かぶれの世界(新)

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ロストイン国立競技場

2010-02-15 18:46:41 | スポーツ

サッカー日本代表が東アジア選手権最終戦で韓国に惨敗した。最近では記憶がないほどジャパンが酷い状態に見える。イエメン戦以来全く点が入らなくなり、チームも選手も変調を来たしている。戦略は悪くないと思っていたのだが、選手がキチンと実行できないのだろうか。合宿練習に失敗したのか。選手はフィールド上で自信を失い、虚ろにボールを追いかけている感じを受けた。

テレビ中継を見ていて、何故か選手が下手になったように見える。小気味良く通っていたノートラップのショートパスが続かないものだから、そこから相手陣を崩し、機を見て決定的なパスを出すところまで中々行かない。相手が研究していたのか、早く詰められてプレッシャーをかけられると、ジャパン程度の個人技ではパスの精度が落ちたということなのだろう。

かといって劣勢のゲーム中の目立った戦術の変更があったようにも思えない。例えば遠目からの相手を脅かすロング/ミドルシュートとかも殆ど見られなかった。岡田監督がゲーム状況を判断して選手交代等の手をタイムリーに打ったようには見えなかった。

チーム戦略はいいのだが、ゲーム判断による戦術変更が遅い、選手交代も的を射てないという岡田監督の弱点がもろに現れた結果、というのが私の印象だ。韓国戦についてだけ言えば戦略も不明だった。監督の好みの選手がより使われるというのはある程度止むを得ない。だが、もうテスト結果は出ているように感じる選手を使い続けているという印象もあった。

それが惨敗の第一の原因だとすれば、日本選手の個人技とか実力の不足で、チーム戦略を機能させるだけの力がない面もあるかもしれないと感じる。しかし、少なくとも昨年は機能している局面を何度も見かけた。今回は個人技に優れる海外組がいなかったからか、それともプレッシャーが強くなったのか、私にはよく分からない。少なくとも今回は意識合せの時間も十分あったはずだ。

気になるのはツーリオが退場になったように、一部の選手に自分をコントロール出来ずファールをとられ、チームを窮地に追い込む恐れがあると感じることだ。どの選手がそうか今までの戦歴、プレイスタイルを見直せば分かるはずだ。チームを鼓舞するのは大切だが、かつて闘将といわれた名選手は激しいプレーをしてもファールが多いという訳ではなかった。ギリギリのゲームで微妙な判断も出て来るだろうが、アンパイアを敵にして勝つ可能性は低い。

とにかく試合が面白くなかった。日本が単に劣勢だからというだけではない、魅力的なプレーもスリリングなプレーも無かった気がする。実は後半は中継を見なかったのだが。これではテレビ中継の視聴率は下がるし、競技場まで足を運ぶ観客が減っても仕方がないと思う。ではどうすればいいのだろうか。とりあえずは緩急をつけ自ら切り込める個人技を持った海外組を加え、チームに化学変化を起してチーム戦略を機能させるしか思いつかない。監督交代?代わりがいるようには思えない・・・しかし、協会にアイデアがあるなら直ぐやるべきだ。■

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覇者の驕り

2010-02-12 23:41:38 | 社会・経済

トヨタの品質問題には色々考えさせられる。事件が伝えるメッセージを私なりに少し範囲を広げて読み解いてみたい。

トヨタ大失態の意味

トヨタのリコールは私にはショックだった。日本が世界に誇る最高にして最良の企業が、品質問題を長く隠蔽したと言う、まるで三流企業の仕業をやらかしたという信じられないニュースだった。人命に関る問題なのに対応の遅いと米国メディアや議会から強烈なバッシングを受けている。

数年前に三菱自動車が品質問題による死亡事故を頻発させた時、私は三菱自動車固有の体質に関るとの印象を持った。当時の報道もそういうニュアンスがあったように思う。だが、トヨタとなると話が違う。単に一日本企業が問題を起したのではない、日本最高の企業がズッコケたのだ。日本の報道にもトヨタの行方を按ずるニュアンスを感じる。

それは驕りか、トヨタ体質か

一昨年のリーマンショック後世界中で自動車が売れなくなり、特に燃費の悪い米国の自動車産業が痛撃を受けた。追い風を受けたトヨタが世界一の自動車メーカーになって1年も経たず『高転げ』た。Dハルバースタムの「覇者の驕り」は米国の象徴であるビッグ3と競争し、日本車が受け入れられるまでを懇切に描いた名著だが、今度は世界一のトヨタが文字通り「覇者の驕り」で品質問題を隠蔽し形勢逆転したと見られている。

一つには何であれトヨタの秘密主義が原因している気がする。かつてトヨタのIT利用について調べた時、個別機能で見ると最高のシステムを作りながら、夫々のシステムが連携しておらず全体として機能させるために大変な苦労をし、何年もかけて次世代システムの再構築していることを知った。トヨタ生産方式は公表し世界中に貢献したが、何故システムは秘密にするのか理解できなかった。だが、当時の調査では社内情報を出さないのもトヨタの一方の姿だった。

米国がトヨタ叩きをする理由

一方で今回トヨタを追及する米国のメディアはかつて米国風のやり方を経験した私からみても、チョット過熱気味でやや感情的のように感じる。世界一の企業なら問題があればトップが出てきてさっさと説明して当然、ましてや不都合を知っていたのに長く隠蔽するなど言語道断、という報道には米国的価値観から見て許せないという怒りのようなものを感じる。

多分、それに加えて、先日投稿した「報じられないニュース2010」(http://blog.goo.ne.jp/ikedaathome/d/20100120)で指摘したように、米国民の巨額な税金を使った景気刺激策C4Cで最も利益を得たのがトヨタだったことも一因と私は疑う。そうとは言わないが、「江戸の仇を長崎で」痛烈にやり返しているかのように。それでも米国で商売している以上トヨタは非難を甘受すべきである。

日本人論A: 成功に驕り、問題先送り

事件の背景を語る時、モルガンスタンレーのRフェルドマン氏の日本人論が参考になる。日本人の陥りがちな問題対処方法をCRICと言って、表面を糊塗して根本を見直さないと指摘している。即ち、危機(C)に反応(R)して小手先の改善(I)をして何とかなると怠慢(C)で根本を解決しない傾向があると。脱線するが、政治の世界では根本解決を目指して政権交代後、今はまだ反応と改善を繰り返して先行き不透明、ちっとも危機が去らない最悪の事態から抜け出せない。

日本がまだ高度成長時代の時、「日本は今の繁栄を子孫の時代にも持続できるだろうか」と、英国病で苦しむある英国人の問いかけが今でも記憶に残っている。その時は負け犬の遠吠えと思いながらも、引っ掛かりがあった。それは当時の日本人に驕りがあることが私にも秘かに感じられたからだ。その後、日本はバブル崩壊と失われた1020年を経てかなり酷い状態になった。たった一代も持たなかったということだ。当時言われた「日本人の勤勉さ」に基づく優位性は崩れた。

日本人論B: サムライ魂

先週土曜日に長男の結婚式で最後に両家を代表してスピーチをした。久し振りに沢山の将来ある人達の前で話せる機会だったので、場違いだが彼らを次世代リーダーに見立てて挨拶の中で期待を述べた。人気テレビドラマ「坂の上の雲」と「坂本竜馬」を例に、幕末から明治維新にかけ忽然と若者が現れ日本を救った。だが近代史を辿れば日本は特別で、他の国ではそんなに都合よく行かなかった、我々は感謝すべきと。

何故日本は特別だったか、私はサムライ魂という遺伝子が何代にも渡って伝えられてきたからだと思う。立役者の多くは貧しい下級武士出身だった。極貧の中でも何世代にも渡って伝えられた何百何千の「サムライの遺伝子」が300年間伝えられ、時が来て国の為に立ち上がった(その多くは犬死だったかもしれない)。

次世代を担う人達の出番はなくともしっかり遺伝子を後世に残して欲しいと、無理やり挨拶にもぐりこませた。今蔓延るポピュリズムがこの精神を劣化させているように感じる。トヨタの中もそういう化学変化が起きているのかも知れない。世界のトヨタには最早極貧の下級武士はいない。失うものが多すぎて、目先の利益を優先し今回の失敗に繋がったのかも。

頑張れトヨタ!

今の政治が格差や貧困などの弱者救済に熱心だが、何故極貧の下級武士が日本を救えたのかその本質を考えよというメッセージを伝えたかった。弱者救済を訴える一方で少しの成功でも驕り華美に走り、いとも簡単に進むべき道を見失う、そんな馬鹿な姿を追いかけるテレビ番組を見るのは実に苦々しい。だがバブルが弾け世界同時不況になってもまだ続いている。

ということで私についていうなら、正気を保つ為に心がけていることがある。私には普段の質素な生活態度を維持することが、浮き沈みがあっても正気を保つために最も簡単で有効なやり方のように思う。

トヨタが失った信頼は容易には取り返せないだろう。ナショナル(松下電器)が人命に関るかもしれない不良製品が出た時、巨額の機会損失が出ると予想されたが、全広告を止めてリコールに集中して実施しブランドを守り信頼を高めた。その時にあるべき姿が決まったはずだった。トヨタに出来ないはずがない。遅すぎるということもない。但し、今となればここまでやるのかと誰もが驚く踏み込んだ対策が求められるだろう。頑張れトヨタ!■

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DNAの縛り

2010-02-07 19:09:09 | 日記・エッセイ・コラム

昨日、都内の神社で長男の結婚式があった。息子と話す機会が普段滅多にない私には、上司や友人のスピーチから新たな息子の素顔を発見した気がする。大学の専攻とは全く違う専門分野で社内の専門家になっていると聞いて驚いた。だが、新鮮な発見は仕事以外のことだ。

息子の喋り方や歩き方が私とそっくりと、私を初めて見た彼の友人たちの言を伝え聞いた。それを聞いて息子はハッピーじゃないみたいだったが。大阪から来てくれた妹は、子供は骨格から内臓まで親の遺伝子を引き継ぐのだから、歩き方や喋り方が同じで当然だと解説した。

宴の後半で友人がユーモアを交えながらのスピ-チは私には発見だった。息子が出身大学の運動部のまとめ役(GMと言うらしい)を4年間やったという。彼は普段から時間にルーズでチャランポラン、自由放任だったらしい。だが何故か部としては結果を出したと続けた。

私は、良くぞ言ってくれた、私の資質を良くぞ引き継いでくれた、という思いだった。私は若い頃は生真面目にやろうと努力してある意味印象付けに成功したが、根がチャランポランだというのは私の近しい友人は知っていた。私もその方が結果的に良い仕事を部下がやってくれた気がする。

米国で仕事をした時、日本人同僚が感心したと教えてくれたことがある。それは部下が問題を起してもベテランの米国人上司が後からカバーできる(マネジャブル)範囲である限り、自由にやらせる管理手法だった。息子が具体的にどうしているのかは知らないが、結果を出したのだとすれば何か工夫があったのか、若しくは元々チームエシックが高く余計な管理は不要だったのか。

このような人の資質は遺伝子として伝えられるのかどうか知らない。両親や友人等とか付き合ううちに後天的にそういう資質が培われたのかも。理由はどうあれ、私は悪い気はしなかった。楽しい結婚披露宴が終わり、今は親の責任を果したという若干の虚脱感がある。■

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真面目な下ネタ

2010-02-05 15:35:58 | 健康・病気

3桁の数字を一瞬見て記憶し即座に逆から言えるかどうかで、認知症が始まったか判断できると先月テレビ番組でやっているのを見た。早速やってみると、3桁だと何とかできたが、4桁になるとどうも怪しかった。だがその次の指摘が、私をもっと不安にさせた。

トイレが近くなるのも認知症の一症状だと出演していた専門家か誰かが何気なく言った。既に10年前頃から昔ほど小便を我慢できないと自覚していた。小便の「キレ」も悪くなっていた。当時は膀胱周りの筋肉が衰えたせいだろうと思って、ジムに通い熱心に内腿や内転筋のウェートトレーニングをやり効果が出て安心していた。だが、最近又少し気になってジムに行こうと思っていた。

衰えは色々な形で現れる。特に「下」周りの衰えは話題にはしないが、最後に来て欲しいものだと常々思っていた。2年前に一人暮らしの母の糖尿病が悪化し尿意を感じなくなり、失禁で家中が小便臭くなり、トイレや洗濯機が黒かびで覆われていた時のショックはいまだに忘れられない。数日かけて家中を清掃しながら、私はこの時からそうはなりたくないと実感した。

同じ「下」の話でも、昨年「熟年性革命報告」(小林照幸2000文春新書)を読んだ時、老人ホームでの生々しい性のあり方を取材した報告書は、母の姿からは想像しえない老人の性がいささか衝撃だった。個人差は大きいとしても、老いると性欲が衰え性交しなくなるという先入観があったからだ。先端の老人ホームでも想定してない出来事の様で、どうしたものか途方にくれる感じだった。

具体的なデータに裏付けられてはいないが、健康な老人は死ぬまでセックスし無理に禁じると寿命に悪影響すら与え兼ねないことを示唆する内容で、私の先入観をすっかり塗り替えた。老いていく私としも気になるテーマで、先月CNNの健康欄に興味ある記事を見つけた。

それは意訳すると「新年の決意としてもっとセックスをしよう」と題し、欧米の学者が調査研究したセックスの効用を纏めて紹介した記事だ。それによるとセックスの10の効用を指摘している。頻繁にセックスをする人はそうでない人に比べ、長寿命、心臓機能、低血圧、乳癌・前立腺癌にかかり難い、痛みの耐性、肥満になり難い、ホルモンバランス、閉経症状の緩和、精液の充実を挙げている。

何となく実感として分かる気がする。CNNの健康欄にはこの性に関する報告が日本のニューズメディアに比べ多いことに最近気がついた。同じ頃、Gスポットが存在するか否か、存在するとすれば具体的にどこか、について世界の研究を真面目に報告していた。研究者が多いのも驚きだったが。

数日前にも、ティーンエージャーの性交経験年齢を上げる為に何が効果的かの調査結果を報じていた。しかし、特に注意していないので断定できないが、老人の性生活についての記事は記憶がない。我国では性を語るのはいささか恥かしさを感じるが、後数年で65歳以上が25%以上になる老齢国がその分野の先進国になるかもしれない。老人医療費が抑制できるかも。■

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オバマの金融規制

2010-02-01 18:16:48 | 国際・政治

金融規制は支持率低下対策?

オバマ大統領が就任1年目に打ち出した金融規制案をどう評価するかについて、先日来から日本の民主党の支持率低下に関する投稿の中で、私は米国議会のポピュリズムに直面して打ち出した政策と軽く触れた。支持率が低下する中で規制案の実現性は、単に法案の成否を超えて複雑な様相を示しているように感じる。ここで私の理解をまとめて何が問題か議論してみたい。

オバマ大統領の1年目の支持率は歴史的低落し、民主党の牙城で勝って当然と絶対視されていたマサチューセッツ州の上院議員の補欠選挙に敗れるという事態に、オバマ大統領が方針変更するのかどうか対応が注目されていた。支持率の低下は、オバマを大統領に導いた無党派層がオバマを見限り始めた為といわれている。

リベラルへの回帰?

私は昨年9月時点でオバマの支持率低下を、米国の草の根(中流階級)が本来の保守的性格を現した為だろうと下記の推測記事を投稿した。その延長線上で彼等は雇用悪化が改善されないまま、巨額の救済資金(税金)を受けた金融機関が巨額のボーナスを支給したことに怒り狂い、ついにマサチューセッツで反乱を起こしたということだろうか。
http://blog.goo.ne.jp/ikedaathome/d/20090907
 

先の一般教書演説でも金融規制案が再び強調され、オバマ大統領が演説だけでなく本気で金融規制をやることを示した。せざるを得なかったというべきだろう。その評価はまちまちである。中途半端な医療改革が結果的に保守層とリベラルの両方から支持を失ったと見て、本来のリベラルに回帰しようと方針変更したとの評価が私には尤もらしく聞こえる。

pros and cons

規制案の概要は金融機関の規模と事業内容に制限を設け、金融機関がヘッジファンドを保有及び投資することを禁じている。考え方は、何が起こってもそれが金融システムの崩壊の危機をもたらす様な芽を予め摘んでおこうというものだ。結論的にいうと、リーマンショックから世界同時不況に至った問題の本丸をついた、あるべき姿を提案する正論だと私は思う。

だが、必ずしも良いタイミングとは思えないというのが、もう一方の私の評価だ。米国から新興国まで世界経済が順調に回復の道を辿っているのは、大雑把に言うと世界の余剰資金が米国の金融システムを媒介にして供給されているからだ。それ以外の方法で高リスクの新興国や事業に資金を配分できない。今資金の流れが止まれば、潤滑油が切れて経済回復の勢いをなくし腰折れになる恐れがある。

ステーク・ホールダー(市場、世界、日本)

案の定オバマの金融規制案が発表されるや否や、ウォール街だけでなく世界の主要な証券市場の株価が下がり、米国の金融システムが果たす役割を証明した格好になった。市場は規制案をマイナスと評価した。規制案はやや唐突でその具体的な実現性が曖昧で、打ち出したタイミングがウォール街を忌み嫌う大衆受けを狙ったもののように私も感じる。

さてその実現性についてだが、マサチューセッツ州の敗北で規制案の上院通過の見通しが不透明と伝えられている。更に規制案はボルカー前FRB議長の考え方を反映したものであると言われ、世界各国と歩調を合わせ連携実行することが実質的に機能するために重要とのコメントが報じられている。

従来は欧米の規制を逃れてタックスヘブンにリスクマネーが流れ、今回の世界同時金融不安の要因の一つとなったことから当然であろう。日本の金融システムは金融技術の後進性と長年の横並び先送り体質で、今回気がつけば周回遅れで追いついた気分になっているかもしれない。だが、多分その時は同じルールではないのに気がつき臍をかむことになるのではないだろうか。■

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