見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

黄金週2011関西遊(5/2):利休屋敷跡、南宗寺

2011-05-08 20:29:06 | 行ったもの(美術館・見仏)
最近、本格的に茶の湯に興味が出てきたので(実践はしてないけど)千利休が生まれた堺を訪ねてみた。屋敷跡には、利休が産湯をつかったともいい(現地の立て札)、また茶の湯に常用していたともいわれる(別の立て札)「椿の井」が残る。



少し歩くと南宗寺。三千家家元の供養塔が立ち、中央のひときわ高い石塔が利休の供養塔。



その隣り、武野紹鴎(利休の師匠)の墓。



※参考:堺観光ガイド(音が出ます)
チンチン電車が走っていて足回りもよく、古代・中近世・近代、それぞれの見どころがあり、銘菓も豊富。また時間をとって訪ねてみたい。本家小嶋の芥子餅が目当てだったんだけど、月曜休で手に入らず…。残念。


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黄金週2011関西遊(5/6):三室戸~宇治、釈尊と親鸞(龍谷ミュージアム)

2011-05-08 19:54:16 | 行ったもの(美術館・見仏)
 関西ツアー最終日(5/6)。今日は職場に呼び戻されてもやむを得ず、と思っていたが、メールチェックをして、何も起きていないので、このまま休暇を楽しむことにする。

■西国第十番 明星山三室戸寺(京都府宇治市)

 西国巡礼2巡目は、これでようやく11ヶ所目。三室戸寺の観音様は、昔の看護婦さんんみたいな高い帽子をかぶった愛らしいお姿である。秘仏ご本尊は、ふだん拝することができないが、お前立ちもよく似ている。二臂の聖観音なのに「千手」と呼ばれているわけは、前回の拝観のとき(※記事)判明した。境内には、親鸞の父・日野有範の墓の上に建てたと伝えられる阿弥陀堂が残る。大遠忌つながりで来てみたが、関心を示す参拝客はいなかった。ぶらぶら歩いて宇治へ。

平等院(京都府宇治市)

 本日の目的は、山門を入って左手の藤棚。すごい! 満開である。平等院のサイトにも「藤の開花状況」が掲載されているが「今年の藤は一つ一つの花も大きく、房も長いもので140cmとよく伸びています」とのこと。年によって花つきが違うんだな。昨年のゴールデンウィークに見に行った春日大社の「砂ずりの藤」は全く期待外れだったが、これには大満足。花の姿もいいが、風が通ると得も言われぬ芳香が立ちこめる。



 次いで、平等院ミュージアムへ。京博の『法然』展と連動して『法然とその聖なる民俗』を開催中(2011年3月19日~7月8日)。江戸ものが多いが、近世の上人信仰の有り様が分かって、面白かった。御遠忌に頒布された法然上人御影の版木は、顔と手の周囲が嵌め込みになっていて、別人の御影の使い回しではないか、とか。

 鳳凰堂内部は参拝しなかったが、ミュージアムでデジタル復元された扉絵を見ることができた。くの字型にカーブを切りながら来迎する仏たちは、スピード感あるなあ。九品往生それぞれ、お迎えが違うという説明を読み、ひそかに下品上生くらいを目指そうと思う。阿弥陀様は来てくれないんだけど、まあいいやと。

龍谷ミュージアム 開館記念および親鸞聖人750回大遠忌法要記念展『釈尊と親鸞』(第1期:2011年4月5日~5月22日)

 2階と3階が展示室になっており、3階が「親鸞」特集。見応えあり。友人が「(京都市立美の親鸞展より)こっちのほうがおすすめ」と言っていた気持ちは分かる。所蔵者情報を見ていくと「龍谷大学」とあるのは経巻や江戸の書籍など、ごく一部だけ。あとは借りものなのだが、この出陳者が全国にまたがっている。福井、富山はもちろん、茨城、神奈川、東京など関東にも及ぶ。さすが龍谷大学&真宗寺院のネットワーク。茨城・円福寺の阿弥陀三尊像は、どことなく土臭い、東国らしい仏像だと思ったが、まさか京都でこんなものに出会うなんて。

 2階「釈尊」には、ガンダーラ仏など。また、中国・トルファン郊外にあるベゼクリク石窟寺院の壁画回廊の復元展示が行われている。ベゼクリク、現地に行ったな~。懐かしくて、感慨深かった。こういう体験展示は、どんどんやってほしい。
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黄金週2011関西遊(5/5):賀茂の競馬(上賀茂神社)

2011-05-08 12:37:23 | 行ったもの(美術館・見仏)
 上賀茂神社で行われる「賀茂の競馬(くらべうま)」を見に行った。競馳(きょうち)は14:00開始という情報を得ていたが、私は少し遅れて到着。それでも、まだ第一の番(つがい)が馬場に入って、三遅(さんち)という足馴らしが行われているところだった。せっかくの機会なので、有料観覧席(500円)に入って見物。ただし、いちばん見やすい席は神職やその関係者でないと入れない。

 乗尻(のりじり=乗り手)の装束は、昨年の葵祭と同じ。顔ぶれにもなんとなく見覚えがある。オレンジ系の装束をつけた左方(さかた)、緑系の装束の右方(うかた)に分かれ、六番勝負を行う。出走前に「○○の国、○○の庄」というアナウンスがあるのは、馬の産地を言っているのかと思ったが、調べたら「社人が荘園の馬で勝負を争ったことから、馬に荘園名をつけるならわしとなっている」と説明されていた。

 第一の番は、左方の馬が走り出してから、かなり時間を置いて右方が走り出す。第一番だけは左方の倭文庄(しどりのしょう)の勝ちと決められているためだ。このへんが神事らしい。真剣勝負は第二番から。



速い! 中央競馬で走った経験もある馬だという。↓神馬(白馬)も本気で走る。



↓右方の念人幄(世話役席)は馬場に面しているのだが、左方は観客席の後ろにあって見えないため、その隣りに左方後見高台が設けられ、勝負の結果を報告する(たぶん)。



↓こちらは右方念人幄。2種類の扇の開きかたで結果を左方後見高台に知らせているところ(たぶん)。これは第六番で、左方のベテラン乗尻に対し、右方の最も若い乗尻(中学三年生!)が挑んだ勝負。結果は「持」だった。



↓勝者には念人から白絹が与えられ、乗尻はこれを鞭で受け取る。「持」のときは、双方に白絹が与えられる。今年は左方3勝、右方1勝、持2番。左方が勝つとその年は「五穀豊穣」だそうだ。逆はどうなんだろう?



↓午後3時過ぎ、競馳が終わると境内隅の庁幄と呼ばれる建物に移動して直会(なおらい)の儀。見ていた若者が「飲み会やん」とツッこんでいたが、そのとおり。勝ち栗もふるまわれる。



 神事が全て終わると、世話人のおじさんが「はい、ここからフリータイムです!どうぞ~」と観客に声をかける。ええ~。乗尻や神職もやれやれといった表情で、家族や近所の人々、観光客との写真撮影にも応じてくれる。おもしろかった。

※参考:賀茂別雷神社(上賀茂神社)社家生まれの山本宗尚氏のサイト

※参考:ブログ:ノルマ!! 京都のイベントや社寺を主とした写真日記的ブログ
2010年の写真記事が中心。
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黄金週2011関西遊(5/5):親鸞(京都市美)、書斎の美術(泉屋博古館)、若冲(承天閣)

2011-05-08 10:05:28 | 行ったもの(美術館・見仏)
 京都泊2日目(5/5)は市内の見どころを周遊。市バス1日乗車券を大活用。

京都市美術館 親鸞聖人750回忌 真宗教団連合40周年記念『親鸞展 生涯とゆかりの名宝』(2011年3月17日~5月29日)

 朝イチは9:00開館のここから。京都の友人に「文書ばかりでつまらなかった」と聞いていたので、その気持ちで入る。確かに、親鸞そのひとに興味がないと、あまり面白くないかもしれない。あと真宗って、外国(中国)との関連が薄いから、その点でも地味に感じるんだなあ。後半の聖徳太子信仰や善光寺信仰のセクションで少し持ち直すが、会場が広いので、スカスカ感あり。

 これで終わりか…と出ようとした最後のホールで、竹内栖鳳の『飛天舞楽図草稿』3幅を、文字どおり仰ぎ見る。これは! 前の展示室に同じ飛天図の色つきの小品(散華)があって、以前、この京都市美の『画室の栖鳳』で見たことは思い出していた。東本願寺の御影堂門楼の天井画として構想されたが、実現しなかったものだという。そのとき、会場で「原寸大で描かれた下絵もあるんですが、7メートルくらいあるので、簡単に展示ができなくて」という会話を聞いた…ような気がする。無言の大画面から推敲の末に生まれ出た飛天の裸体が美しい。

泉屋博古館 『書斎の美術-明清の玉・硝子・金工を中心に』(2011年3月12日~6月26日)

 展示室に入り、入口右列の展示品のフォルムを遠目に一瞥したとき、ん?今回は古代の工芸品が特集だったかしら、と思う。近寄って解説を読んで納得。全て明清の「倣古品」なのである。古代の青銅器によくある「爵」や「鼎」「方鼎」の形そのまま、白玉や紫檀でつくっている。要するにレプリカだが、品があって愛らしい。中には、古代の獣文を忠実に写し、金色の地金に緑青で古色をつけた(わざと?)ものもある。出光、静嘉堂、東博などからの出陳品も多くて、物珍しかった。ほか、いかにも明清らしい玉製品、鼻煙壺など。併設の特集陳列『内藤湖南博士旧蔵の中国書跡』は「中国書籍」かと思ったら「書跡」で、前期は乾隆帝、左宗棠など。後期(5/8~)は康熙帝、曽国藩などに変わる。

承天閣美術館 特別展示『若冲水墨画の世界』(2011年3月19日~5月10日)

 若冲が描いた鹿苑寺(金閣寺)大書院障壁画(※詳細図/全画像あり)の修理完成記念。同館では、これまでも「葡萄小禽図」と「月夜芭蕉図」を見ることができたが、50面全部を一挙に見る機会はなかなかないので行ってみた。書院の障壁画って、もとは走獣→花鳥→人物→山水みたいなルールがあったはずだが、こんなに自由に描いていいのかな。若冲の自由に任せたスポンサーの梅荘顕常(大典禅師)も偉い。私は四之間の「秋海棠図」と「菊鶴図」が好きだ。後者は菊の立ち姿が若冲らしい。

 他にも館蔵の若冲水墨画をまとめて見ることができる。朝鮮絵画の模写の例としてよく出る『竹虎図』に大典の賛(画と同じ大きさで、別表装されている)がついていること、相国寺に伝わる明・林良の水墨画『鳳凰石竹図』とこれを模写した若冲作品の対比なども面白かった。

 このあと、昼食抜きで上賀茂神社(賀茂の競馬)に移動。以下は別項で。
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