気 |
分転換のため昨日松山市に出かけ繁華街を歩き、古本屋を覗いた。田舎で毎日母と顔を合わせ言葉少ない会話をするだけでは、最近頻繁に出てくる「単語が出てこなくなる症状」にイラつきフラストレーションが溜まっていた。
ということで今回はチョット洒落たレストランで食事をし、元気な女性を見て目の保養にして気分転換したいと思っていた。いつもの記事「景気は街に出て聞け」のネタを仕込む積りもあった。しかし、余りに暑いのでいつもより歩く距離をはしょってしまい、街が発するメッセージを感じたとはいえない。
お盆前の平日の昼間の大街道は、いつもより人通りは少なかった。しかし街の雰囲気は全体に白くなり無機質になった感じだ。それを現代的というべきか、松山の持つ伝統的な雰囲気が損なわれたというべきか。最早ここは松山を代表する繁華街ではないのかもしれない。
それでも全体に活気が戻った印象はあった。愛媛県の景気は衆院1、2区が回復の道を辿っているのに対し南部の3区が依然として回復の兆しがはっきり見えないというところのようだ。今回の参院選では全県1区で初めて非自民候補の元Jリーガーが当選した。
年金問題と格差問題が民主党大勝の原因というが、景気回復の度合いが地区によって変わる愛媛県で地区毎の投票傾向はどうなっていたのだろうか、とふと思った。最近疑問に思うタイミングがずれてきた、どうも感度が鈍った気がする。
帰 |
りの午後の汽車は意外と混んでいた。夏休みのはずなのに制服姿の高校生らしき姿が多い。空いている席を見つけ女子高生に「いいか」と聞き、返事を聞かず急いで座った。半日身体を動かし続け疲れていた。
彼女に聞くと今日は模擬試験だったという。成る程それでは高校生が沢山いるはずだ。「勉強大変だね」というと、推薦を受けることになっているという。「じゃ凄く頭がいいか、もしくは運動やってるの」と聞くと、学校活動を積極的にやっているからだろうという。
話している途中で女子高生とこんなに話するのは初めてだという事に気が付いた。娘が高校生の時は米国に単身赴任していた。知らないオジサンの興味本位的質問にも答えてくれたところを見ると、彼女は普段から大人と話し慣れている感じを受けた。少なくとも「ウザイ」とか言わなかった。
彼女は高校野球で有名な私立校の生徒だという。先に問題になった野球特待生の件は生徒の間でも話題になったらしいが、彼女は言葉を選びあまり具体的な話はしてくれなかった。頭が良さそうだ。話題を変えて生徒数が少なくなって学校経営が苦しくなり、共学に転換する女子高のことを聞いた。
彼女によると最盛期には2000人いた生徒が今では1300人、そのうち300人が男子生徒だという。娘は女子高を嫌がり大学は共学を選んだ。少子化に加え共学志向は全体的な傾向なので、全国の女子高の経営は大変だろう。共学にしても生徒数が35%減るということは、会社経営の売り上げが35%減少するということであり倒産してもおかしくない事態だ。
車内を見回すと17,8人が下を向いて携帯電話のメールを見たり打ったりしている。そのうちの7割は高校生だった。本を読んでいるのは中年の女性一人。漫画本を見ている人もいない。10年前とは全く違った風景だ。大変なことだ。彼女によると高校生は携帯電話を持ち込むことは校則で禁止されているというが、どうも実態は殆ど全員携帯を持っているらしい。
途中の駅で彼女は降りていった。色黒だけど、健康的な色黒に真っ黒な髪の美しい関西風に言うとシュットした感じの好い子だった。まさに「亜麻色の髪の乙女」で、時間の経つのも忘れあっという間に実家のある駅に着いた。■