仕事柄、「良き地域社会とは」なんて考えることがしばしあります。
良き地域社会の構成要素はなんだろかと考えると、「人」+「風土」+「歴史」+αではないかと、歳を重ねると考えるようになりました。
「人」とは、お金持ちがたくさん住んでいる、というようなことでなく、そこに住んでいる人が、地域の持つ伝統や歴史を自覚して、その個人のライフスタイルに自信を持って生活していること。
そして、住んでいる人の平均的な水準が、いわゆる地域の文化を決定し、さらにそれが、街の雰囲気やデザインを醸しだし、ひいてはその街の住む人の生き方を決定づけていく。
「歴史」とは、その街、地域に根付いた史跡や建物があり、醸成された伝統文化が息づいている、伝統的な食べ物もその中の一つであり、無論祭りや行事なども含まれます。
「風土」とは、ここに書くまでもなく、気候、風景、山、川、海、出来るならば、山紫水明であるならばより望ましいと思います。
このような事象は、商業的立地の条件には合わないし、自治体にとっては、税収の増加にはほど遠い結果となるし、なによりも人口の増加にはほど遠い帰結となる場合が多いと思われます。
そのような地域を考えると、なかなか首都圏のような人口密集地には無いだろうし、日本列島の地勢を考えると、やはり隅っこのあたりになってしまいます。
柳田国男や宮本常一、今和次郎の名前を出すまでもなく、そのあたりに答えは見つけられそうな気がしてきます。