京都泊2日目(5/5)は市内の見どころを周遊。市バス1日乗車券を大活用。
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京都市美術館 親鸞聖人750回忌 真宗教団連合40周年記念『親鸞展 生涯とゆかりの名宝』(2011年3月17日~5月29日)
朝イチは9:00開館のここから。京都の友人に「文書ばかりでつまらなかった」と聞いていたので、その気持ちで入る。確かに、親鸞そのひとに興味がないと、あまり面白くないかもしれない。あと真宗って、外国(中国)との関連が薄いから、その点でも地味に感じるんだなあ。後半の聖徳太子信仰や善光寺信仰のセクションで少し持ち直すが、会場が広いので、スカスカ感あり。
これで終わりか…と出ようとした最後のホールで、竹内栖鳳の『飛天舞楽図草稿』3幅を、文字どおり仰ぎ見る。これは! 前の展示室に同じ飛天図の色つきの小品(散華)があって、以前、この京都市美の『
画室の栖鳳』で見たことは思い出していた。東本願寺の御影堂門楼の天井画として構想されたが、実現しなかったものだという。そのとき、会場で「原寸大で描かれた下絵もあるんですが、7メートルくらいあるので、簡単に展示ができなくて」という会話を聞いた…ような気がする。無言の大画面から推敲の末に生まれ出た飛天の裸体が美しい。
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泉屋博古館 『書斎の美術-明清の玉・硝子・金工を中心に』(2011年3月12日~6月26日)
展示室に入り、入口右列の展示品のフォルムを遠目に一瞥したとき、ん?今回は古代の工芸品が特集だったかしら、と思う。近寄って解説を読んで納得。全て明清の「倣古品」なのである。古代の青銅器によくある「爵」や「鼎」「方鼎」の形そのまま、白玉や紫檀でつくっている。要するにレプリカだが、品があって愛らしい。中には、古代の獣文を忠実に写し、金色の地金に緑青で古色をつけた(わざと?)ものもある。出光、静嘉堂、東博などからの出陳品も多くて、物珍しかった。ほか、いかにも明清らしい玉製品、鼻煙壺など。併設の特集陳列『内藤湖南博士旧蔵の中国書跡』は「中国書籍」かと思ったら「書跡」で、前期は乾隆帝、左宗棠など。後期(5/8~)は康熙帝、曽国藩などに変わる。
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承天閣美術館 特別展示『若冲水墨画の世界』(2011年3月19日~5月10日)
若冲が描いた鹿苑寺(金閣寺)大書院障壁画(
※詳細図/全画像あり)の修理完成記念。同館では、これまでも「葡萄小禽図」と「月夜芭蕉図」を見ることができたが、50面全部を一挙に見る機会はなかなかないので行ってみた。書院の障壁画って、もとは走獣→花鳥→人物→山水みたいなルールがあったはずだが、こんなに自由に描いていいのかな。若冲の自由に任せたスポンサーの梅荘顕常(大典禅師)も偉い。私は四之間の「秋海棠図」と「菊鶴図」が好きだ。後者は菊の立ち姿が若冲らしい。
他にも館蔵の若冲水墨画をまとめて見ることができる。朝鮮絵画の模写の例としてよく出る『竹虎図』に大典の賛(画と同じ大きさで、別表装されている)がついていること、相国寺に伝わる明・林良の水墨画『鳳凰石竹図』とこれを模写した若冲作品の対比なども面白かった。
このあと、昼食抜きで上賀茂神社(賀茂の競馬)に移動。以下は別項で。