ポール・オースター編/柴田元幸他訳 2005年 新潮社
去年9月に買った古本、最近やっと読んだ、とっくに読みゃあよかった。
著者名だけで買ったんだけど、オースターの名前のうしろに「編」ってあるから、小説ぢゃないのかな、何なんだろと思っていた。
オースターってアンソロジーの編集とかやるタイプだっけ、よく知らないけどちょっと意外な感じだなとも思ったんだが。
目次のあとの扉んとこに、丁寧なタイトルがあった、「ナショナル・ストーリー・プロジェクト ‐本当のアメリカン・ライフの物語」、編者ポール・オースター、編者助手ネリー・ライフラーの下に、「NPR『すべてを俎上に 週末版』より」ということで。
そのすぐうしろにオースターのまえがきがあって、プロの作家のアンソロジーなんかぢゃなくて、NPR(全米公共ラジオ)っていうラジオでリスナーから募集した物語をオースターが読むっていう番組の企画があって、それを集めたものという説明がある。
1999年から約1年間の期間だったらしいが四千通の投稿があったそうな。
オースターによれば、最年少は二十歳、最年長は九十歳ちかく、男女半々で、住んでる州の数は四十二なんでほぼ全土、職業は郵便局員、商船員、トロリーバスの運転手、ガスと電気のメーター検針員、自動ピアノの修復職人、犯行現場清掃業者などいろいろ。
読んでみて思ったのは、けっこうシンクロニシティっていうのか、想像を超えるような偶然を体験したっていうタイプの話が多い。
最近知り合いになった、子どもたちの友だちの両親と、かつて飼ったことのあるペットの話をしてたら、相手が四十年前に飼ってた青インコは、自分が間違って逃がしてしまった鳥だったとか、そういうの。
事実を求められると、ちょっと事実とは思えないような話を出して驚かしたくなるんだろう。
ちなみに原題は「I THOUGHT MY FATHER WAS GOD AND OTHER TRUE TALES FROM NPR'S NATIONAL STORY PROJECT」で、「父さんは神さまだと思った」という話には、
>私は父さんは神様なんだと思った。父さんはしみったれの老人を怒鳴りつけて、意のままに死なせることができるのだ。それは私の理解を超えた出来事だった。
という一節があるんだが、なんでオースターがそんな話を単行本タイトルにもってきたのかはわからない。
収録されてる話は、編者によってだいたいのジャンル分けがされてるけど、それは以下のとおり。
・動物 ANIMALS
・物 OBJECTS
・家族 FAMILIES
・スラップスティック SLAPSTICK
・見知らぬ隣人 STRANGERS
・戦争 WAR
・愛 LOVE
・死 DEATH
・夢 DREAMS
・瞑想 MEDITATIONS
去年9月に買った古本、最近やっと読んだ、とっくに読みゃあよかった。
著者名だけで買ったんだけど、オースターの名前のうしろに「編」ってあるから、小説ぢゃないのかな、何なんだろと思っていた。
オースターってアンソロジーの編集とかやるタイプだっけ、よく知らないけどちょっと意外な感じだなとも思ったんだが。
目次のあとの扉んとこに、丁寧なタイトルがあった、「ナショナル・ストーリー・プロジェクト ‐本当のアメリカン・ライフの物語」、編者ポール・オースター、編者助手ネリー・ライフラーの下に、「NPR『すべてを俎上に 週末版』より」ということで。
そのすぐうしろにオースターのまえがきがあって、プロの作家のアンソロジーなんかぢゃなくて、NPR(全米公共ラジオ)っていうラジオでリスナーから募集した物語をオースターが読むっていう番組の企画があって、それを集めたものという説明がある。
1999年から約1年間の期間だったらしいが四千通の投稿があったそうな。
オースターによれば、最年少は二十歳、最年長は九十歳ちかく、男女半々で、住んでる州の数は四十二なんでほぼ全土、職業は郵便局員、商船員、トロリーバスの運転手、ガスと電気のメーター検針員、自動ピアノの修復職人、犯行現場清掃業者などいろいろ。
読んでみて思ったのは、けっこうシンクロニシティっていうのか、想像を超えるような偶然を体験したっていうタイプの話が多い。
最近知り合いになった、子どもたちの友だちの両親と、かつて飼ったことのあるペットの話をしてたら、相手が四十年前に飼ってた青インコは、自分が間違って逃がしてしまった鳥だったとか、そういうの。
事実を求められると、ちょっと事実とは思えないような話を出して驚かしたくなるんだろう。
ちなみに原題は「I THOUGHT MY FATHER WAS GOD AND OTHER TRUE TALES FROM NPR'S NATIONAL STORY PROJECT」で、「父さんは神さまだと思った」という話には、
>私は父さんは神様なんだと思った。父さんはしみったれの老人を怒鳴りつけて、意のままに死なせることができるのだ。それは私の理解を超えた出来事だった。
という一節があるんだが、なんでオースターがそんな話を単行本タイトルにもってきたのかはわからない。
収録されてる話は、編者によってだいたいのジャンル分けがされてるけど、それは以下のとおり。
・動物 ANIMALS
・物 OBJECTS
・家族 FAMILIES
・スラップスティック SLAPSTICK
・見知らぬ隣人 STRANGERS
・戦争 WAR
・愛 LOVE
・死 DEATH
・夢 DREAMS
・瞑想 MEDITATIONS
