○三井記念美術館 『茶会への招待-三井家の茶道具-』併設『初公開-新町三井家の新寄贈品から』(2012年2月8日~4月8日)
このところ、週末も出勤やら持ち帰り仕事やらが続いていて(旅行も行ってるけど)慌ただしい。こんなときは、気を落ち着かせるため、茶道具でも眺めようと思って出かけた。冒頭の「茶の湯名品」は、どれも一度くらい見た気がするが、何度見てもいい。
展示室2は、選りすぐりの一品を単独で見せる部屋で、これまで、国宝茶碗「銘:卯花墻」が置かれることが多かったが、今回は朝鮮の御所丸茶碗が飾られていた。ダルメシアンを思わせる黒白の斑(ブチ)。「古田織部の意匠で、朝鮮の金海窯で焼かせたもの」だそうだ。絵付も造作も、やや作為が見えすぎる感じ。
光悦の黒楽茶碗「銘:雨雲」。これも十分作為に満ちているんだけど、私はこっちのほうが好きだ。茶碗以外では、伊賀焼の花入「銘:業平」、備前の建水は、本当に微かな火色(赤み)とか焦げ(?)の「景色」がいいなあ。あと、茶入や茶杓はよく分からないのだが、茶釜は好きだ。近代物(昭和17年作)の根来有實作の四方釜は、潜水艦みたいなモダンな感じが面白かった。姥口霰釜(与次郎作・桃山時代)は、たれパンダとかカピバラさんみたいな、金属製と思えないゆるさが好き。
展示室4は「茶事の取合せ」と題し、待合→書斎→懐石→後座という、茶事の進行に沿って、茶道具を配置している。個人的には。もうちょっと茶掛けの書を見たかった。展示室3「如庵の取合せ」に、寸松庵色紙(きのとものり/あまのかはあさせ/しらなみたとり/つゝわたりはてぬ/にあけそし/にける/古今秋歌上177)が飾られていたが、遠くてよく見えなかったのが残念。
さて、展示室7は「新町三井家の新寄贈品」で、これも茶道具の一部かな、と思っていたら、全然違った。びっくりは渡辺始興筆『鳥類真写図巻』で、壁の一面を全て使い、4~5メートル(?)に渡って広げてある(全長17メートル)。パネルの解説によれば、東博所蔵・応挙の『写生帖』は、これを模写したものであることが、図像の比較から確かめられており、「応挙の源流ここにあり!」と誇らしげである。鳥の姿には、○月○日(何時の姿か=季節によって羽色の変わる鳥がいるためだろう)、雄雌、羽根○枚、裏○色など、細字の注記が施されている。なお、渡辺始興(1683-1755)は、近衛家煕の感化で実物写生を試みたと言われている。
対面の展示ケースには「金沢文庫」印のある白氏文集(平安時代)。これにも驚いた。いろんなものを持っているなあ。さすが三井家。
このところ、週末も出勤やら持ち帰り仕事やらが続いていて(旅行も行ってるけど)慌ただしい。こんなときは、気を落ち着かせるため、茶道具でも眺めようと思って出かけた。冒頭の「茶の湯名品」は、どれも一度くらい見た気がするが、何度見てもいい。
展示室2は、選りすぐりの一品を単独で見せる部屋で、これまで、国宝茶碗「銘:卯花墻」が置かれることが多かったが、今回は朝鮮の御所丸茶碗が飾られていた。ダルメシアンを思わせる黒白の斑(ブチ)。「古田織部の意匠で、朝鮮の金海窯で焼かせたもの」だそうだ。絵付も造作も、やや作為が見えすぎる感じ。
光悦の黒楽茶碗「銘:雨雲」。これも十分作為に満ちているんだけど、私はこっちのほうが好きだ。茶碗以外では、伊賀焼の花入「銘:業平」、備前の建水は、本当に微かな火色(赤み)とか焦げ(?)の「景色」がいいなあ。あと、茶入や茶杓はよく分からないのだが、茶釜は好きだ。近代物(昭和17年作)の根来有實作の四方釜は、潜水艦みたいなモダンな感じが面白かった。姥口霰釜(与次郎作・桃山時代)は、たれパンダとかカピバラさんみたいな、金属製と思えないゆるさが好き。
展示室4は「茶事の取合せ」と題し、待合→書斎→懐石→後座という、茶事の進行に沿って、茶道具を配置している。個人的には。もうちょっと茶掛けの書を見たかった。展示室3「如庵の取合せ」に、寸松庵色紙(きのとものり/あまのかはあさせ/しらなみたとり/つゝわたりはてぬ/にあけそし/にける/古今秋歌上177)が飾られていたが、遠くてよく見えなかったのが残念。
さて、展示室7は「新町三井家の新寄贈品」で、これも茶道具の一部かな、と思っていたら、全然違った。びっくりは渡辺始興筆『鳥類真写図巻』で、壁の一面を全て使い、4~5メートル(?)に渡って広げてある(全長17メートル)。パネルの解説によれば、東博所蔵・応挙の『写生帖』は、これを模写したものであることが、図像の比較から確かめられており、「応挙の源流ここにあり!」と誇らしげである。鳥の姿には、○月○日(何時の姿か=季節によって羽色の変わる鳥がいるためだろう)、雄雌、羽根○枚、裏○色など、細字の注記が施されている。なお、渡辺始興(1683-1755)は、近衛家煕の感化で実物写生を試みたと言われている。
対面の展示ケースには「金沢文庫」印のある白氏文集(平安時代)。これにも驚いた。いろんなものを持っているなあ。さすが三井家。