宇治の万福寺の塔頭、宝蔵院には「鉄眼版」とか「黄檗経」と呼ばれる一切経の版木が収蔵されている。太い縦線と細い横線のメリハリがはっきりした書体で、現在の明朝体のもとになったものと言う。確かに比べてみると、高麗版のぽってりした活字とは明らかな差異がある。
中国では版木に梓の木を使うので、出版することを「上梓」というが、この鉄眼版一切経の版木は桜だそうだ(日本では、梓は弓の材料になってしまうのだという。なるほど)。
訪ねたのは日曜日だったので、収蔵庫には誰もいなかった。たまたま本坊からやってきたお坊さんに鍵を開けてもらった。ふだんは収蔵庫の中で摺り師の方が仕事をなさっているらしい。「最近は大学出の若い方がいらしてます。自分の研究もなさっているようで」とおっしゃっていた。
中国では版木に梓の木を使うので、出版することを「上梓」というが、この鉄眼版一切経の版木は桜だそうだ(日本では、梓は弓の材料になってしまうのだという。なるほど)。
訪ねたのは日曜日だったので、収蔵庫には誰もいなかった。たまたま本坊からやってきたお坊さんに鍵を開けてもらった。ふだんは収蔵庫の中で摺り師の方が仕事をなさっているらしい。「最近は大学出の若い方がいらしてます。自分の研究もなさっているようで」とおっしゃっていた。