日 |
本の若者が世界で大活躍するニュースが続いている。ローザンヌ国際バレエコンクールで日本人高校生が1、2位を独占したというニュースが昨日報じられた。先週は理化学研究所の30歳の女性研究者が普通の細胞から万能細胞を作って世界を驚かせたと報じられた。
この数年スポーツの世界では野球やサッカーの選手が世界最高の舞台での活躍が伝えられている。今年になって本田選手がACミランの10番をしょってプレーし始め、楽天の田中投手が史上5番目の高年俸(投手)でヤンキースと契約したと報じられた。ちょっと前には考えられなかった。
彼等は遇然現れた訳ではないと私は感じる。ローザンヌでは上位6人のうち3人が日本人だったというから、若いバレエダンサーを育てる仕組みがあったはずだ。あるテレビ番組では海外で活躍した第1世代のダンサーが日本に戻り、彼等の指導を受けた第2世代のダンサー達が育ったという。
Jリーグの選手育成システムや、高校野球が国際レベルの選手育成システムとして機能していることは以前にも書いた。昨今の若者の活躍は、芸術やスポーツの分野で優れた才能をシステム的に育て結果だと私は推測する。具体的に何が機能したのか、教育レベルを上げるために応用できるか徹底的に調査すべきだと思う。
ゆ |
とり世代と聞くと悪いイメージがあるが、彼等は総てその評判の悪い「ゆとり世代」なのだ。それが私が調査すべきという理由だ。というのはゆとり教育は既に多くの問題が指摘されとっくに無くなった。学力テストで成績が低下し父母や専門家の評判がガタ落ち、文部省と日教組の奇妙な癒着関係まで指摘され放置できなくなった。
だが、万が一ゆとり教育に世界的な才能を生み出す何かがあったとしたら我が国にとって大きな損失になる。少なくとも芸術やスポーツでは効果があったかもしれないという結果が出た。彼等のテッペンはそれ以前の世代では成し得なかった成果を上げたのだ。
教育に限らないでもっと分野を広げて、この世代がどういう特徴を持っているのか調査すべきだと私は思う。芸術やスポーツには効果があるが、科学技術には向いてないのかもしれない。多分経済学はゆとり教育前も後もだめだろう。いずれにしてもゆとり世代のテッペンは日本の将来を指し示す灯かもしれない。我々は未来の天才を潰してはならない。
厳密に言うと1987年から2004年生まれの世代をゆとり世代というから、30歳の小保方さんはゆとり世代ではない。だが、ゆとり教育に移行する直前の世の中の雰囲気を感じたのではと思う。小久保さんの発見は日本の教育制度が優れた科学者を生んだのか、或いは突然変異的な存在なのか。科学技術の世界では元々多くのノーベル受賞者を出して来たから違うかもしれない。
恥 |
知らずのマスコミ報道がこの明るいニュースに接して唯一の失望だ。いつものことで予想されたことだが、小保方さんの大発見の扱いが酷かったことだ。科学者の彼女をアイドル扱いした。取材が行き過ぎて親戚知人までに迷惑が及び、たまりかねた小久保さんに自粛してくれと言わせた。その都合の悪い指摘はネットで流れた。マスコミに自浄能力はないのだろうか。
お前ら何だ、恥を知れと言いたい。世界に羽ばたく若者世代は素晴らしいが、日本のマスコミも何とかプロのジャーナリストとして世界に羽ばたいて欲しいと強く願う。因みにBBCとNYタイムスの記事を読んだ範囲では、英国はクールに事実のみを伝え、米国は共同研究したハーバード大学の教授の話だけだった。偉そうに言った後で何だが、エプロンとか漫画のエピソードが全然ないと何か寂しかった。■