新潟から仙台出張時には、南陽高畠インターから東北中央自動車道で北上し、山形ジャンクションから山形自動車道・東北自動車道を経るコースが一般的だ。
山形ジャンクションへは少し遠回りになるものの、以前だと国道13号で上山バイパス・山形バイパスを経由していたことからすると、30分ほどの時短になる。
ただ今回の帰り道は国道113号で白石と高畠間を走ることに。峠越えの道で僅かばかり時間はかかるが、距離的には短い。別の目的もあって、このコースを選んだのだが、この道でどうしても目に入ってくるのが「七ヶ宿(しちかしゅく)ダム」である。
このダムは中央コア式のロックフィルダム。以前紹介した「三国川ダム」と同じ構造で、堤高(90メートル)こそ三国川ダム(119.5メートル)にかなわないが、堤頂長、総貯水量ははるかに大きい。
東北地方整備局画管理する直轄ダムで、特定多目的ダム。宮城県でも一番規模の大きいダムであるが、それよりも大都市・仙台市の水がめとしての大きな機能を担っている。阿武隈川水系では、摺上川(すりかみがわ)ダム、三春ダムとともに、宮城・福島両県の治水も担う。
1973年からダム建設の調査が実施されたが、158世帯、640人が集落水没のため移転を余儀なくされたことから、反対運動や補償交渉などに、1991年竣工、翌1992年から本格運用が開始された。
とにかくロックの積み上げがきれいであること。国道のトンネルの間から突如出現するダム堤体には感動する。巨大な洪水吐も大きな特徴だが、これは堤体下流部から見上げるか、堤頂から眺めると大迫力だ。
周辺の環境整備にも力が入れられていることが分かる。住民の理解を得るためのということもあるが、多くは宮城県の水がめとして水質保全を図るためのようである。ダム湖の大噴水も水質保全の役割があり、「七ヶ宿湖」はダム湖百選に選ばれている。
しかし、もっと注目すべきはダムの監査廟の公開など、定期的な見学ツアーなど、マニアだけでなく一般住民への公開に力を入れていること。とてもやさしく丁寧な職員の対応を絶賛する声が多い。(この日は時間がなく、事前申込の見学はしませんでしたが、地寧な対応でダムカードをいただきました。)
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