「夜ふかし屋敷のしのび足」 コニス・リトル

「ああいう金持ちの男には十分気をつけないと。飛びついて身動きできなくなってから、光るものすべてが金じゃないとわかるんだから」
「別に金じゃなくてもいいわ。光りさえすれば」
　警官ビルとカリー・ドレイクの言葉。

　ホテルでのひとり暮らしを謳歌していたカリー・ドレイクは、友人セルマに頼まれて、離婚調停中の彼女の夫の住む屋敷へメイドとして潜り込むはめに陥ってしまう。そこでセルマが別の男性に出したラブレターを回収して欲しいというのだが、予期せぬ殺人事件が起こったことから……。

　「コミカルなミステリ」という宣伝文句だけれど、自分は笑えなかったなあ……。
　浅はかな娘がバカな娘に頼まれて愚かな冒険に手を出したあげく、周りで続々と悲惨な事件が起こり、結果的に棚ぼたで幸運をつかむという話。世の中には神も仏もおらんのか。むしろこいつを第一の犠牲者にすべきだったんじゃないかなあ……。

【夜ふかし屋敷のしのび足】【コニス・リトル】【連続殺人】