○映画『STAR WARS エピソード3 シスの復讐』
http://www.foxjapan.com/movies/episode3/
面白かった。しかし、何が面白かったかと言われると困るのだ。話のスジは見る前からほとんど分かっているのだから。
それにしても感慨深い。スター・ウォーズの第1作目の封切りは1977年だという。私は中学生だった。映画館で映画を見るということを覚え立ての頃だったと思う。なんか学校がおもしろくない日々が続いていて(でも学校をサボれるほどワルではなかったので)、週末にひとりで映画館に出かけ、スター・ウォーズを見た。実に分かりやす~い筋立てで、絵に描いたようなハッピーエンドで、しばし現実生活から逃避するには最適だったと思う。
何たって、ハリソン・フォードのハン・ソロがカッコよかった! でも私はアレック・ギネスのオビ・ワン・ケノービが忘れられない。新3部作でオビ・ワンを演じているユアン・マクレガーもいいですけどね。マクレガーは、エピソード4のフィルムを何度も何度も見直して、アレック・ギネスの演技を研究したらしい。本作では、かなりその成果が出ていたように思う。確かに雰囲気が似てる!
あと、私はエピソード4でオビ・ワンの乗っていたビークルが、大好きだった。封切り直後、江口寿史が「すすめ!パイレーツ」で、このビークルと、アレック・ギネスのオビ・ワンをパロディにしてた、なんてのも40代以上にしか通じない思い出だろうなあ、たぶん。
第1作のヨーダは、耳が大きいので「年取った江川卓」とか言われていた。まさか最終作で、画面を縦横無尽に飛びまわり、こんな重要な役どころを占めるとは思っていなかった。どのキャラクターも30年近いつきあいだねえ。
スター・ウォーズの旧3部作の見どころは、宇宙空間でのドッグファイト(空中戦)だったと思う。誰も経験したことのない、未来の空中戦を、いかにリアルに、カッコよく作り出すかが、SFXの腕の見せどころだった。
ところが、面白いことに、新3部作になると、ライト・セイバーによる剣戟アクションの比重が増大する。旧3部作では、ハン・ソロのように、銃を武器とする正義のキャラクターも混じっていたのに、新3部作では、銃は敵側の(しかも雑兵の)武器でしかない。ジェダイの武器は、ライト・セイバーとフォースで、敵側の主要キャラも同様の武器で応戦する。本作の戦闘シーンでは、ワイヤーアクションも多用されていて、まるで中国映画の武侠片を見ているみたいだった。
一般にSFといえば、裸同然のコスチュームで色気を振りまく美女がつきものなのに(偏見?)、このシリーズは、最後まで禁欲的だった。女性だけでなく、男性の服装も、多くは修道士か中世の王族みたいに長いマントに身を包み、肌や体の線の露出を避けているのが、いまどき、新鮮に感じた。
女性の描き方も興味深い。旧3部作のレイア姫は、戦闘の最前線に乗り出してくるような行動するお姫様だったが、新3部作には、アナキンの母親、恋人パドメなど、きわめて古典的な女性キャラしか出てこない(画面の隅に、飾りもの的な女性ジェダイはいたけど)。本作には、実はひそかに、ストイックな男性至上主義が流れているのではないかと思う。
こうるさいジェンダーフリー論者に見つかると大変なんじゃないかな。まあ、私は、作品が面白かったので許すが。
http://www.foxjapan.com/movies/episode3/
面白かった。しかし、何が面白かったかと言われると困るのだ。話のスジは見る前からほとんど分かっているのだから。
それにしても感慨深い。スター・ウォーズの第1作目の封切りは1977年だという。私は中学生だった。映画館で映画を見るということを覚え立ての頃だったと思う。なんか学校がおもしろくない日々が続いていて(でも学校をサボれるほどワルではなかったので)、週末にひとりで映画館に出かけ、スター・ウォーズを見た。実に分かりやす~い筋立てで、絵に描いたようなハッピーエンドで、しばし現実生活から逃避するには最適だったと思う。
何たって、ハリソン・フォードのハン・ソロがカッコよかった! でも私はアレック・ギネスのオビ・ワン・ケノービが忘れられない。新3部作でオビ・ワンを演じているユアン・マクレガーもいいですけどね。マクレガーは、エピソード4のフィルムを何度も何度も見直して、アレック・ギネスの演技を研究したらしい。本作では、かなりその成果が出ていたように思う。確かに雰囲気が似てる!
あと、私はエピソード4でオビ・ワンの乗っていたビークルが、大好きだった。封切り直後、江口寿史が「すすめ!パイレーツ」で、このビークルと、アレック・ギネスのオビ・ワンをパロディにしてた、なんてのも40代以上にしか通じない思い出だろうなあ、たぶん。
第1作のヨーダは、耳が大きいので「年取った江川卓」とか言われていた。まさか最終作で、画面を縦横無尽に飛びまわり、こんな重要な役どころを占めるとは思っていなかった。どのキャラクターも30年近いつきあいだねえ。
スター・ウォーズの旧3部作の見どころは、宇宙空間でのドッグファイト(空中戦)だったと思う。誰も経験したことのない、未来の空中戦を、いかにリアルに、カッコよく作り出すかが、SFXの腕の見せどころだった。
ところが、面白いことに、新3部作になると、ライト・セイバーによる剣戟アクションの比重が増大する。旧3部作では、ハン・ソロのように、銃を武器とする正義のキャラクターも混じっていたのに、新3部作では、銃は敵側の(しかも雑兵の)武器でしかない。ジェダイの武器は、ライト・セイバーとフォースで、敵側の主要キャラも同様の武器で応戦する。本作の戦闘シーンでは、ワイヤーアクションも多用されていて、まるで中国映画の武侠片を見ているみたいだった。
一般にSFといえば、裸同然のコスチュームで色気を振りまく美女がつきものなのに(偏見?)、このシリーズは、最後まで禁欲的だった。女性だけでなく、男性の服装も、多くは修道士か中世の王族みたいに長いマントに身を包み、肌や体の線の露出を避けているのが、いまどき、新鮮に感じた。
女性の描き方も興味深い。旧3部作のレイア姫は、戦闘の最前線に乗り出してくるような行動するお姫様だったが、新3部作には、アナキンの母親、恋人パドメなど、きわめて古典的な女性キャラしか出てこない(画面の隅に、飾りもの的な女性ジェダイはいたけど)。本作には、実はひそかに、ストイックな男性至上主義が流れているのではないかと思う。
こうるさいジェンダーフリー論者に見つかると大変なんじゃないかな。まあ、私は、作品が面白かったので許すが。