見もの・読みもの日記

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2012京都・原谷苑の桜(4/14)

2012-04-20 23:45:50 | なごみ写真帖
先週末、思い立って京都に行ってしまった理由のひとつは、柏井壽さんの『ふらり 京都の春』に紹介されていた原谷苑(はらだにえん)の桜が見たかったためである。

4月14日(土)、大津の朝は小雨がパラつき、はっきりしないお天気。う~ん、気持ちをくじかれる。せっかくなら青空の下の桜が見たい。しかし、この天気なら人出が少なくて、チャンスかもしれない。京阪電車で逢坂を越え、地下鉄烏丸線に乗り換えて、北大路で下りる。最盛期は、市バスや送迎バスに乗り切れないこともあるというので、ここからタクシーを使うことにした。今宮神社の前を通り、上り下りのある複雑な地形に入っていくが、山間というほどではなく、両側の住宅は途切れない。鎌倉みたいな感じだ。原谷苑まで1,600円くらい。



開苑は9時。私が到着したのは10時頃だったので、早くもひとまわりして帰る客の姿も見られた。開花状況によって変わるという入苑料は1,500円だった。おじいちゃんが窓口で「昨日は1,300円だったよ」「昨日は平日ですから」とやりとりしてるのが聞こえた。

入口からしばらくは、細い遊歩道の両側に、純白のユキヤナギや黄色いレンギョウが目立ち、桜の苑に来たという実感はすぐに訪れない。しかし、気がつくとピンク色のカーテンに囲繞されている。



東京人は、サクラといえば、ソメイヨシノの、限りなく白に近いピンクを思い描くが、ここ原谷苑でいちばん多いのは、ベニシダレ(紅枝垂れ)桜である。桜色というよりは、紅色。

傘をたたんでも問題ない程度に雨も上がった。広い苑内には、すでに多くの観光客が散らばっていたが、起伏に富んだ地形のため、あまり人の姿が目につかないのはありがたかった。それでも、行きつ戻りつして、1時間くらい歩きまわっていると、だんだん人が増えてきた。茶店で一服。



いつまでいても飽きることはないと思ったが、午後の予定(山王祭)を考えて、同じ経路で戻ることにした。帰りのタクシーの運転手さんはお喋りで、最盛期になると、行き帰りのタクシーが列をなして身動きが取れない状態になること、もう一本の近道は片道車線しかないこと、附近の住民はマイカーで買い物にも行けず大弱りしていること、むかしは知る人ぞ知る名所だったが、最近、観光客が急増していること、などを教えてくれた。ちょっと満開には早かったし、天気も悪かったけど、ちょうどよかったかもしれない。あと、「以前は、原谷苑の紅枝垂れと仁和寺の御室桜は、見ごろが同じだったけれど、最近は、一方が早かったり遅かったりで、予想がつかない」とか。

一生分くらいサクラの写真を撮りまくったので、久しぶりにフォトチャンネルで上げようかと思う。これは後日。

京都市内から、それほど遠ざかった印象のない原谷だが、「原谷 (京都市)」のWiki記事を読むと、古くは「平家の落人伝説」があり、明治初期には「人の住まない山林」であったが、終戦後、引揚者の入植と開拓が行われたという。こんな京都市中心部から至近の土地が「開拓」って…。戦後の日本の都市化って、想像以上に急速に進展したんだなあ、と思った。原谷苑のサイト「原谷苑の歴史」も参照のこと。
コメント (2)
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