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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

美空曼陀羅

2015-07-14 19:07:32 | 読んだ本
夢枕獏 昭和62年 祥伝社ノン・ノベル
サイコダイバー・シリーズの第七弾。
サブタイトルが「魔獣狩り外伝」ってなってて、スピンオフ作品と思わせといて、やがて他の登場人物たちと合流していく序章に過ぎないんだと。いつものパターン。
シリーズ登場人物たちも一堂に会する新たな本流みたいなもの、それ、まだ読んでないけど。(それに読み進もうかどうかというのが、このシリーズを読み返してる理由ではある。)なんか想像するだに「大甲子園」みたいになってるんぢゃないかという気もするなあw
とは言うものの、外伝のなかでは、私はこれがいちばん好きだと思う。
それはストーリーどうこうというよりも、登場人物のなかで、今回の主人公である美空(びくう)がいちばん魅力的だと感じているからではないかと。
高野山で修行したんだけど、才能がありすぎて、禁じられてる秘法にまで手を出してしまったがため、追放されてお山を降りてはいるんだが、ヤミで事件を処理する稼業を担っている男。
男とは思えぬほど白い肌をして、並はずれた美貌を有する、っていうその外見に興味があるわけぢゃないんだ、私は。
針で突かれても指を折られても、痛みをまったく感じない、無痛症っていう先天性の体質っていう、その設定が気に入っている。
拳法のようなものを使って、ケンカも滅法強いんだけど、何があっても平然としてるのは、痛みを感じないので、(それってイコール?)恐怖を想像しないとこからきてる、ただのクールを通り越した超人。
んで、今回の高野山からの密命は、「空海が密教の経典を唐から日本に持ち込んだ時に、一緒に持って来たもの、人を殺すための四匹の獣、というか“もののけ”」である「四殺」の抹殺。
四殺とは、「飛狗」「餓蟇」「外法炉」「金剛拳」だっていうんだけど、詳しいことは美空も知らない。
日本国内の四つの寺に分けて封印されてたんだけど、誰かがそれを開けちゃったんで、始末しろというのがミッション。
で、当然のことながら、この一冊で話が完結しないで、続く、続きはほかのひとも巻き込んだ新たな展開に乞うご期待、って毎度のパターン。困ったもんだ。
コメント
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