クラシックとしては近年まれにみる大ヒット作品が、著名な作曲家のゴーストライターが代作していたと、2,3日前からマスコミを賑わしている。大雑把に言うと欺いてCDやチケットを売りまくったのが許せないという報道だ。
だが、私は違った視点で疑問に思った。異例の大ヒットとなった交響曲は、誰が作曲したかは別として、素晴らしい出来映えで心を打つ作品だったのだろうか。だが、作品そのものをぼろくそにけなす専門家の指摘が今日報じられていた。私は聞いたこともないし、批評できるほどの耳もなくどちらが正しいのか分らない。
ここからは推測だが、「耳が聞こえない被爆者二世の作曲家が東日本大震災の被災者に向けて書いた」というエピソードがテレビで紹介されて話題になりCDがバカ売れに売れた。つまり、曲が良かったかどうかではなくエピソードが良くて売れた。
マスコミはそれを知っているから(音楽のことは分からなくても)、エピソードの嘘をついたと怒りの報道をしたということなのだろう。そして、CDを買ったり演奏会に行った多くの人達も、エピソードを聞いて感激したのだろうと思った。別に音楽どうのこうのではなく。
誰も交響曲第1番が良いとか悪いとか言わないのが不思議でならない。実は分からないのだが、それを言うと恥ずかしいのかもしれない。それでも立派な報道をするマスコミは又もや恥知らずと、私は例によって悪口雑言を垂れたい。そんな私はもっと嫌な奴です。■