かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

平成天皇の置き土産

2019-05-01 11:54:05 | ニュース
多くの人が指摘するように平成天皇の最大の功績は新憲法の下で、唯一無二の日本国の象徴としての天皇の在り方を確立されたことであると、私も頭の中だけの理屈でなく実感としてある。私風に言うと平成天皇が熟慮して作り上げた世界史上初の大発明だ。

普賢岳噴火による火砕流の被災者を見舞われた時、天皇皇后が膝を折り被災者と同じ目線で話される姿に驚き心を打たれた。戦争直後に生まれた私が天皇のそういう姿を見るのは初めてだった。その後災害が起こる度に被災地を訪問され、象徴天皇はあるべき姿として日常のものになった。

ここから私特有の天邪鬼的な天皇論を展開したい。余り記憶されてないかもしれないが、陛下が国内の被災地を訪問されたのと同様に、先の大戦で戦った日本と相手国の双方の戦没者・犠牲者を慰霊され、戦争相手国からも好意的に受け入れられたのを私は記憶している。

気持ちは分からないではないが国内で戦争被害者としての主張ばかり報じられるのが私は常々気になっていた。それでは陛下の戦地訪問と戦没者慰霊のメッセージが正しく伝わってないように思う。広島や沖縄からの兵が戦地で戦ったのも事実であることを忘れるなと陛下は背中で示された。

天皇の海外の戦地に向かい双方の戦争の犠牲者を慰霊されたのは、本心から平和を願う姿を国民に示されたものだと私は強く思う。それは日本の平和外交が戦後海外から受け入れられる大きな貢献をしたはずだ。最も印象的なのは昭和天皇が大きな貢献をされたと思う。

私には軍服姿の昭和天皇のイメージが強く、先の大戦に関わったという拒否反応があった。多くの兵隊が天皇陛下万歳と叫んで死んでいった。陛下は国民が強烈な拒絶反応を示す海外諸国を訪問し、勇気をもってかつ静かに対応され受け入れられた。この空気の変化が平成天皇に引き継がれたと思う。

戦争被害者や被災者を一方的に被害者面するなと批判する気持ちはない。余裕がなければそんな気持ちにはなれないのは良く分かる。だが、平成天皇が言葉に表さずとも隠されたメッセージ、「置き土産」として残されたと出来るだけ多くの人に受け取って欲しい。■
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする