かぶれの世界(新)

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長崎からのメッセージ

2010-02-22 22:25:25 | 国際・政治

長崎県知事選で与党3党が推薦した橋本氏が、自公両党が推した中村元副知事に大差で敗れた。民主党幹部や閣僚まで選挙応援に投入されたが、昨夏衆院選の全選挙区で勝った長崎県で約10万票という予想外の大差がつき、まさに惨敗したといってよい。

一方、朝日新聞が週末に実施した世論調査で内閣支持率は37%になり、支持率低下が続いていることが報じられた。支持率低下の最大の原因は政治資金問題で、特に小沢幹事長の説明責任と民主党の対応姿勢が納得されていない為と分析され、選挙結果を反映した形となった。

深刻なのは、民主党への信頼が揺るぎだしたことだ。夏の参院選で民主党が過半数を占めないほうがよいという意見が55%、占めた方がよいが31%だったことだろう。この意味するところは、政治資金問題が小沢氏個人から民主党の問題になったと見る。この状態を放置できない、民主党は早急に解消すべきであると考える。

報道によれば、小沢幹事長は利益誘導と引き換えに組織票を確保する戦略を重視し推進してきた。しかも今回の選挙戦では閣僚から衆参議員まで大動員し、かつて自民党がやった地元利益誘導を選挙戦術に使うという露骨な運動をやったが全く効果が無かった。つまり組織票より結果を左右する大きな力が働いた。

それはチョット考えれば至極当然のことだ。即ち、いまや第一党の無党派が民主党は「ノー」と言ったからだ。投票率が8%上昇したのは殆どが無党派の人達で、彼等が民主党推薦候補に投票しなかった。元々民主党は無党派層の支持を受けて政権をとった。だが、今進めている組織票を固めるいわゆる小沢的なる手法は、実は無党派層を敵に回すアプローチだった疑いがある。

先週、いわゆる政治バラエティ番組のアンケートで、意外にも小泉首相が日本を良くした人第一位と紹介された。アンケート手法が信頼のおけるものか分からないが、昨今の政治や評論家が口を揃えて酷評しても、国民の間で根強い小泉人気を垣間見た気がした。

これも勝手な推測だが無党派層が政権選択に決定的な役割を果たすと仮定すれば、小泉氏以降の自民党首相に失望した国民(無党派層)が、小泉改革の後継として政治主導で無駄を省く公約を掲げた民主党を選択したと見ることが出来る。

とすれば、仮に政治資金問題が無かったとしても、利益誘導を餌に組織票を強化する小沢的手法で無党派層の支持を得て参院選に勝てるかどうか、何れにしても疑問であったといえる。東京のベッドタウン町田市では当然として、長崎県の結果の意味するところは深刻だと推測する。

悪いことには今回の閣僚等の露骨な利益誘導を示唆する選挙演説は、民主党の改革イメージを傷つける記録として残ったように感じる。自民党から政権交代しても同じだったという失望感を与えるには取って置きの証拠品だ。都合の悪いところを取り出して繰り返し使われる恐れがある。

とはいうものの、個別の政策は色々問題があって迷走気味だとしても、国民がまだ民主党政権に対する期待が無くなった訳ではない。以前「Xデー」と言ったが、小出しにしないで相当思い切った手を打てばまだ踏みとどまれる。そう期待する国民も多いはずだ。■

コメント (1)
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