「現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変」 北部九州在住

　乙女ゲームの悪役令嬢に転生という話は多く、過去に戻って歴史を改編する話もかなりあるのだけれど、それを合わせて「現代日本を舞台にした乙女ゲームの世界に転生し、前世の知識を使って歴史の流れをより良い方向に動かそうと奮闘する」話を、架空戦記の手法で綴っているので、恋愛小説とか冒険小説ではなく経済・軍事小説のカテゴリ。
　他の話なら本能寺の変とか太平洋戦争の結末を変えようと奔走するところを、悪役令嬢・桂華院瑠奈はリーマンショックを乗り越え、金融再編に耐え、９１１を食い止められるか主人公が民間軍事会社からＣＩＡのラインまで駆使しつつ、商社経由でアフガニスタンの統一戦線にテコ入れした、小泉旋風に巻き込まれたりと、恋愛要素は蹴っ飛ばしてマネーゲームと政争に四苦八苦。自分たちの知っている現代史を舞台にした歴史改編ものは珍しいですよ。
　書籍化の話も進んでいるらしいので、詳しい感想はそのときに。

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