かぶれの世界(新)

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大胆仮説: 2017年自由世界のリーダーは?

2016-12-15 16:24:31 | ニュース
トランプ氏が次の米大統領に決まってから、今迄とは全く違った世界に変わってしまった。米株式市場はトランプ次期大統領のインフラ投資・減税・金融規制緩和などの政策期待で史上最高値を付けた一方で、オバマ大統領が残した実績が次々と覆されてしまう「激変の予感」がある。

強硬派の軍人と実業家が続々と閣僚に指名されるたびに、世界は来年何が起こるのか息を呑んで見守っている。激変の渦の中心にトランプ氏がいる。彼は世界中から尊敬され舵取りを期待されるリーダーではない。しかし、誰かが舵取りをしなければ世界は混乱と恐怖の淵に向かうだろう。それでは2017年のリーダーは誰か、例によって私の大胆占いをしてみたい。

国民投票でEU離脱を決めた時から、英国は欧州の片隅で経済的利益を追求する国になる道を選んだ。世界で唯一の超大国だった米国も自国の利益を最優先するトランプ大統領を選び、自由と民主主義の価値観よりも中国・ロシアのように力ずくで利益を追求する「世界のガキ大将」になりそうな勢いだ。

彼等は第2次世界大戦を2度と繰り返さないとの反省から生まれた民族自決、自由民主主義、反人種差別・女性差別等々の理想主義を実現するため世界を率いるリーダーの役割を担う積りはない。初めからそんなものはない。2016年は長くリーダーを勤めて来た米国と支えて来た英国を一気に失った年であった。米国は経済・軍事ともに超大国であると同時に理念で世界を牽引するリーダーを自ら放棄した。

2017年以降も米英は存在感を示すだろうが、自国の利益の為になるか否かを唯一の基準として判断し行動する。世界は「気が付けばリーダーがいなくなった」状態になった。今更トランプ新大統領に考え直せと説得などできやしないし、ましてや力ずくでやってきたプーチンや習近平が宗旨替え等するはずがない。

それでは米国に代わって世界のリーダーの役割を果たすのは誰か。それは経済力と軍事力があり公平かつ寛容で尊敬される国の人間的魅力のあるリーダーがいなければならない。世界から米英ロ中を除き消去法で選ぶと最もその役割を果たせそうなのはドイツであり、メルケル首相だというのが私の大胆占いだ。

彼女は欧州に難民が押し寄せた時、内外の強い反対にも拘らず100万人もの難民を受け入れる決定をした。国内の強い反対が予想されても火中の栗を拾う決断をする強いリーダーの姿を見せた。流石にその後の地方選で与党は議席を失いブルカの使用禁止など象徴的な妥協をせざるを得なかったが、それでも依然として有力な首相候補は現れずメルケル首相の長期政権の可能性があるとされている。

この考えを纏めて下書きを書いたが、どうも考えが足りないと感じて一旦投稿を保留した。すると偶然にも雑誌「Time」電子版(12/12)に「メルケルは何故自由世界のリーダーになる準備が出来ていないか」(S.Shuster)という記事を見つけた。タイトルを見ただけで私と同じ考えの人がいると思った。

記事によれば11月中旬にオバマ大統領が訪欧しトランプから自由世界を守るリーダーの役割のバトンをメルケルに渡したという。だが、彼女は難民受入れを巡り国内の政治基盤が弱まり、独を支えるべき仏伊等の同盟国の盟友も弱体化した、それでもやるっきゃないという悲観的なものだった。しかし、逆説的に言うと自由世界のリーダー候補はメルケルしかいないということだと私は理解した。

これは想像上のことだが、米国に対する英国の役割として日本の安倍首相はどうだろうか。メルケル首相と安倍首相の並んだ写真は想像できない。相性が悪いかも。万が一そうなったら第2次世界大戦のいわば悪者であり敗戦国の日独が、戦後75年を経て世界のリーダーになるという嘘みたいなことが実現する。

だが、幸か不幸かそれはない。良くも悪くも強い軍事力を背景にしない限り言うことを聞かない国は多い。日本は平和憲法の下で戦後一貫して世界平和のための軍事貢献を免除されて来た。勿論、経済的な努力はしてきたが、平和憲法を理由に軍隊を持たず結果的に他国の若者に血を流させた。それしか選択はなかったというべきだが、この先ずっとそんな都合の良い環境が続くだろうか。メルケルがリーダーになるかどうかは分からないが、ドイツはこの機会を経験して変わって行くと予想する。■
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