見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

ポップ蔵書印/静嘉堂文庫美術館

2005-03-14 11:13:52 | 行ったもの(美術館・見仏)
○静嘉堂文庫美術館『静嘉堂文庫の古典籍 第5回 中国の版本-宋代から清代まで-』

http://www.seikado.or.jp/

 漢籍というのは美しい本だ。私は古筆切れの流れるような仮名文字も好きだが、折り目正しく四角い漢字だけが並んだ版面にもまた別種の魅力を感じる。漢籍にも筆写本や活字本など様々な種類があるが、いちばん多いのは木版であろう。これがまた、同じ漢字の並びでも手書きの写経とはぜんぜん味わいが違うんだなあ。おもしろい。

 基本的にモノトーンの漢籍の版面に華を添えてくれるのが、愛書家たちの蔵書印である。今回の展示、蔵書家と蔵書印についての説明が少ないのが残念だった。 

 山下祐二さんと赤瀬川原平さんの『日本美術観光団』(朝日新聞社 2004.5)に、両氏が静嘉堂文庫を訪ねる一編があり、清朝の大蔵書家・陸心源の蔵書印が写真入りで紹介されている。陸心源自身の半身正面像を彫ったものだ。かわいい。「このポップな感じはナンシー関の...」「うん、消しゴム版画(笑)」と語られている。

 この蔵書印、本物が見られるかなあ、と期待して行ったら、あっこれこれ、こっちにも...という感じで頻出する。うれしかった。文庫の創設者・岩崎彌之助の兄である彌太郎は、陸心源の全蔵書約四千部(約四万三千冊)を一括購入したというから、当然といえば当然のことだが。

 どこかネット上に画像がないかなあ、と思ったが、見つかったのは下記のみ。手書きイラストに注目の蔵書印が写されている。携帯の待ち受け画面にしてみたい。

■本棚探検隊3「静嘉堂文庫を訪ねて」
http://www.sanseido.co.jp/booklet/136seikado.html
コメント
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