付け焼き刃の覚え書き

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「おっさん村長の辺境飯1」 タツダノキイチ

2025-01-01 | 食・料理
「ボウル一杯分の氷があれば、料理の幅は大きく広がる……主に菓子類で!」
 村長はリーファ先生ことリーデルファルデイ・エル・ファスト・デボルシアニーに氷魔術の有効性を熱く説いた。

 貧乏子爵家の四男坊として生まれたバンドール・エデルシュタットは王立学院を優秀な成績で卒業したものの、官吏勤めは性に合わないし、そもそも貴族暮らしが向いていないと冒険者に。それがひょんなことから愚王子の命を救い、その報償と口止めを兼ねて男爵位を授けられて辺境の領地を与えられ現在に至る。彼には前世の知識があるが、その記憶はなく、なにかを自力でなんとかする技術もない。だが、それなりに剣の腕で身を立てて田舎の村長になり、書類仕事と魔物の間引きに追われて10年。もう40歳だ。
 そんなある日、彼の元に「さる令嬢を療養に預かって欲しい」という依頼が舞い込んだ。魔素欠乏症で衰弱しており主治医も匙を投げているが、魔素が濃い彼の村なら少しは穏やかに暮らせるかもしれないというのだ。引き受けたバンドールは住居や物資手配の段取りをする一方、学生時代の恩師で医薬学に詳しいエルフのリーファ先生を招聘したのだが……。

 辺境の村の村長となった元冒険者が、書類仕事したり魔物の間引きで森に入ったりしながら、合間合間に美味い飯を食う話。そこに転地療養で貴族の息女が預けられ……という展開だけれど、まだ彼女よりエルフのリーファ先生の方が目立ってます。でも、いちばんスゴいのは賄いを担当するドーラさんで、たぶんこの話でいちばんのチートキャラ。このおばちゃんが、村長のなんとなくこんな感じの料理があるんだけどーみたいなあやふやな話から、ありあわせの贖罪と調味料で絶品料理に仕立ててきます。スゴいぜ。

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