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森元首相発言の本音と建て前(追記)

2021-02-09 18:20:45 | 日記・エッセイ・コラム
森元首相・東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会長の不用意な発言は、依然として世界中からのバッシングが続いている。彼を非難するのはいじめ等と揶揄されることもなく、安全で安心して徹底的に叩ける。連日繰り返すマスコミ報道にはそんな風に感じる。

そんな時に性差別の撤廃等に生涯をかけた米最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグの半生を描いた映画「ビリーブ」を偶然見た。50年前に母親を介護する息子が男性という理由で支援を受けられないのは性差別だと訴え勝訴した若き女性弁護士の姿を描いたものだ。

たまたまテレビ映画のチャンネルに切り替えて見始めたら惹き付けられ最後まで見た。私が90年代半ばに米国子会社に赴任した時は、彼女はクリントン大統領に指名されて最高裁判事になっていたが私は何も知らなかった。存在感を感じられない日本の最高裁判事と重ね合わせて見ていた。

皮肉にも彼女が亡くなりトランプ大統領が強引に保守派女性判事を後任に据え大きなニュースになった時に初めてギンズバーク氏の名前を知ることになった。彼女が妊娠中絶や銃規制などでリベラルな判断を下してきたが、保守派の後任判事が就任し今後の最高裁判断が注目されている。

映画で描かれた性差別の裁判は女性の仕事される介護分野で男性の仕事が認められないという謂わば逆性差別を描かれていた。今回は森元首相がオリンピック大会会長という立場で女性蔑視と見做される不適切発言をした問題であり、法の下の平等を直接争うものではない。

私が世界に広がるバッシングの嵐に違和感を感じたのは、民主主義の世で発言が抑圧された印象を受けたからだ。森元首相の非常識な発言は呆れたし不適切だが、言論を抑圧するかのような極端な反応には違和感があったという訳だ。ギンズバーグ最高裁判事のコメントを聞きたくなった。■
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