付け焼き刃の覚え書き

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私小説の経費

2004-05-02 | 雑談・覚え書き
 昨年秋のことだけれど、国税庁で第3回国税審査分科会が開催されました。どういうものかというと、各界の代表を集め税務行政の現状についての説明をしたり質問を受けたりする場ですね。そこで作家の阿刀田高氏が日本文芸家協会の税務担当ということで、「作家の取材費が必要経費であるか否かの線引きはどのようにおこなわれるのか」と単刀直入に聞いているんですね。作家とかスポーツ選手とか芸能人とかは経費の範囲が本当に解りにくいですからね。
 阿刀田委員は長年の疑問を国税庁に問いかけます。

「日本には志賀直哉以来<私小説>という作家自身の生活を綴るジャンルがあるが、この私小説を書く作家の中には「おれは生きていることが全部取材費だ」(誰のセリフか知りたいぞ)という方がいるが、税務上はどのような取扱いになるのであろうか」

 ま、回答は平凡でした。「小説を書くのにどうしても必要なら経費だし、そうでなければ駄目。人生すべてが必要経費ということはありえないが、すべてが必要経費ではないとも言えない」と、いつものケース・バイ・ケースという結論(そしてたいてい「社会通念上、公正妥当と思われる範囲」とかいうあやふやな判定基準が用いられるわけですが…)。
 ただ、その補足で「10年前の旅行をもとに今年小説を書いても、期間対応の問題上、その1年に稼いだ原稿料から10年前の旅行費用を差し引くことは難しい」と言っていましたが、ということはそのときの経費を創作仮勘定とかに入れておいて、書きかけの原稿は仕掛原稿とかいう科目を作り、原稿料が入った年度で清算すれば良いという理屈になるんだろうか?
コメント
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