台風18号の影響で午後から更に天気が悪化すると報じられていたが、既に朝から強い雨模様だった。家族が集まって新宿で昼食をする予定だったが、4歳とまだ7か月の赤子を抱える長男夫婦が雨中外出出来るか気になった。家を出る前に連絡を取ると既に出かけていた。食事を楽しみにしていた口振りだったので安心した。
食事は3丁目にあるつな八の天ぷらを頂いた。お店は1階のカウンター席から2階の和室まで満員だった。3皿に分けて出て来た野菜や海老・アナゴなどは全て美味しかったが、私にとっては生ビールと最初に食べたマイタケの天ぷらが一番美味しかった。お店を出ると雨は強く降っていたが、通りを歩く人達は更に増えていた。
その後、お茶と甘いものを求めて雨の中3丁目界隈を歩いたが、台風前夜なのにどのお店も満員だったのには驚いた。子供達と一緒にお店を覗いて回り、ビールをおいしく飲むための肉料理がメインのビヤホールにやっと空席を見つけた。メインじゃないコーヒ・紅茶は皆に不評だったが、私にはショコラムースが美味しく感じた。
それにしても台風が迫り激しく雨が降っているというのに店は満員、路地を歩く人達が溢れているのを見ると驚きだった。新宿は特別な所だと分かっているが、日本経済は活気に満ちていると私には感じた。
しかし、帰りの電車の中で正気に戻った。1週間前に人通りの絶えた実家の近くの商店街を歩き、県庁所在地の松山の繁華街ですら人の賑わいを感じなかったのを思い出した。新宿に来るまでこの大きな落差を実感できなかった。
今、自宅に戻り夕食を終え、台風前夜の雨音が大きくなるを感じながらこの記事を書いている。新宿の賑わいで却って都市部と地方の景気回復の差に圧倒された気分で、今更ながら落ち着かない複雑な気持ちだ。■