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おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
今は絶版になっている『笑いとユーモア』(織田正吉、ちくま新書)にタクシー運転手に関する笑える話が載っていました。
タクシーに乗ると、運転手が話しかけ、「この間乗ってくれた人はいいお客さんだったなあ。メーターが5百円と出ているところを千円くれて、お釣りはいいと言って降りていった」と言うと、乗っているお客さんは寝たふりをして「グウグウ」いびきをかいていた。
次に客の方から運転手に話しかけ、「この前に乗ったタクシーの運転手はいい運転手だったなあ。メーターが千円と出ているところを五百円でいいと言ってそれ以上受け取らなかった」と言うと、運転手がハンドルを持ったまま「グウグウ」といびきをかいていた。
私にもこの手のタクシー運転手ネタがあります。
私は、タクシーに乗ると、助手席前にプレートをもとに運転手の名前を呼びます。そうすると、妙に会話が弾み、いろいろな情報が入ります。
ある日、お互い死ぬまで現役を続けたいという話になって、研修・講演をする私の立場から、「講演が終えたその瞬間に、演台にもたれかかるようにして死にたい」と私が言うと、人のよさそうな運転手は言いました。
「同感ですね。私もね、ハンドルを握ったまま息を引き取りたいですわ」
危ない、危ない。