賞味期限を過ぎた商品が売れているという。従来なら期限が迫る前に処分していた在庫品を、従来ならありえなかった百貨店でも販売し、これまた従来なら買わなかった客層までが買っているという。もったいないという環境意識と、通常価格の3-7割で販売され倹約志向を反映していると報じられている。
訳あり品が売れるのは都会だけではない。四国愛媛県の実家の近くの市場に行くと、東京近郊の自宅付近のスーパーとはチョット違う訳あり品が売られており、私もちょくちょく利用する。傷もののリンゴは全国的に売られていると思うが、生産量が少なく保存期間が短い柿となると珍しい。
今年は実家の庭の柿木が殆ど実をつけず、庭の柿をもいで食べる秋の楽しみが無くなった。今年は柿が不作だと、利根柿の出荷が始まった1ヶ月前にローカルテレビが報じていた。それでも、訳あり商品なら不作の今年でも安価に柿が手に入る。隣町の内子町は柿の産地で知られているが、農家が直接持ち込んで売る市場では訳あり商品が出ていた。
ちょうど今は富有柿が真っ赤に実り食べ頃だ。その市場では形は小さく、ヘタの周りが黒ずみ、虫食いだったりする見かけが悪い柿が、2級品として5-10個入りの袋で売られている。1個辺り20-50円程度の値段だ。形が大きく傷が無い立派な富有柿は1個100‐150円はするから、一度に2‐3個食べる私にとっては、2級品でも味はそこそこで凄い節約になる。
だが、柿の訳あり品は産地の市場にしか出ないようだ。傷み易い生ものの訳あり品は相対的に輸送コストが高くつくので、農家が直接持ち込める地元の市場で、自己責任で売るしかないのだろう。実際、内子町のすぐ隣の大洲市の実家から歩いていける同種の市場やスーパーとか、高速道路で30分程度の松山市の店では柿の訳あり品は見かけなかった。■