今年のプロ野球のポストシーズンは日米とも面白いと先月投稿したが、私の勝ち負けの予測は全て外れた。一言「大外れの心境」を申し述べたい。
予測は、シーズンを含めてそれまでの戦い方をみて、更に短期決戦を考慮してディフェンスと切り札、それに監督の采配を比較してレンジャーズと中日の勝利を予測し、全て外れた。
結論から言うと私が重要視しなかった要因が勝敗を決めた。それは「チームの勢い」だった。確かにサンフランシスコ・ジャイアンツも千葉ロッテも勢いがあった。私もイケイケのチームと評した。だが、MLBを代表する投打の2枚看板を持つレンジャーズが勢いを止めると予測した。又、ディフェンスが安定している中日がロッテの勢いを凌ぐと予測した。これが素人予測の誤りだった。
レンジャーズの投打の2枚看板は絶対的でなかった。それまでポストシーズン無敗だったリーは初戦で乱打され、ヤンキースが3連続敬遠したハミルトンは上手く抑えられた。伏兵ロスが活躍し第2第3の投手が頑張ったサンフランシスコを止められなかった。終盤で救援投手の信じられない乱調もレンジャーズ敗退の一因だった。解説を聞く限り采配ミスだと思うが、そのような声は余り聞かれないのは何故だろうか。総じていうと、日本シリーズに比べ淡白な戦いだった。
報じられているように、日本シリーズは球史に残る白熱した戦いだった。ロッテの勢いを中日の緻密な野球でも止められなかった。具体的には中日の第一の敗因は先発が打ち込まれた為だ。だが、中日の勝ちパターンである僅差のゲームで、ロッテの救援投手が互角に投げ合ったのは勝敗を分けた第2の要因だ。中日の第3の敗因は荒木・井端の名コンビに衰えが感じられたことだ。全盛期時代は二人のイブシ銀的活躍だけで、敵のディフェンスをかき回し疲れさせ、主軸の好打を呼んだ。
その他にロッテの好機に強い打撃陣と、最後まで持ちこたえた中日の救援投手は、見事だった。攻守が逆の場面でも見応えがあり、目が放せなかった。米国は投手リレーと本塁打が勝敗に決定的な影響を与えたのに対し、日本は得点機での投打の凌ぎあいの僅かな差が勝敗を決した。ピンチとチャンスが交互に訪れて痺れる状況で、両監督は的確な采配を振るい選手は全力を尽くしたことがテレビの画面から伝わってきた。
日本シリーズは、失策やボーンヘッドで勝敗が決まることも無く、山場が何度も訪れゲームセットまで勝敗の行方が分からなかった。MLBより断然面白かった。中日対ロッテでは初めから面白くないといった失礼な解説者がいた。しかし、テレビの野球中継人気が低迷しているなか、良い試合をすれば視聴率が上がるという見事な例だった。実は、最後にこれが言いたくて書いた。■