かぶれの世界(新)

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田舎暮らし雑感2016夏(1)

2016-08-05 21:34:42 | 日記
母が死んで2週間余りたち徐々に普通の生活に戻ってきた。昨日頃から血圧は120-80前後に戻り、今朝計った体重は66kgプラスだった。昨日朝8時前から表通りに沿った緩斜面の畑に草刈機をかけた。たった2時間弱作業しただけで文字通り汗が滝のように流れた。日が昇りこれ以上は熱中症が怖くて止めた。今日はバドミントン練習に参加した。

母が死んで市役所や銀行に何度か通い手続きをした。今日は電気・水道・CATV・浄化槽の名義変更と自動引き落としの手続きをやった。母は農協預金から引き落としていたが、東京の自宅からインターネットで農協預金口座の残高を確認出来ない。農協には世話になっているが、オンライン処理が出来る地方銀行に切り替えた。

今後は東京の自宅と田舎の実家の両方の家計を管理しなければなくなる。今迄は母の介護費用などを含む実家の家計は母の年金と預金で賄っていたが、今後は私が2所帯の家計を管理しなければならなくなる。相続する母の預金が残っており、当座の費用が不足することはないのは幸運だった。

まだご近所の方が香典を持って母に線香をあげにぽつりぽつりと来て頂いている。玄関から仏棚を置いた居間に案内すると、冷房している訳ではないのに我が家は涼しいと言う方が多い。夏に涼しい作りに重点を置いた農家で、東西の山に囲まれ北側の谷から涼しい風が吹くためだと思う。朝方の室内はひんやりして気持ちいい。

家自体が大きいので朝方の冷気を逃がさないように、このところ晴れの日でも戸を閉めて熱気が入らないようにしている。その方がトータルで家の中を涼しく出来るのだ。同じ集落でも他所の家は窓を開けて風通しを良くしているが、我家は南側の窓を閉め北側は網戸にカーテン、家の中では南と北の部屋を繋ぐドアを閉めている。その効果がどの位あるかハッキリしないが、多分その方が涼しい。Life goes on. ■
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母の思い出(2)

2016-08-03 22:29:50 | 日記
母の特徴を一言で言うと「負けず嫌いなドケチ」だ。子供の頃に母から玩具等買って貰った記憶がない。買って貰ったのは親戚の叔母さんとかだった。私が子供の頃は敗戦後の物不足の時代だから、誰も贅沢は望めなかった。中学を卒業してもまだ我が家は極貧ではないが、金持ちでもないと思っていた。

しかし、友人が羨ましいと思ったこともない。中学時代に野球部に入部した時グラブを買って貰ったが、それだけ。ペラペラの白い運動靴を履いて練習した。先輩が使い古しのスパイク・シューズをくれ、父が靴屋に持って行き修理して履いた。そんなの私だけだったが別に何ともなかった、打ったり走れたら何の問題もなかった。

母から受け継いだこの性格は今になっても本当に助かっている。世間と比べ我家が貧乏ではないと気が付いたのは、20代半ばに父が東京に家を建ててくれた時だ。苦労しなかったせいか私はケチだが物欲というものがなくなった。家内に買い物を頼まれ、安いからとしなびた野菜を買ってきて二度と頼まれることもなくなった。

早期退職後この10年余りは子供のお下がりの服を着、靴を履いている。その後田舎で一人暮らしする時間が増えたが、自炊で作る食事も栄養が取れれば何でもいい。ただそれだけ。要するに私にはお金がかからない。これは全て先祖からの遺伝子に加え母のドケチ性格をひき継いだお蔭だ。そう思っていた。

言い訳すると、私は仕事や趣味には必要最低限のお金は使う。現実主義者もしくは実利主義者というべきだ。だからケネディが育ったボストン上流階級が、子供のお金の使い方が躾けられてないと親が軽蔑され、超大富豪のポールソンが財務長官に就任する時よれよれのコートを買いかえると奥さんに咎められ返品したという逸話を聞くと我ことのように嬉しくなる。

父が定年直前に母と祖母を残して死別し、更に数年後に祖母が死んで母が田舎で一人暮らしするようになった。この時母の「負けずきらい」の性格が後家さんの一人暮らしを支えたと思う。それまでは何か難しい事態になると祖母や父の後ろにいて矢面に立つことはなかった。祖母は明治から地主だった曾祖父の威光でゴッドマザーとして戦前から存在感を発揮していたらしい。

そこで母の負けん気が表に出た。祖母が死に突然一人になった母は周囲から軽く扱われることが許せなかったようだ。「女と思ってバカにされた」と吐き出すように喋る母の姿を何度か見た。運用で増やした遺産を使って実家を見かけ凄く立派に改修し、庭の手入れに熱中し豪邸っぽく仕上げた。

後に私が田舎暮らしをするため介護を兼ねて実家を改築した時、出入りの棟梁に家一軒建つほどお金がかかっていると聞いた。ご近所に見せつける狙いがあったのではないかと思う。それに加えて、近所の仲良しや気の合う親戚の子に高価な化粧品や衣服を買ってやったようだ。

母のドケチは後年負けず嫌いで消えてしまったようだ。私がしょっちゅう田舎に顔を出し母の様子を見るようになた頃は少し認知症になっていたのも一因と思う。三越や松阪屋等の会員とか、通販で定期購入していた商品などをすべてキャンセルした。四国の田舎の百姓家に有名百貨店のセールスが挨拶に来るなんておかしいと後に思った。

私は子供の頃の印象のままでいたが、妹は変化した母の浪費癖を知っていた。衣服や化粧品は高価なブランド品で気に入った人達にも与えていたようだ。私が家内に母のケチぶりを説明した時、彼女も実家に高価な化粧品があったというのを聞いたことがある。女は気付いていた。私が事実を直視できず信じなかっただけかも。

それでも私は子供の頃に見た母の節約スタイルだけ印象に残り、それを引き継いだと思っている。家内が呆れるケチぶりだが、自分自身は良い性格だと思っている。子供達もその影響を受けたのかクラス皆が持ってるゲーム機を我が家の子供が持ってないとか、娘は子供の頃に我が家は貧乏だと思っていたと聞いた時嬉しく思った。

母の負けず嫌いは私が子供の頃は気付かなかったせいか、自分は引き継いでいない気がする。私の理解が正しければ、母の負けず嫌いがドケチ性格を変えてしまったのだと思う。それを知らなかった私は(冷酷な)現実主義者に育ったような気がする。どちらかというと私の子供もそういう傾向があるような気もする。■
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女性は強し

2016-08-02 09:58:29 | ニュース
小池百合子氏は与党自民党あげての反対の中で立候補、組織の支援ををバックとした増田・鳥越両候補に大差をつけて都知事選に勝利し、初の女性都知事となった。無党派だけでなく与野党支持者からも票を得て正に圧勝だった。私は都民感覚として鳥越氏の立候補の動機に違和感があると批判し、小池・増田の戦いになるとの読みは当たった。

選挙戦を通じて目を見張ったのが小池氏の柳腰とともいうべき強さだった。彼女の政治キャリアを振り返ると小泉政権時代に落下傘候補の刺客として東京10区で戦い、防衛相時代にドンと言われた守屋事務次官を更迭したのが印象的だ。彼女には挑戦を受けたら後に引かず勝負をする、売られたケンカを買う「男気」のようなものを感じる。

都知事選では既存政界で孤立無援の立場に立たされたときひるまなかった。勝てる見込みがあった訳ではないと思う。しかし逆説的だが逆境の中に目標に達する道を見つけて徹底的に利用して邁進した。昔よく使われた言葉「勝負師」という言葉がピッタリ、しかし無謀な勝負を挑んだドン・キホーテではなかったと思う。

今、世界は3人の強い女性リーダーが注目されている。今後数年間世界は彼女達に率いられる可能性があると思っている。それは、メルケル独首相・メイ英首相とヒラリークリントン米大統領候補だ。現在彼女達は3人とも厳しい状況にある。だが、一歩も後に引かず真正面からしたたかに取り組んでいる様に感じる。

メルケルは移民が関わる国内テロ頻発で支持を減らし対応を求められている。今後予定されている地方選挙結果によっては影響力をそこねレームダック首相になる恐れがある。しかし、先月彼女は難民受け入れは国是であり、今後も難民受け入れを続けると明言した。ドイツの特別な事情はあるが彼女の揺らぎのない強い言葉が報じられた時、私は彼女のハートの強さに驚いた。凄いな、キャメロン前英首相とは大違いだと。

そのキャメロンが逃げ出した跡を継いだのがメイ新首相だ。彼女はEU残留派ながらEU離脱の交渉を担う難しい役回りをすることになった。私はキャメロンの気持ちが分かる。こんな嫌な仕事はやってられない、心がぽっきり折れたはずだ。男はこういう無責任さ、良く言えば「いさぎよく切腹する」ところがある。

だが、その難しい仕事にあたる最前線の3閣僚に、離脱派リーダーなのに勝った瞬間に事の重大さに恐れをなして逃げだしたジョンソン前ロンドン市長等のEU離脱派を引っ張り出した。メイ首相は「お前ら責任とれよ、交渉の最前線で汗をかけ」と誰もが驚く仰天人事をやった。最初ファッショナブルないでたちの目立ちやと思った彼女の印象は一気に変わった。

「スゲーな、サッチャー張りの剛腕だ」と思っている人も多いと思う。多分、最初の人事で驚かせるのは「クイック・ヒット」的アプローチで、EU離脱交渉の過程で時間をかけて英国の金融に偏った産業構造を変えて行くのではないかという予測(FT)をみて、この難局で英国は優れたリーダーに恵まれたことになるのかもと思った。

蛇足ながら、英国は難局に立たされた時、最高のリーダーに恵まれる歴史がある。今回もそうなるかもと思った、或いは難局が優れたリーダーを生み出すのだろうか。我が国はどうだろうか、と思わずにはいられない。若いリーダが屍を乗り越えて次々と出て来た明治維新以降、優れたリーダーを生み出す社会的仕組みが徐々に劣化した様に個人的には感じる。

ヒラリー民主党大統領候補については圧倒的な量の情報が流れて来るので私が語れることは殆ど無い。彼女の強さは何十年に亘り実績で証明されている。どんなことがあっても謝る姿を見た記憶がない、そんな印象がある。この人が女性初の世界最強軍の司令官になり核兵器の発射ボタンを握る、と言っても全く違和感がない。ある意味怖い人だ。

来年は、世界は女性リーダーに率いられ、世界最大の都市東京が女性知事に率いられる。そういう時代が私が生きている間に来るとは予想もしなかった。今まで「女は強し」という言葉はあったが、この時代は「女性は強し」という表現が相応しい。個人的には「女」でいいのですが。■
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