かぶれの世界(新)

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G8サミットから見えてくるもの

2011-05-29 22:00:07 | 国際・政治

G827日首脳宣言を採択して閉幕した。報じられたところでは、主要テーマは中東・北アフリカの民主化支援、欧州の政府債務問題に加え、原発の世界的な安全性の推進だった。又、日本の被災者への同情と日本政府国民との連帯が表明された。

新聞テレビの報道を見ると首脳宣言の内容とその精神をキチンと伝えるより、斜めから見た日本の問題に重点を当てて報じている。先のNZ地震で日本人被害者以外何ら報道しないのと同じで、一体何があったか全貌が全く見えない。例えば日本経済新聞(5/28)は第1面に「声なき主役「日本」置き去り」であり、社説でG8関連を扱ったのは日経・読売のみで朝日は音なしだった。

中東情勢と南欧債務問題はいまだ着地点の見えない現在進行形の問題であり、G8首脳がどう連携して取り組むか今回最も重要とみなされた議題である。これをキチンと日本国民に伝え共有するか報道の姿勢が見えてこない。日本のマスコミは、先進諸国が重要と思う問題でも原発以外は興味がないという姿勢のように見える。

G8のハイライトは、チュニジアやエジプトの首脳を招き、200億ドルの支援を招き中東の民主革命をG8が支援するという姿勢を世界に宣言したことである。関連して中東民主化の貢献したグーグルやフェイスブック等ネット企業のトップが招かれ会議に参加した。世界が共有する価値観を実現した企業として。当然我々国民は知っておかねばならないことである。

もしかして「日本置き去り」というのは、原発事故とそれを巡る政局という目の前の問題しか見えず、G8のメッセージをキチンと受け止められない我が身を自虐的に説明しているのかもしれない。皮肉が利きすぎた(?)チョット寂しい。

もう一つの主要テーマは、いまだに解消の見通しが立たない財政赤字に悩む南欧諸国の信用不安への対処であるが、各国には特有の国内事情があり議論は深まらず具体的な合意に至らなかった。何ら進展がなかったといってよい。だが欧州だけではない、差はあっても民主主義国G8に突きつけられた皮肉な現実である。この問題の解決には民主主義が壁になる。

世界最大の借金を抱える我国にとって他人事ではないはずだ。万が一にも我国が一旦信用不安に陥れば、その影響の大きさは福島原発事故など比べられない事態になる恐れがある。以前から論争となっている赤字国債発行法案が成立しない場合、予算執行に支障が出るだけでは済まないもっと大きな問題に発展しそうな悪い予感がする。根拠は無いのだが。■

コメント
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