3ヶ月ぶりに東京に戻った。昨日羽田空港に降り立つと機体に反射する光が真夏を思わせ、電車の中で夏の熱気を感じた。蒲田駅を通過する特急を地元自治体がクレームするニュースを思い出して不安になり、近くの中年女性にこの電車は蒲田で止まるか聞いた。実際は途中二つの駅で止まり少し恥かしい思いをした。蒲田駅の様子がすっかり変わり、どのホームで横浜方面に乗り換えるかまごついた。
寝苦しい東京の第一夜を過ごし、今朝から免許証の書き換えに行った。自転車で自宅から30分くらいのところで、手続きは以前よりスムーズに進み、免許証のICチップに記憶されている本籍地確認して全て完了、1時間余りのプロセスで終った。印象的だったのは新免許証を受け取る前の講習で、東京でも高齢者の交通事故死が増加し今では40%に迫る勢いと聞いたことだ。
高齢化が進む田舎では当然で、四国の死亡事故の6-7割が高齢者というニュースを昨年紹介した。交通事故だけではない。農機具を扱う高齢者の事故が増加していると先日NHKのローカル番組が報じていた。農業の担い手の高齢化が進んでいるのだから当然だが、それでも私には驚きだった。地元にある全国的な農機具メーカーは、事態を深刻に捉え高齢者用に設計を見直しているという。
例えばトラックターのブレーキは50kgの力で踏み込む設計だが、高齢者には25kg程度の力しかないらしい。実際80歳以上の農夫がトラクターを運転するのは近所でも珍しくない。彼らは若い頃に両親の仕事を継いだが、今は代わの後継者が限られ機械頼りになるしかない。
蛇足だが、上記のニュースの中で2番目に事故の多い農機具が刈取機(草刈機)で、先日私が買った機械と分かった時はいささか微妙な気分になった。80歳前後の老婆が使っているのだからと思って買ったのだが、それ程安易ではなかったようだ。今度田舎に戻り、使う時は気をつけねば。
先日もう一つ高齢化の象徴的なメールを、このブログにも時々登場するアマチアカメラマンのSさんから頂いた。彼は最近84歳の老ドライバーに車をぶつけられたそうだ。事故そのものよりも、もっと高齢者の父君がまだ現役のドライバーであることに改めてショックを受けたという。その後、父君を説得して最後は強引に車のキーを取り上げたという内容だった。
その間、父君の気持ちを慮る一方で、運転が心配で夜も眠れなかったという。私もその気持ちは良く分かった。その後、畑で仕事をする父君に会って話掛けると意外に朗らかな返事が返ってきた。それではと自転車に乗る練習をし、自転車で外出するようになったと聞いてホッとするものがあった。彼は90歳前後のはずで頭もしっかりしており、私も見習ってそうありたいと思った。■