襄ケ嶽への登山道周辺は松くい虫被害の枯れ松が多くみられ、幹には戦時中に生松脂を採取した剥皮でV型溝切込みしたものがみられる。昭和20年(1945)3月に国内液体燃料の確保増強のために松根油等拡充増産対策措置要綱が制定されており、松根油は松の根、檜の根、針葉樹の枝葉樹皮も増産の対象としていたようである。また生松脂緊急増産対策措置要綱も制定されており、松根油と同一の精製もしていたようであるが生松脂精製工場で精製していたようである。襄ケ嶽の剥皮松は松根油等拡充増産のためではなく生松脂緊急増産対策措置によるものとみられるのである。
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