深夜に利用したタクシーの運転手さんは元船乗りだったそうだ。主に韓国航路だったけれど、ベトナム戦争の時分はカンボジアやマレーシアの方まで行っては、あちこちの軍艦や警備艇に臨検されてたそうだ。
運んでいていちばんイヤだったのは、フィリピンからのトウモロコシ。温度が上がると発芽し、また当時は自動開閉式の屋根とかろくな温度調節機能がなかったので、船倉の温度が上がると船員総掛かりで鉄の扉を開け、雨が降るといけないのでテントシートを上に張り、また閉め畳み、温度が上がるとまた開け張り……を昼夜を問わず1日に何回も港に着くまでしていたのだそうだ。芽が出たらパーで、その損失は、航海士の負担になるから必死だったとか。
「税金の関係で酒や煙草は安かったし、煙草は配給もありましたからねえ。缶入りピースって知ってます?」
かろうじて知ってる世代です。今でもあるのかな。
運んでいていちばんイヤだったのは、フィリピンからのトウモロコシ。温度が上がると発芽し、また当時は自動開閉式の屋根とかろくな温度調節機能がなかったので、船倉の温度が上がると船員総掛かりで鉄の扉を開け、雨が降るといけないのでテントシートを上に張り、また閉め畳み、温度が上がるとまた開け張り……を昼夜を問わず1日に何回も港に着くまでしていたのだそうだ。芽が出たらパーで、その損失は、航海士の負担になるから必死だったとか。
「税金の関係で酒や煙草は安かったし、煙草は配給もありましたからねえ。缶入りピースって知ってます?」
かろうじて知ってる世代です。今でもあるのかな。