先週から今週にかけて、見てきた展覧会をまとめて。
■五島美術館 特別展『筆の美-木村陽山コレクションを中心にして-』(2009年2月21日~3月29日)
ポスターを見たとき、へえ~と唸った。いろんなものに美を見出す人がいるものだなあ、と思って。会場の半分ほどは書道の筆。広島県熊野町の「筆の里工房」が所蔵する、書家・木村陽山(1899-1986)のコレクションを中心とする。そして、もう半分は、ポーラ文化研究所が所蔵する化粧道具コレクション。なるほど、ここにも刷毛や紅筆が使われている。筆の美といわれて、素人にすぐ分かるのは、軸(筆管)の素材である。陶器(染付)、螺鈿、七宝、鎌倉彫など多様な工芸技法が用いられている。その一方、藁を縛ったり、竹を裂いたり、筆草と呼ばれる野草をそのまま使って、野趣を楽しむものもあった。
■静嘉堂文庫美術館 『静嘉堂文庫の古典籍 第7回 古地図の楽しみ-江戸時代の町を歩く-』展(2009年2月14日~3月22日)
うーん、稀覯書揃いだった第5回『中国の版本』(2005年)や第6回『中国・日本の貴重書』(2006年)に比べると、かなり地味。興味深かったのは『長禄江戸之図』。長禄(1457-1461)は太田道灌が江戸城を築いた頃の年号で、南総里見八犬伝の舞台となる年代である。ただし、展示品は幕末の弘化4年(1847)刊。詳しくは、八犬伝に関するこちらのサイトを読んでおけばよかった。馬琴は「長禄の江戸地圖には阿佐谷ありて千住はなし」と書いているそうだが、どうだったかな?
■大倉集古館 『ESPOSIZIONE D'ARTE GIAPPONESE, ROMA, 1930. 追憶の羅馬展―館蔵日本近代絵画の精華』(2009年1月2日~3月15日)
昭和5年(1930)、ローマで大規模な日本美術展が開催された。大倉喜七郎男爵の支援の下、当時の日本画壇を代表する日本画家たち80名の作品168点が出品されたという。今回の展示は、展示替えを入れても30点ほどだから、ごく一部を回顧するにすぎない。作品とともに、関係者の書簡、イタリア政府の公文書、当時の新聞記事なども展示されている。画家と作品は、一緒の船で旅をしたのね。また、表具屋さんを連れていったというのも興味深い。大観の『夜桜』は3月3日からの展示で、また見逃してしまった。
■五島美術館 特別展『筆の美-木村陽山コレクションを中心にして-』(2009年2月21日~3月29日)
ポスターを見たとき、へえ~と唸った。いろんなものに美を見出す人がいるものだなあ、と思って。会場の半分ほどは書道の筆。広島県熊野町の「筆の里工房」が所蔵する、書家・木村陽山(1899-1986)のコレクションを中心とする。そして、もう半分は、ポーラ文化研究所が所蔵する化粧道具コレクション。なるほど、ここにも刷毛や紅筆が使われている。筆の美といわれて、素人にすぐ分かるのは、軸(筆管)の素材である。陶器(染付)、螺鈿、七宝、鎌倉彫など多様な工芸技法が用いられている。その一方、藁を縛ったり、竹を裂いたり、筆草と呼ばれる野草をそのまま使って、野趣を楽しむものもあった。
■静嘉堂文庫美術館 『静嘉堂文庫の古典籍 第7回 古地図の楽しみ-江戸時代の町を歩く-』展(2009年2月14日~3月22日)
うーん、稀覯書揃いだった第5回『中国の版本』(2005年)や第6回『中国・日本の貴重書』(2006年)に比べると、かなり地味。興味深かったのは『長禄江戸之図』。長禄(1457-1461)は太田道灌が江戸城を築いた頃の年号で、南総里見八犬伝の舞台となる年代である。ただし、展示品は幕末の弘化4年(1847)刊。詳しくは、八犬伝に関するこちらのサイトを読んでおけばよかった。馬琴は「長禄の江戸地圖には阿佐谷ありて千住はなし」と書いているそうだが、どうだったかな?
■大倉集古館 『ESPOSIZIONE D'ARTE GIAPPONESE, ROMA, 1930. 追憶の羅馬展―館蔵日本近代絵画の精華』(2009年1月2日~3月15日)
昭和5年(1930)、ローマで大規模な日本美術展が開催された。大倉喜七郎男爵の支援の下、当時の日本画壇を代表する日本画家たち80名の作品168点が出品されたという。今回の展示は、展示替えを入れても30点ほどだから、ごく一部を回顧するにすぎない。作品とともに、関係者の書簡、イタリア政府の公文書、当時の新聞記事なども展示されている。画家と作品は、一緒の船で旅をしたのね。また、表具屋さんを連れていったというのも興味深い。大観の『夜桜』は3月3日からの展示で、また見逃してしまった。