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田舎暮らし雑感12夏(6)

2012-10-11 22:48:57 | 日記・エッセイ・コラム

今月一杯で東京に戻ることにした。7月末に松山空港に降り立った時、夏の熱気にいささか腰が引けた。実家の周りの背の高い雑草を見て、手入れの大変さを予想してうんざりした。それから2ヵ月半経過し、家と庭の手入れを少しずつやり何とか気持ちよく住めるようになった。

実家の南側を流れる川沿いの畑に植えたコスモスの花が、7月末実家に戻った時は雑草の中にポツポツ咲いている程度だった。トラックターで耕し種まきをお願いした隣のオバサンが、「今年は上手いこといかんかったのー」と申し訳なさそうに言われた。

だが、2ヶ月以上経った10月半ばの今、丈が伸びたコスモスは畑一杯に赤、白、紫の美しい花をつけている。コスモスの開花期間は意外に長いということか。或いは昨年育ち開花した花の種と、昨年蒔いた種が1-2ヶ月の時間差で育ったのかもしれない。いずれにしても良かった。

東京に戻る前に是非やらねばと気になっていたことがある。それは庭の松や槙の木の手入れで、プロの庭師にやってもらわないと私には手が出せなかった。しかし、昼間に作業しても暑さで倒れない程度に気温が下がるのを待っているうちに10月半ばになってしまった。高齢者の私には熱中症は冗談と切り捨てる言葉ではない。

涼しくなった先週、電話で庭師のご機嫌伺いを兼ねて依頼し、今日来てもらい一緒に作業することにした。それまでに私でも出来る事は極力やっておいた。庭師が来るとなるとみっともないところは見せられない。時間を区切って仕事をすると効果があるのと同じで、今迄面倒臭がってやらなかった枝落としや芝の手入れを一気にやった。

今朝予定通りにやってきた庭師は庭の様子を見て、「結構ちゃんとやっとるの、残りは半日仕事で十分」と一言。彼が松や槙の木の形を整えている間に、私が残りの易しい木の枝を落とした。好みに応じて「島」を作るか「森」にするかどちらでも良い、但し「島」は同じ高さにしないで天・地・人と段差をつけたほうが良いという。助言を聞くと以前も同じことを言われたと思い出した。

午前中の4時間であらかた終った。その間、休みなく二人は喋り続けた。彼が若い頃中国や韓国を旅した時の思い出話は以前も聞いたが、何度聞いても面白かった。自慢するわけでは無いが、私は質問上手の聞き上手だと思う。助平な私だが女性に関らず誰とでも仲良くなる為に凄く役に立つ。ご近所付き合いにも役に立っている。

庭師は4000円で良いと言って、昼過ぎに軽トラックで戻っていった。随分安く上がった。「来年も元気でいて下さい、来年も宜しくお願いします」と言って笑顔で見送った。彼は後期高齢者、来年も元気な姿を見たいものだ。■

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