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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

神さまってなに?

2017-06-03 19:23:20 | 読んだ本
森達也 2017年2月 河出文庫版
オウム真理教のドキュメンタリー「A」をつくったことで有名な森達也さんの文庫。
2月末くらいだったかな、書店で見かけて、最近あまりこのひとの本に興味なくなってきてたんだけど、なんとなく買った、読んだのは最近。
神さまっていうより、宗教に関する解説が多い。
新興宗教ぢゃなくて、世界宗教の三つ、仏教とキリスト教とイスラム教の成り立ちと基本線の紹介。
(ちなみに、三つの世界宗教以外は、民族宗教と分類している。)
まあ、なんというか、キリスト教とイスラム教の対立で世界戦争が起きかねないっていう状況を、問題意識にしてるんだろう。
>宗教は人を純化する。あるいは単純化する。そして時には、この純化や単純化を利用する人が現れる。自分の欲望や利益や理想を実現するために。(p.113)
とか、
>特異性は確かにある。でも普遍性もある。双方への視点を持つことが重要なのだ。(p.159)
とか、人間ってのは根はいいひとばかりなのに、ちょっとしたことで衝突しちゃうんで、それぢゃ悲しいから他者のことも理解しましょうよみたいな言われようをするんだが、難しいよね、実際。
どうでもいいけど、2015年にマンチェスター大学で行われたシンポジウムで、宗教学者たちはカルトという言葉を使わなかった、というエピソードがいい、印象に残った。
コメント
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