憑きものが落ちたり霊験あらたかだという噂が密かに広まっていて、湊の実家の旅館「くすのきの宿」はいつも盛況だが、お客は普段から祟られがちな悪いことをするそのスジの人たちや詐欺師みたいな客が多く、ルームキーのキーホルダーや表札が盗まれるのは頻繁。ただ、大抵の場合はお礼の意味で大量の現金がこっそり残されているし、ただで持って行く者には座敷童がしっかり祟っている。それはともかく、湊と山神さんはタウン誌のガイドを見ながら街の南部まで散策に出かけていた……。
あちこちに転がっている神様のいない神域に引きずられつつの散策回。街には意外と人ならぬモノを受け入れている場所があるのです。そして、遭ったこともないのに山神さんが好きすぎる地域情報紙の編集者たち……。
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