かぶれの世界(新)

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デフレ脱却?

2010-11-17 17:11:56 | 社会・経済

本経済は長らくデフレに悩まされて来た。私自身も中古品・訳あり品・現品限りの展示品・型落ち品など、見かけにこだわらず必要な機能を満たせばいいと考え買い物をしている。その前に本当に買う必要があるか熟慮する。

不必要な機能を満載した商品を差別化と称して高い値札をつけて売り、それでも買ってくれる消費者がいた日本市場向け商品戦略は既に破綻している。この消費性向がデフレの主要因となっている。だが、これはデフレというよりむしろ「合理的消費への回帰」と何度か投稿してきた。

これが新たな標準(ニューノーマル)と考えて、企業は不要部分をそぎ落とし真に必要な品質機能を提供する商品を開発していくべきだ。だが、いまや競争はグローバルレベルである。国内に閉じこもって消費者に高い品物を買わせ続けるのは如何にも無理がある。百貨店でも流行の安価な衣料品の売り場ができ、訳あり品を売る時代になった。

長い前振りだが、実はここまでは能書きである。というのはデフレが進行する中で、急に値上がりし始めたものがある。ニュースになって無いが、それは航空券価格だ。

空券価格は政治的な理由で内外価格差が異常に大きかった。自由化され路線・シーズン・時間帯と予約時期によって近年半値以下で購入できるようになった。実際この格安航空券は新幹線より安く、私は1ヶ月以上前に日程を決めネットで購入して田舎と東京を往復してきた。

最近はついにLCC(低価格航空会社)にANA(全日空)が進出すると報じられており、航空券はこれからも値下がりしていくだろうと思っていた。ところがだ、割引航空券の最低価格が密かに(私にとっては)30%も値上がりしているのだ。デフレの世の中で最低価格とはいえ値上げを許す環境は何であろうか。

9月に帰郷した時、羽田松山便は最安値が10,800円だったが、先日家内が同じフライトを利用した時は14,100円だった。その時は週末のフライトだからと思ったのだが、来月前半に帰京するため航空券を購入した時も同じ価格だった。今の航空運賃は需給に直結して反映される。12月前半といえばハイシーズンではなく、値上げする理由は無いはずだ。

際線の競争は生き死にを賭けた激しい戦いだ。昨日の日本経済新聞によれば12月の成田発中国行きの航空券が、日中関係の悪化で利用者が減ると予測し10月に比べ約4割引き下げたという。その他に中国系航空会社の安価な航空券に対抗したとの見方もあると報じている。国内線の単価を少しでも上げて国際線の戦いに備えようということが底流にあると私は考える。

今回の最低価格の値上げの私の推測は、JALの経営破綻後に行われた路線の見直しに関係しているように感じる。羽田松山間のフライトは存続したが、松山から羽田以外の空港への便が撤退もしくは減便になり、総じて利便性に欠けると見てJALの客がANAに流れると見たのではないだろうか。

もっと直接的な理由として同一条件でJALの割引額が大幅に減ったからかもしれない。というのは巨額の公的支援を受けたJALが値引きキャンペーンをすることにANAは反発していた。それで以前ほど強い価格競争に晒されないと判断して、ANAは値下げ幅を減らしたのだろう。税金でJALを救済し、その上ANAの値上げを許したとすれば納得いかない気分だ。デフレ脱却には程遠い。■

コメント
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