○根津美術館 特別展『明代絵画と雪舟』
http://www.nezu-muse.or.jp/
猛暑の週末、根津美術館に行ってきた。先月(第1期)に続く、再訪である。板倉聖哲氏の講演「雪舟が見た明代中期画壇」を聴こうと思った。講演は2時からだというので、整理券を配り始める1時半をメドに出かけた。
ところが、私と同行者、および、たまたま入口で出会った知人2人組の直前で「申し訳ありませんが、ここまでです」と言って、列を切られてしまった。定員80名に達してしまったのだという。うっそ~。板倉先生のことは、存じ上げないわけではないが、こんなに人気者だとは知らなかった。東洋絵画なんて、地味なジャンルだと思っていたのだが。それとも雪舟のネームバリューは別格?
仕方ないので、第3期の展示を眺めて帰ってきた。「慧可断臂図」は、やっぱりいい。隣で大学生くらいの女の子が、お母さんらしい中年婦人に「ほとんど色を使ってないのに、お坊さんの唇と、腕の切り口にだけ、細~く赤を塗っているのが効果的なんだって」と説明していた。おお、どこで聞いたのか、見どころを分かってるなあ。
第1期が、ほとんど山水画だったのに比べると、人物画が多い。面白かったのは「売貨郎図」という作品。(伝)蘇漢臣のものと、呂文英の対幅と、計3点を見ることができる(いずれも根津美術館蔵)。要するに「物売り」を描いたものだ。1点は小鳥屋、あとの2点は雑貨屋か、おもちゃ屋か、天秤棒タイプの物売り架には、正体不明の品物(布靴? 喇叭? お面?)が山盛りに詰め込まれていて、細部に目を凝らせば凝らすほど、楽しい。風俗図のようでもあり、吉祥図のようでもある。
私は、日本の職人尽くし絵も大好きで、三谷一馬氏の『江戸商売図絵』(中公文庫 1995.1)を愛蔵している(図版が小さいのが難)が、中国にもこんな作品があるのを初めて知って、面白かった。
http://www.nezu-muse.or.jp/
猛暑の週末、根津美術館に行ってきた。先月(第1期)に続く、再訪である。板倉聖哲氏の講演「雪舟が見た明代中期画壇」を聴こうと思った。講演は2時からだというので、整理券を配り始める1時半をメドに出かけた。
ところが、私と同行者、および、たまたま入口で出会った知人2人組の直前で「申し訳ありませんが、ここまでです」と言って、列を切られてしまった。定員80名に達してしまったのだという。うっそ~。板倉先生のことは、存じ上げないわけではないが、こんなに人気者だとは知らなかった。東洋絵画なんて、地味なジャンルだと思っていたのだが。それとも雪舟のネームバリューは別格?
仕方ないので、第3期の展示を眺めて帰ってきた。「慧可断臂図」は、やっぱりいい。隣で大学生くらいの女の子が、お母さんらしい中年婦人に「ほとんど色を使ってないのに、お坊さんの唇と、腕の切り口にだけ、細~く赤を塗っているのが効果的なんだって」と説明していた。おお、どこで聞いたのか、見どころを分かってるなあ。
第1期が、ほとんど山水画だったのに比べると、人物画が多い。面白かったのは「売貨郎図」という作品。(伝)蘇漢臣のものと、呂文英の対幅と、計3点を見ることができる(いずれも根津美術館蔵)。要するに「物売り」を描いたものだ。1点は小鳥屋、あとの2点は雑貨屋か、おもちゃ屋か、天秤棒タイプの物売り架には、正体不明の品物(布靴? 喇叭? お面?)が山盛りに詰め込まれていて、細部に目を凝らせば凝らすほど、楽しい。風俗図のようでもあり、吉祥図のようでもある。
私は、日本の職人尽くし絵も大好きで、三谷一馬氏の『江戸商売図絵』(中公文庫 1995.1)を愛蔵している(図版が小さいのが難)が、中国にもこんな作品があるのを初めて知って、面白かった。