◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

量る、計る、どっち?

2007-10-06 19:11:30 | 言葉についてあれこれ
                     もういい? 量れた?
 9月22日の記事のタイトルは「『真意をどこまで量りかねていたのか』って?」でした。「量る」は、重さや容積を計量するというときに使う漢字で、「分量を量る」というのはすぐ納得していただけると思うのですが、「相手の気持ちを量る」というのはどうですか。「相手の気持ちなどを察すること」という意味の「推量」、「推し量る」だから「相手の気持ちを量る」で、手元の表記辞典にも「相手の心中を量る」という例が載っています。IMEの変換でも、「相手の気持ちを量る」という例文が出てきますし、ATOKでも「量る」です。以上のような理由で「量る」にしたのですが、手元の国語辞典には「真意を計る」も載っています。ですから、「計る」も、間違いであるとは言い切れません。
 また、「はかりしれない」については、表記辞典には「量り知れない」と書かれています。でも、私は、これには違和感があって、多くのメディアが使っている「計り知れない」がいいように思います。「計る」には「推し量る」という意味もあり、IMEもATOKも「計り知れない」であり、「量り知れない」はありません。使い分けの難しい漢字というのがあって、数冊の辞書を見ると意見が分かれていることすらありますから、自分なりに考えて一つ選び、選んだらそれをずっと使うという姿勢でいるのがいいですね。ただ、何か理由があって別の漢字をあえて使うということはありますし、理由があればそれは許されることだと思います(^‐^)。
 ところで、先日、「○○さんのほうが有名だと想います」というテロップを見たのですが、これはちょっと・・・「想う」がもったいない。本当は、亡き友、恋しい人、懐かしい故郷を「想う」というときに使う漢字ですね、常用外ですけれど。昨日、夕方のニュースで、「名誉を棄損した」と書いてあるフリップを見て、キャスターが「これ、字が間違ってますね」と言ったので、よくあることだと思いつつ辞書で確認してみたところ、おなじみの「毀損」は常用漢字外で、「棄損」でいいのですね、ふーむ。「真意をどこまで量りかねていたのか」のテロップは「真意をどこまではかりかねていたのか」と、平仮名でした、チャンチャン♪

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