かぶれの世界(新)

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菅首相の400日

2011-08-26 23:13:04 | 国際・政治

今、世界は一人の男の発言を息を詰めて待っている。それは、オバマ大統領でもなければ、先ほどテレビ中継で退陣を表明した菅首相ではない。それはバーナンキ米国連銀議長が講演で、金融市場と米国景気動向について何を語るか、である。これほど世界が注目する発言は中々ない。一方、菅首相は過去の人になった。菅首相の400日はどういう政権だったか、私なりにまとめるとこうなる。

「最悪条件下で最悪事態を迎え国民の期待したリーダーシップを発揮できなかった政権」と特徴付けられる。だが、直前の鳩山政権は最低で論外だとしても、その前に3代続いた自民党短命政権よりましだったと感じる。ましだと感じる根拠は、参院選に大敗して生じたネジレ国会の下で、1000年に一度という東日本大震災と福島第1原発事故を取り組むことになり、4代続いた短命政権と同じ運命(ネジレ国会で政権放り出し)を辿りそうになったが、最後に粘り腰で復興のための補正予算を通し脱原発依存という国の新しい道筋をつけてその役割を果したことだ。端的にいうと、放り出さなかったことを評価する。

脱小沢を掲げてスタートし国民の高い支持率を受けた菅内閣は、9月の参院選で唐突に消費税10%を掲げて戦い大敗した。この「唐突」という言葉が菅首相の代名詞になり与野党の反対の理由になり、これ以降首相の打ち出した政策はネジレ国会で審議が進まず、国民の支持を失っていた。消費税、TPPなど日本の大方針を決める重要政策が、「思いつき」「人気取り」「延命策」と揶揄され、まともに議論されること無く先送りになって行った。菅首相にリーダーシップが無いと非難される所以となった。

菅首相の「思いつき」の多くは我国が本来あるべき姿を指し示しているように私は感じたが、それが首相の思いつきの延命策と切り捨てられ結果的に先送りされたのは残念だ。その責任は首相のリーダーシップだけの問題ではない、ネジレ国会下では野党の責任は同様に重いし、結果としてそれを許したマスコミや世論を含めた我国の政治システムに欠陥があると私は考える。それが、ムーディズが格下げをした本当の理由なのに、首相の責任と矮小化していると私は考える。

今、実質次の首相を決めることになる民主党代表レースが進んでいる。マスコミはいわゆる政治記者を登場させ、民主党内の数合わせばかり報じている。そして、最後に言い訳のように数合わせより政策を議論しろという。だが実態は、マスコミが数合わせに最も熱心だ。首相時代に資質に疑問を呈した鳩山氏の発言を繰り返し、小沢元代表の幹事長ポストへの執念を報じるが、彼らの政策は依然として不明だ。 

このようなプロセスで選ばれた首相では、今までの短命政権と同じ運命を辿る可能性が高いと私は感じる。6月頃に自公党首が菅さんさえ辞めれば何とかなると驚くべき発言をしたが、マスコミは無批判にその発言を報じた。そこには政策のセの字もなく、新内閣が同じ運命を辿る臭いがする。逆説的だが、このマスコミ体質にぴったり合うのは小沢氏であり、彼の傀儡が次期首相になれば新内閣はうまく機能するかもしれない。それ程馬鹿ではない?一寸待てば直ぐ分かる。■

コメント
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