「人は未知を恐れ、既知に変えようとする。だが未知を既知と思い込むことを最も恐れるべきだ」≪洗濯屋≫フォンクト中尉の言葉。
フォンクト中尉の所属する帝室儀礼大隊は犯罪者の処刑を担当するのが仕事だ。しかし、その第三中隊は表に出せない暗殺を担当する帝室直属の処刑部隊。軍師の異名を持つグリーエン卿を服用毒による決闘形式で処理したかと思えば、農民反乱の首謀者ユオ・ネヴィルネルの処刑を執行。
そして次なる任務は南方艦隊司令テルゼン提督の暗殺。独自色の強い海軍が反乱計画を立てているのではないかという皇帝の指示だ。もうこの国は長くないかもしれない……。
≪洗濯屋≫フォンクトが部下のクリミネ少尉と共に処刑任務に就きながら、なんとか生きのびる道を模索する物語。皇帝直轄で邪魔者を闇から闇に葬る仕事をしているけれど、それゆえに帝国が末期だと気がついているのだ。国が崩壊したら皇帝の処刑部隊なんてロクなことにならないし、そもそも忠誠を誓う気も無いのだ。
【処刑大隊は死なせない～帝国が崩壊しても俺たちは生き残りたい～】【漂月】【鍋島テツヒロ】【エンターブレイン】【死神大隊】
