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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

虚構新聞 全国版

2019-01-05 18:13:07 | 読んだ本
虚構新聞社UK 2017年 ジーウォーク
去年の11月に買いものの合間にリサイクル書店で見つけて、え、本があるんだ、って驚いた拍子で買ってしまった。
発行日付見たら2017年5月でわりと最近だけど、あれだよなー、あの虚構新聞だよな、おもしろくてサイト見てたの昔のことと思ってたんだが。
探したら、まだちゃんとあった、http://kyoko-np.net/index.html
「バウムクーヘン天日干し」なんて懐かしい記事もあるけど、そうかあ、それって2005年のことだったか、やっぱ昔だ。
本は、べつに特別の手ぇ加えてあるわけでもなさそうで、サイトの記事そのまんまとみえる。
アタマっから新しい時代のほうから並んでるのは、ちょっと意外だったが。
なにがおもしろいかって聞かれても困るが、好きなんだよね、こういう冗談、私。
“紫式部の「裏日記」発見 清少納言への呪詛つづる”
“「ナマズ味のウナギ」開発に成功 千葉電波大”
“フルカラー、実は白黒でした シマウマ写真集回収へ”
とかってナンセンス、こういうノリがたまらない。
“児童養護施設にタイガーマスクの贈り物 群馬”って記事では、
>ダンボールの中には、タイガーマスク100枚(40万円相当)が入っていた。同封のカードには「今タイガーマスクが養護施設で流行っているようなので贈ります。(略)
とか書いてあって、このての大ボケぶりのやつに出くわすと、読んでて吹いちゃう。
ただ単にばかばかしいだけぢゃなくて、手の込んだ書き方してあるのも楽しい。
>「STAP細胞を信じる会」の発起人を務めるのは、代替医療を専門とする江本章博士(波動学)。(略)自身のブログで「小保方氏は巨大な陰謀の被害者」として支持を表明したところ、ホメオパシー医学や動物磁気学の専門家からも続々と支持の声が集まった。(p.109)
とか、妙におかしい、「(波動学)」がとてもいい味を出してる。
“内閣直轄のエリート大学、京都に 学費無料”って2015年の記事でも、授業料を国費でまかない、修了後は官公庁への就職をあっせんする大学なんだけど、法学部、経済学部、理学部をつくる理由について、官房長官の言葉として、
>現在政治課題となっている憲法、景気、原子力の3分野において、参考人招致の場で的確な意見を述べられる専門家を、内閣の責任のもとで養成することが国家の急務であると考える(p.89)
とかって大マジメっぽく皮肉ってる、こういうのは上手だなあって思う。
ところで、虚構新聞は、ぜんぶフィクションだって宣言して書かれてるんだけど、たまに現実になってしまい、そういうときは訂正おわび記事が出ることになる。
たとえば、“森永チョコ 144個入り「グロス」発売へ”(2013年)とか、企業がおもしろがってジョークにのってきちゃうと、フェイクニュースから現実が生れてきちゃう。
そういうのは遊びだからいいとして、アブナイのは政治のほうだ。
>厚生労働省は制度改革の具体案として、国民年金・厚生年金の支給開始年齢を、現行の65歳から130歳に引き上げることを提言した(p.180)
なんて2011年の記事はだいじょうぶそうだけど、2013年11月の
>来年4月から始まる消費増税8%に伴い、政府・与党が増税分の還元策として商品購入時の金額に応じて一定の「国民ポイント」を付与する「国民ポイントカード(仮)」の導入を検討していることがわかった(p.119)
なんてのは、ことし10月に税率10%になるときに、詳細は異なるけど大筋では現実化してしまうのではないかと心配になる。
まあ、もっとも、この記事のほうは、国民ポイントは現金化はできなくて、歴代首相の似顔絵入り湯飲みみたいな景品に替えられる、ってセンスのいいシャレに終始してるのが救いでいいんだけどね。
コメント
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