催中の「第19回 岡本太郎現代芸術賞展」を見てきました。

毎年恒例、現代美術家の活動を紹介する岡本太郎現代芸術賞。今回も「ベラボーな」(公式サイトより)作品を求めて公募が行われました。集まった作品は全部で485点。うち審査を経て入選した23組の作家の作品が展示されています。


折原智江「ミス煎餅」

入口正面、一際目立っていました。折原智江の「ミス煎餅」です。見ての通り「折原之墓」と記された墓石。白い石の上に鎮座しています。背後には卒塔婆。横には墓誌もありました。かなり精巧です。ただし全体的にやや黄色がかった薄いオレンジ色をしています。はじめは何で出来ているのか分かりませんでした。

少し近寄ると醤油の香りが漏れ出ていることに気がつきました。ずばり煎餅です。なんと煎餅のお墓。作家の生家が煎餅屋を営んでいるそうです。一枚一枚、型をとっては焼き上げたのでしょうか。思いもよらぬ素材を利用しています。


三宅感「青空があるでしょう」

最高賞である岡本太郎賞を受賞したのが三宅感です。タイトルは「青空があるでしょう」。デコラティブな彫刻が空間を囲んでいます。モチーフには人体、また親子でしょうか。幼い子どもの姿も見えます。そして哺乳瓶や花、フライパンのほか、何やら判然としない突起物もあります。中央は口を開けた男がいました。これ見よがしに性器を露出しています。色に形しかり、表現からして鮮烈です。どことなくエネルギッシュな岡本太郎の作品を連想させます。


三宅感「青空があるでしょう」(部分)

実際のところテーマは人生でした。作家の生き様を前史から反映させたのでしょうか。夢、母体、子供心、自我、生活、仕事、そして誕生と死という7つのパートからなっています。人世史を未来を見据えて紐解く巨大壁画。迫力は十分でした。


井田大介「Viewpoint of God」

半裸の男がピストルを構えています。井田大介の「Viewpoint of God」です。背後にはピンク色に光るサークル。太陽でしょうか。そして銃口の先で向き合うのは黒いマントに身を包んだ老人。やはりピストルを手にしています。腰布をつけた男の体は傷だらけです。頭にはいばらの冠をつけています。イエスでしょう。かなり生々しい。彫刻としても存在感があります。


関川耕嗣「ムシトリ」

緑色の水辺が広がります。関川耕嗣の「ムシトリ」です。モチーフとなるのは作家が採取したり飼育した生き物。それをパネル状に表現しています。一枚ではなく何枚か合わせ重なっているのもポイントです。ゴロゴロと転がる石や生い茂る草。トンボが飛び、亀が泳ぎ、蛙がいました。床一面での展開です。しばし自然の風や草の匂いを想像しながら屈んで見入りました。


三角瞳「Vacant」

タンボール箱から溢れ出ているのは何と学生でした。三角瞳の「Vacant」です。空疎、ないしは間の抜けたなどを意味する言葉。箱にも記載されています。学生を象るのは紙一枚。ペラペラで実体をなしません。それにしても何枚あるのでしょうか。まるで死体のように積み上がっています。見るも無残な光景です。そして皆、リクルートスーツを着ていました。手前にはまるで売り物のように吊るされた女子大生もいます。作家の言葉を借りれば「値踏みされて、消費される人生」。社会に対してのメッセージが込められています。


坪井康宏「児島荘2号室」

ブルーシートを描ききっています。坪井康宏の「児島荘2号室」です。ちょうど四畳半。天井には和室用の照明器具がぶら下がっています。そして一面の青。ブルーシートです。ピンと張りつめられています。まさに本物と見間違うばかり。実は油絵です。あまりにもよく描かれているため、絵具特有の匂いがなければ俄かには分からないかもしれません。


横山奈美「逃れられない運命を受け入れること」

油絵といえば横山奈美も迫力がありました。黒を背景に浮かび上がる白い物体。トイレットペーパーだそうです。全て使われて芯のみ。折られているのは捨てるからでしょう。特異なのは縦2メートル50センチ超の麻布に描かれていることです。大きい。作家はこれを「モノリス」とも呼んでいます。確かに物静かながらも有無を言わさない実在感。神々しくさえあります。引き込まれました。


笹岡由梨子「Atem」

私が一番惹かれたのが笹岡由梨子です。特別賞を受賞。タイトルは「Atem」。映像インスタレーションです。赤いカーテンに囲まれたスペース。劇場を模したのでしょうか。正面には「いきおう」の題字とスクリーン。そこにはプールを前にして人形を操る子どもたちの姿が映されています。ただよく見ると顔は大人です。子どもの身体に大人の顔と表情。何でも作家自身だそうです。はめ込みの映像でしょうか。実写とアニメーションが奇妙な形でシンクロしています。


笹岡由梨子「Atem」

スクリーンの手前には実際に水の張られたプールがありました。これがまたさらに映像とシンクロします。映像の中でブクブクと泡を吹くと、プールにも泡が立ち始めました。映像世界が現実の舞台装置へと拡張しています。

出口横では恒例の「お気に入り作品を選ぼう」投票コーナーも展開。一人一票で気に入った作品を選ぶことが出来ます。(3/21まで)


「お気に入り作品を選ぼう」投票コーナー

私が出かけた時は三宅感と笹岡由梨子が僅差で1位、2位争いをしていました。いわゆるオーディエンス賞の設定はありませんが、投票結果は後に同館のWEBサイトで公開されるそうです。


「第19回 岡本太郎現代芸術賞展」会場風景

毎年、何気なく楽しみにしている展覧会でもあります。4月10日まで開催されています。

「第19回 岡本太郎現代芸術賞展」 川崎市岡本太郎美術館
会期:2月3日(水)~ 4月10日(日)
休館:月曜日。但し3月21日を除く。祝日の翌日(土曜日、日曜日は除く)、2月12日(金)、3月22日(火)。
時間:9:30~17:00
料金:一般600(480)円、大・高生・65歳以上400(320)円、中学生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体料金。
 *常設展も観覧可。
住所:川崎市多摩区枡形7-1-5
交通:小田急線向ヶ丘遊園駅から徒歩約20分。向ヶ丘遊園駅南口ターミナルより「溝口駅南口行」バス(5番のりば・溝19系統)で「生田緑地入口」で下車。徒歩5分。
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「本城直季写真展:東京」 キヤノンギャラリーS

キヤノンギャラリーS
「本城直季写真展:東京」 
2/12~3/28



キヤノンギャラリーSで開催中の「本城直季写真展:東京」を見てきました。

実際の風景をジオラマのように撮影することで知られる写真家、本城直季。テーマは東京です。かの大都市を新たに空撮。作品は約50点です。一大パノラマが広がっています。

鳥の目線に立って見たときの景色とはこのことを指すのかもしれません。それこそ地平線の彼方にまで建物がひしめき合う東京。おもちゃ箱から積み木をひっくり返したかのようにビルや家々が果てしなく連なっています。



空撮ということでかなり高い地点から捉えているのも特徴です。本城は時に地面へぐっと寄って、車や人の姿をも写すことがありますが、今回はそうした作品は殆どありません。あくまでも鳥瞰的です。超高層ビルでさえ小さな箱と化しています。その合間を縫うように走る高速道路。都市を身体に例えれば道路は血管かもしれません。足の踏み場はほぼ皆無。時折、ぽっかりと穴が空いています。公園でした。しばらくして東京は思いがけないほど横、言い換えれば水平面の方向に拡張していることに気がつきました。確かに高層ビルこそ群れてはいるものの、俯瞰すれば決して密ではなく、むしろ粗。面積の大半を占めるのは小さな家々や中小の雑居ビルです。核となる建物もあまり見られません。都市はのっぺりと広がっています。

「small planet/本城直季/リトルモア」

靄がかかり、光を巻き込んでは、白く朧げに霞んだ東京を写した作品が目にとまりました。ここではジオラマ的と言うよりもどこか幻想的ですらあります。本城の作品のまた違った側面を見たような気もしました。



3月28日まで開催されています。

「本城直季写真展:東京」 キヤノンギャラリーS
会期:2月12日(金)~3月28日(月)
休廊:日・祝日。
時間:10:00~17:30
料金:無料
住所:港区港南2-16-6 キヤノンSタワー1階
交通:JR品川駅港南口より徒歩約8分、京浜急行線品川駅より徒歩約10分
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「勝川春章と肉筆美人画」 出光美術館

出光美術館
「生誕290年記念 勝川春章と肉筆美人画ーみやびの女性像」
2/20-3/27



出光美術館で開催中の「生誕290年記念 勝川春章と肉筆美人画ーみやびの女性像」を見てきました。

江戸中期の浮世絵師、勝川春章(1796~1792)。役者絵で人気を博しながら、晩年には美人画を多く描きました。

その美人画がずらりと揃います。出品は80点。タイトルに肉筆とありましたが、確かに偽りありません。全て肉筆画でした。

冒頭からハイライトと言うべき作品がお出ましです。その名も「美人鑑賞図」。最晩年の大作です。ワイドの大画面、広々とした邸宅にて軸画を見定めては談笑する女性が描かれています。じゃれ合う猫も可愛らしい。また、今まさに壁から掛け軸を取り出し、畳の上に広げ、何やらひそひそと会話する様子には動きもあります。映像的とするのは言い過ぎでしょうか。後景の庭園も見どころです。筆は緻密。一説では注文主に所縁のある六義園を意識したと言われています。さらに近年の研究によって鳥文斎栄之の錦絵の構図を引用したことも分かったそうです。ともかく雅やかです。春章美人画の魅力を十分に味わうことが出来ます。

さて今回の春章展ですが、いわゆる単独の回顧展ではありません。「美人鑑賞図」に続くのは前史です。近世風俗画以降、師宣から宮川長春まで、美人画の経緯を辿っています。

春草の画業は長春に連なりました。「立姿美人図」です。振り向きざまの美人、黒い衣装は粋でさえあります。また衣文には金を用いているそうです。杉村治兵衞の「立姿美人図」も目を引きました。寛文美人画の典型例とも言われる一枚、ややふっくらとして丸みを帯びた女性の姿が捉えられています。版画の多い中、絵師の比較的珍しい肉筆画でもあるそうです。

ほか師宣では「秋草美人図」に「二美人図」も美しい。ともかく美人画展、右も左も当然ながら美人画ばかり。目移りしてしまいました。

春章が本格的に美人画に取り組んだのは50歳前後です。展示ではその源流として上方の絵師を参照しています。中でも西川祐信の「詠歌美人図」が優品です。3名の女性が和歌を詠むのか短冊を手にしています。後ろには近江八景を表した屏風が置かれています。古典的なモチーフを取り込んでいます。

春章では「文を読む遊女図」や「桜下遊女図」、それに「柳下納涼美人図」などが際立っていました。うち「桜下遊女図」は清方の愛蔵品です。それに「柳下納涼美人図」も艶やか。夏に涼を取っているのか、女性がやや胸を開けてはくつろいでいます。上部は墨による柳の描写です。月は外隈の技法でしょうか。ぼんやりと浮かびます。なんとも風流な作品でした。

同時代の絵師についても言及があります。例えば礒田湖龍斎や窪俊満です。また酒井抱一も春章と同時期に美人画を描いています。

ほぼ同じモチーフの2点、礒田湖龍斎と勝川春章の「石橋図」の比較も興味深いのではないでしょうか。能や歌舞伎で演じられた故事。ともに華やかな着物を付けた女性が牡丹の花を手にしては踊っています。龍斎画はダイナミックです。やや屈むようにして牡丹を上下に激しく振っています。一方で春章は一口に言えば風雅です。所作は上品でかつ身のこなしは軽い。牡丹がふわりと風に靡いてはたわむ様子を表現しています。

この風雅ならぬみやび。タイトルにもあるように、春章美人画の特徴を示す言葉として重要です。現実に即しながらも、時に古典的な主題を呼び込み、より雅やかな美人画を制作しています。

一例が「雪月花図」や「婦人風俗十二か月」でした。前者ではどこか大和絵を彷彿させるべく繊細な描写が目を引きます。「婦人風俗十二か月」はいわゆる月次絵です。それを美人画として表しています。「正月」では羽根つきです。板を手にした美人の姿。今、突いたのでしょうか。上には羽が浮いています。

さらに「遊里風俗図」も素晴らしい。夏と冬、二つの季節の遊里を表した対の作品です。右が夏、左が冬でしょう。夏では簾越しに男女が寄り添っています。煙管を持ってはやや上の空で見つめ合う二人。おそらく交わされたであろう情愛の熱気も微かに残っています。冬では遊女たちが暖を取っていました。そばにはすらりと立つ遊女もいます。一体、何頭身あるのでしょうか。まるで清長を思わせる美人です。赤と黒の衣装も艶やか。さらに筆も細かい。布団や箪笥の模様の描写も隙がありません。

ラストは春章以降の展開です。歌麿に北斎、そして鳥文斎栄之。中でも歌麿が対比的です。春章が夢想的とするなら、歌麿は実在的ですらある。このようにキャプションでは紹介されていました。

作品は出光美術館のコレクションが中心です。これが殊更に充実。ほか一部に東京国立博物館や千葉市美術館、太田記念美術館などが加わります。また会期中、2~3の作品に展示替えがあります。

「勝川春章と肉筆美人画ーみやびの女性像」出品リスト(PDF)

「浮世絵美人解体新書/安村敏信/世界文化社」

春章の美人画、まさかここまで惚れるとは思いませんでした。3月27日まで開催されています。おすすめします。

「生誕290年記念 勝川春章と肉筆美人画ーみやびの女性像」 出光美術館
会期:2月20日(土)~3月27日(日)
休館:月曜日。但し3月21日は開館。
時間:10:00~17:00
 *毎週金曜日は19時まで開館。入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1000(800)円、高・大生700(500)円、中学生以下無料(但し保護者の同伴が必要。)
 *( )内は20名以上の団体料金。
 *3/15~3/27は「学生無料ウィーク」につき学生は無料。
住所:千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9階
交通:東京メトロ有楽町線有楽町駅、都営三田線日比谷駅B3出口より徒歩3分。東京メトロ日比谷線・千代田線日比谷駅から地下連絡通路を経由しB3出口より徒歩3分。JR線有楽町駅国際フォーラム口より徒歩5分。
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3月の展覧会・ギャラリー

3月中に見たい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・「リアス・アーク美術館 東日本大震災の記録と津波の災害史」 目黒区美術館(~3/21)
・「サイモン・フジワラ ホワイトデー」 東京オペラシティアートギャラリー(~3/26)
・「原田直次郎展ー西洋画は益々奨励すべし」 埼玉県立近代美術館(~3/27)
・「VOCA展2016 現代美術の展望」 上野の森美術館(3/12~3/30)
・「村上隆のスーパーフラット・コレクション」 横浜美術館(~4/3)
・「ガレの庭 花々と声なきものたちの言葉」 東京都庭園美術館(~4/10)
・「美術は語られるー評論家・中原佑介の眼」 DIC川村記念美術館(~4/10)
・「国芳イズムー歌川国芳とその系脈 武蔵野の洋画家 悳俊彦コレクション」 練馬区立美術館(~4/10)
・「没後100年 宮川香山」 サントリー美術館(~4/17)
・「芹沢介のいろはー金子量重コレクション」 東京国立近代美術館工芸館(3/5~5/8)
・「ファンタスティック 江戸絵画の夢と空想」 府中市美術館(3/12~5/8)
・「田中功起 共にいることの可能性、その試み」 水戸芸術館(~5/15)
・「黒田清輝ー日本近代絵画の巨匠」 東京国立博物館(3/23~5/15)
・「安田靫彦展」 東京国立近代美術館(3/23~5/15)
・「PARIS オートクチュールー世界に一つだけの服」 三菱一号館美術館(3/4~5/22)
・「奥村土牛 画業ひとすじ100年のあゆみ」 山種美術館(3/19~5/22)
・「MOTアニュアル2016/ピクサー展」 東京都現代美術館(3/5~5/29)
・「馬鑑 山口晃展」 馬の博物館(3/26~5/29)
・「雑貨展」 21_21 DESIGN SIGHT(~6/5)
・「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」 Bunkamura ザ・ミュージアム(3/19~6/5)
・「カラヴァッジョ展」 国立西洋美術館(3/1~6/12)
・「MIYAKE ISSEY展:三宅一生の仕事」 国立新美術館(3/16~6/13)
・「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」 森美術館(3/26~7/10)

ギャラリー

・「ポーラミュージアムアネックス展2016ーイメージと人体」 ポーラミュージアムアネックス(~3/21)
・「第10回 shiseido art egg GABOMI.展」 資生堂ギャラリー(3/2~3/25)
・「資本空間ースリー・ディメンショナル・ロジカル・ピクチャーの彼岸 vol.7 白川昌生」 ギャラリーαM(~3/26)
・「岡本瑛里 対流圏」 ミヅマアートギャラリー(~3/26)
・「田幡浩一 one way or another」 ギャラリー小柳(~3/26)
・「宇治野宗輝 Rotate‘n’Roll Over」 山本現代(3/5~3/26)
・「佐藤翠 Secret Garden」 8/ ART GALLERY/ Tomio Toyama Gallery(3/2~3/28)
・「森万里子 サイクロイド」 SCAI THE BATHHOUSE(3/11~4/23)
・「シャルル・フレジェ」 メゾンエルメス(~5/15)

昨年のグエルチーノ展に続き、今年も春の西美はバロック絵画です。カラヴッジョ展がはじまります。



「カラヴァッジョ展」@国立西洋美術館(3/1~6/12)

開催直前に真筆と確認されて話題となった「法悦のマグダラのマリア」を含む11点のカラヴァッジョ作品が集結。国内では過去最大のスケールです。2001年に庭園美術館(ほか)で行われた「カラヴァッジョ 光と影の巨匠」以来、約15年ぶりとなるカラヴァッジョ展となります。

「あすからカラヴァッジョ展 世界初公開作品も」NHKニュース

チラシ表紙の「いざ竹橋」のコピーも目を引きました。歴史画の名手、安田靫彦の展覧会が東京国立近代美術館で開催されます。



「安田靫彦展」@東京国立近代美術館(3/23~5/15)

出品数は100件。(展示替えあり。)全てが本画だそうです。なお大規模な安田展は約40年ぶり。前回は画家92歳の時に行われた1972年の回顧展にまで遡ります。日本画ファンにも要注目の展示ではないでしょうか。

創立40周年の節目の展覧会です。馬の博物館にて「馬鑑 山口晃展」がはじまります。



「馬鑑 山口晃展」@馬の博物館(3/26~5/29)

馬の博物館は日本で初めて洋式競馬が行われた横浜競馬場を記念して建てられた施設。横浜市中区の根岸森林公園の中にあります。

展示も馬に因んだ内容です。山口晃の馬をモチーフにした作品に加え、同博物館の所蔵する近世屏風などが紹介されます。さらに山口の新作も会期中に公開されるそうです。

博物館界隈の森林公園は桜の名所です。ちょうど会期のはじめが見頃の時期とも重なります。お花見を兼ねて出かけるのも良さそうです。

それでは今月もよろしくお願いします。
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