かぶれの世界(新)

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高齢化の時計(2)

2011-08-06 13:01:10 | 日記・エッセイ・コラム

異変が起こったのは、昨日昼食前に買物に出掛け帰宅途中のことだった。4軒目の100円ショップで最後の買物を終えて自宅に向かい狭い小路を暫らく歩くと、突然前方に霞がかかった。前を歩く人が揺れて見え、地震でないことは直ぐ分かった。足がふらついて思ったように前に進まない。

やっと右手のビルの壁に辿り着きもたれて立った。多分時間をおかず前に進み始めたが、ふらふら歩く様子を見て親子連れの母親が大丈夫かと声をかけてくれた。大丈夫と応えたけれど、足がもつれ傍目に大丈夫な様には見えなかったと思う。母親が近づいて来るのが見えた。

何とか道路の反対側の塀に到達してすがり付いた。視野が狭くなっているように感じた。傍に来た母親は近頃では珍しく赤ちゃんを背負い、3歳くらいの女の子が付いて来た。心配そうに何度も大丈夫か聞かれた。暫らくすると意識がはっきりしてきた。

「もう大丈夫です」とわりと力強く答えて、やっと母親は納得したようだ。女の子にも「ありがとう、バイバイ」と言うと、母親に促されて「バイバイ」と言って去って行った。その後は不安を抑えて用心しながら自宅まで10分程度の距離を無事歩いて帰った。

最初に頭に浮かんだのは、数日前にサッカーの松田直樹氏の心筋梗塞で倒れ亡くなったことだった。父親も二度の心筋梗塞で死んだ。その前兆が現れたのかもしれないと思った。だが、どこにも痛みは感じなかった。多分違う。経験がないが、普通の貧血かもしれない。それなら大事ない。

先日黒い糸くずが見えるようになり医者にかかったばかりだ。高齢化の時計が容赦なく進んでいるとつくづく思った。特に自覚症状に変化はないが、昨日午後から外出を控え自宅でゆっくりしている。皮肉なことにこういう時に限って世の中は色んなことが起こる。

昨日は米国経済停滞と欧州の財政危機不安で世界中の株価が暴落した。しかし、夜には米国の雇用が予想以上に改善されたと報じられ市場は乱高下、今朝はS&Pが米国債の格付けを下げたと速報が入った。何が起こっても事態の推移を見守るしかない。私には他にやることがある。

私が万が一の場合に家族に伝えておかなければならないことが沢山ある。生命保険や税金など。どうすればよいのか解が見つかってない懸案事項も沢山残っている。母の介護から田舎の田畑山林まで私しか詳細の事情を知らないことだ。時計は容赦なく進んでいく。■

コメント
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