
患者は次第に増え始め、当初は若い世代にしか発症していなかったのが、やがて年齢に関係なく発症するようになり、人口の2割3割と患者は増大していく。
ところが、その患者が突然意識を失い、まるで操られた人形のように海に向かって行進を始めるという事件が発生した。最初は数分で意識を取り戻していたのだが、やがてその数が増え、ついには海に沈んでいくようになった……。
人種やら黒いあざが浮き出た人々への差別とか、台頭する胡散臭い新興宗教とか、機に乗ずる芸能人とか、王道パターンの70年代SF。あまりにサクサク人が死ぬのと、活躍する主人公が中学2年生というところに時代を感じます。そういや、こいつら中学生だわと。
【黒の放射線】【中尾明】【長尾みのる】【ベストセラーズSF】【鶴書房】